てっかん
2025.09.30

香りで惹きつけ余韻で落とす
鹿児島県薩摩川内市にある老舗・オガタマ酒造が手がける芋焼酎『鉄幹』は、伝統と職人技が息づく本格焼酎です。原料には厳選された鹿児島産のさつま芋と米麹(白麹)を使用し、一次仕込み・二次仕込みともに昔ながらの甕壺で丁寧に仕込まれています。この甕壺仕込みにより、発酵が安定し、まろやかで奥深い味わいが生まれます。
蒸留には常圧蒸留法を採用しており、芋本来の香りと旨味をしっかりと引き出しています。封を開けると広がる芳醇な香りは、まるで蒸したさつま芋のような甘くほっこりとした印象。口に含むと、柔らかくふくよかな口当たりとともに、厚みのあるコクと深みが広がり、飲み終えた後も長い余韻が残ります。
飲み方としては、お湯割りで香りをふんわりと楽しむもよし、ロックで力強い旨味を堪能するもよし。ソーダ割りにしても、芋の風味が爽快に引き立ちます。芋焼酎特有のクセを楽しみたい方には特におすすめで、初心者から通まで幅広く支持されている一本です。
なお、銘柄名「鉄幹」は、薩摩川内市にゆかりのある詩人・与謝野鉄幹にちなんで名付けられており、ラベルにもそのイメージが描かれています。地域への敬意と文化的背景を感じさせる、まさに“薩摩の魂”を宿した焼酎です。
■飲み方あれこれ!!
〇どの飲み方も、それぞれの魅力が引き立つので、シーンや気分に合わせて楽しんでみてください。
ロック:
氷を入れたグラスに注ぐことで、芋の甘みとコクが冷たさとともに際立ちます。まろやかな口当たりと芳醇な香りがダイレクトに楽しめるため、素材の良さを実感できます。
お湯割り:
温かいお湯で割ることで、芋の香りがふんわりと広がり、優しい味わいになります。寒い季節や食事と合わせる際にぴったりで、余韻も長く楽しめます。
水割り:
さっぱりとした飲み口で、食中酒としても相性抜群です。芋の風味を軽やかに感じられ、飲みやすさが増します。
ソーダ割り:
炭酸で割ることで爽快感が加わり、芋の香りと甘みがすっきりと引き立ちます。暑い季節や気分をリフレッシュしたいときにおすすめです。
ストレート:
常温でそのまま飲むことで、鉄幹の持つ力強い旨味と香りをダイレクトに味わえます。焼酎通の方に特に好まれる飲み方です。
▶「オガタマ酒造株式会社」のこと
「オガタマ酒造株式会社」は、鹿児島県薩摩川内市に蔵を構える本格焼酎の蔵元で、創業は明治27年(1894年)に遡ります。その名は、蔵の近くにある石神神社の神木「オガタマの木」に由来しており、この木は樹齢800年を超えるとされ、神話にも登場する神聖な存在です。蔵は一時休業していましたが、平成5年に地元の酒造家・山元浩義氏の尽力により再興され、地域に根ざした焼酎造りを再び開始しました。
「オガタマ酒造」の焼酎造りの最大の特徴は、「温故知新」の理念に基づいた伝統製法へのこだわりです。蔵では、一次仕込み・二次仕込みともに昔ながらの甕壺(かめつぼ)を使用し、地中に埋められた甕でじっくりと発酵を進めます。この甕仕込みによって、まろやかで奥深い味わいが生まれ、芋焼酎特有の甘みや香りが豊かに引き出されます。
また、蔵には「地杜氏(じとうじ)」と呼ばれる専属の杜氏が在籍しており、蔵の癖や気候、水質などを熟知した職人が焼酎造りを担っています。これは、季節ごとに杜氏が入れ替わる一般的な体制とは異なり、蔵に常駐することで一貫した品質と個性を守ることができる体制です。代表的な地杜氏である杉園道男氏は、70年以上にわたり焼酎造りに携わり、名銘柄「鉄幹」の開発にも深く関わっています。
仕込み水には、冠嶽山を水源とする清らかな軟水「野登路の水」を使用。地下200メートルから汲み上げられるこの水は、焼酎の味わいに柔らかさと透明感を与えています。原料のさつま芋も厳選されており、黄金千貫をはじめ、地元で栽培された希少品種を使った限定銘柄も展開しています。
さらに、「オガタマ酒造」では甕貯蔵や木樽熟成など、貯蔵方法にも工夫を凝らしており、三年以上熟成させた「蛮酒の杯」や、シェリー樽と樫樽で熟成させた「鉄馬」など、個性的な焼酎も多数ラインアップされています。これらの製品は、伝統的な技法と現代的な感性が融合した、まさに“新しい古典”とも言える存在です。
地域文化の継承と焼酎の進化を両立させる「オガタマ酒造」の姿勢は、単なる酒造りを超えた“文化の造り手”として、多くの焼酎ファンから支持を集めています。伝統を守りながらも、常に新しい挑戦を続けるその姿勢こそが、オガタマ酒造の真髄と言えるでしょう。
▶「オガタマ酒造株式会社」の歴史(年表)
1894年(明治27年):
薩摩川内市にて創業。地元の酒造家によって焼酎造りが始まり、地域に根ざした酒蔵として歩みをスタートする。
1993年(平成5年):
一時休業していた蔵(※)を、山元浩義氏が再興。寿酒造株式会社より酒造権を譲り受け、「オガタマ酒造株式会社」として設立される。
2006年(平成18年):
山元隆功氏が代表取締役社長に就任。山元酒造株式会社の社長も兼任し、地域焼酎文化の発展に尽力する。
2018年(平成30年):
鹿児島限定焼酎「泣こよかひっ飛べ」を発売。明治維新150周年を記念し、地元の素材と新しい麹菌を使った意欲作として話題を集める。
2023年(令和5年):
代表銘柄「鉄幹」が熊本国税局酒類鑑評会で優等賞を受賞。伝統的な甕壺仕込み(※2)と地元産紫芋の使用が高く評価される。
2024年(令和6年):
新焼酎「紫鉄幹」や「新焼酎鉄幹」が発売される。香り高く上品な味わいが特徴で、季節限定商品として人気を博す。
2025年(令和7年):
価格改定を実施。原材料費や物流費の高騰に対応しつつ、品質向上と安定供給を目指す姿勢を表明する。
■一時休業していた蔵(※)
〇創業は明治27年ですが、戦後の混乱や時代の変化により一時休業。しかし平成5年、地元の酒造家・山元浩義氏の手によって「オガタマ酒造」として再興されました。これは地域の焼酎文化を守るための強い意志と情熱の表れです。蔵の近くには、樹齢800年を超える国の天然記念物「オガタマの木」があり、この神聖な木にちなんで社名が付けられており、地域の自然と文化への敬意が込められています。
■伝統的な甕壺仕込み(※2)
〇現在も一次・二次仕込みともに甕壺を使用しており、手間暇かけた製法を守り続けています。これは、現代では希少な伝統技術であり、焼酎の味わいに深みと個性を与えています。代表銘柄「鉄幹」は、2023年(令和5年)の熊本国税局酒類鑑評会で優等賞を受賞。鹿児島県産の紫芋を使用し、甕壺仕込みによる華やかな香りと上品な味わいが高く評価されました。
Data
生産者:オガタマ酒造株式会社
住所:鹿児島県薩摩川内市永利町2088
創業:1894年(明治27年)
TEL:0996-22-3675
URL: https://www.ogatama.co.jp/ (オガタマ酒造公式サイト:直接注文可)
原料:さつまいも(鹿児島県産黄金千貫)、米麹(白麹)
蒸留方式:25度
アルコール度数:常圧蒸留
容量: 720ml(瓶)、900ml(瓶)、1800ml(瓶)
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