金峰櫻井

きんぽうさくらい

2025.10.06

丁寧な造りが生む上質な余韻

鹿児島県南さつま市にある老舗蔵元・櫻井酒造が手がける芋焼酎『金峰櫻井』は、薩摩焼酎の伝統と職人のこだわりが詰まった逸品です。創業1905年の櫻井酒造は、家族経営に近い小規模な蔵でありながら、手造りに徹した丁寧な焼酎造りを続けています。「金峰櫻井」は、蔵のある金峰町と蔵元の名を冠した代表銘柄で、白麹仕込みの原酒をベースに黒麹の原酒をブレンドすることで、まろやかさとコクのバランスが絶妙な味わいに仕上がっています。

原料のさつまいもには鹿児島県産の「黄金千貫」を使用し、芋は約2割も磨いてから仕込むという徹底した雑味除去へのこだわりが特徴。これは日本酒の大吟醸造りにも通じる発想で、芋焼酎としては非常に珍しい製法です。蒸留は常圧で行われ、芋本来の旨味と香りをしっかりと残しながらも、口当たりは驚くほど滑らか。濃厚でありながら飲みやすく、焼酎初心者から通まで幅広く支持されています。

飲み方としては、ロックや水割りはもちろん、お湯割りにすると香りが立ち、より一層芋の甘みと深みを感じられます。和食との相性も抜群で、特に焼き魚や煮物などと合わせると、料理の味を引き立てながら焼酎の風味も際立ちます。希少性も高く、プレミア焼酎として扱われることも多い「金峰櫻井」は、贈答品としても喜ばれる一本です。伝統と革新が融合した、まさに“薩摩の贅”を体現する芋焼酎と言えるでしょう。

 

■飲み方あれこれ!!

〇気分や料理に合わせて、いろんな飲み方を試してみると楽しいですよ。

お湯割り:

芋の香りがふわりと立ち上がり、まろやかな甘みが際立つ飲み方です。寒い季節には体も温まり、料理との相性も抜群です。焼酎6:お湯4の割合が目安です。

ロック:

氷で冷やすことでキレのある味わいに。時間とともに氷が溶け、風味の変化を楽しめます。濃厚な芋の旨みをじっくり味わいたい方におすすめです。

水割り:

すっきりとした飲み口で、芋焼酎の香りを抑えたいときに最適です。食事と合わせやすく、初心者にも飲みやすいスタイルです。

前割り:

焼酎と水をあらかじめ割って数日寝かせることで、味がまろやかになり、口当たりが格段に良くなります。常温で保存し、ゆっくり楽しむのがポイントです。

ソーダ割り:

炭酸の爽快感と芋焼酎のコクが絶妙にマッチします。レモンを添えるとさらに爽やかさが増し、洋食にもよく合います。

ストレート:

素材の味をダイレクトに感じたい方に。濃厚な香りと旨みが口いっぱいに広がります。和らぎ水を添えて、ゆっくりと味わうのがおすすめです。

 

▶「櫻井酒造有限会社」のこと

「櫻井酒造有限会社」は、鹿児島県南さつま市金峰町に位置する、1905年(明治38年)創業の老舗焼酎蔵です。初代・櫻井森右衛門が日本三大砂丘のひとつ吹上浜の近くで酒造業を始めて以来、現在は三代目・櫻井弘之氏が蔵元兼杜氏としてその伝統を受け継いでいます。家族経営に近い小規模な蔵ながら、焼酎造りに対する情熱とこだわりは非常に強く、地元の自然と共に歩む姿勢が印象的です。

「櫻井酒造」の焼酎造りの最大の特徴は、原料処理の丁寧さと製法の緻密さにあります。使用する芋は、鹿児島県産の「黄金千貫」を中心に、食用にも使えるほど高品質なものを厳選。芋の両端や傷んだ部分、虫食い箇所はもちろん、表面に付着した土まで徹底的に取り除くため、芋を約2割も削るという贅沢な処理を行っています。これは雑味を極限まで排除し、すっきりとした味わいを実現するための工夫であり、まるで日本酒の大吟醸造りにも通じる発想です。

麹造りには河内式の米蒸しドラムと三角棚を使用し、一次仕込みはステンレスタンク、二次仕込みはホーロータンクで行われます。蒸留には常圧蒸留器を用い、芋本来の旨味と香りをしっかりと残しながらも、口当たりの滑らかさを追求しています。冷却にはタンク外壁にシャワーをかける方式を採用するなど、細部にまで工夫が凝らされています。

代表銘柄「金峰櫻井」は、白麹仕込みの原酒をベースに黒麹の原酒をブレンドすることで、まろやかさとコクのバランスが絶妙な焼酎に仕上がっています。他にも「黒櫻井」「紅櫻井」「造り酒屋櫻井」「おまち櫻井」など、麹や原料の違いによって個性豊かなラインナップが揃っており、それぞれに異なる味わいが楽しめます。

「櫻井酒造」は、量産を追わず、品質を最優先にした焼酎造りを貫いています。年間製造量は約300石(約3万本)と少量ながら、その分一つひとつの工程に手間と時間をかけ、丁寧に仕上げられています。焼酎好きの間では“薩摩の贅”とも称されるその味わいは、まさに職人の技と誇りの結晶です。伝統を守りながらも、時代に合わせた革新を続ける「櫻井酒造」は、今後も注目すべき蔵元のひとつと言えるでしょう。

 

▶「櫻井酒造有限会社」の歴史(年表)

1905年(明治38年):

初代・櫻井森右衛門が鹿児島県南さつま市金峰町にて酒造業を創業。日本三大砂丘のひとつ吹上浜の近くで、自然の恵みを活かした焼酎造りを始める。

1976年(昭和51年):

三代目・櫻井弘之氏が蔵に戻り、酒造業に従事。高校生の頃から配達などを手伝い、経理の専門学校を卒業後、本格的に焼酎造りに携わるようになる。

1990年代:

芋焼酎の品質向上を目指し、原料処理に徹底的なこだわりを導入(※)。芋の両端や傷み、土などを丁寧に取り除くことで、雑味のない焼酎を追求する製法が確立される。

2000年代:

代表銘柄「金峰櫻井」をはじめ、「黒櫻井」「紅櫻井」「造り酒屋櫻井」など、個性豊かな焼酎シリーズを展開。白麹と黒麹のブレンドによる深みある味わいが評価される。

2020年(令和2年):

年間製造量は約300石(約3万本)と少量ながら、手造りにこだわった高品質な焼酎(※2)が全国の焼酎ファンから支持を集める。

2024年(令和6年):

創業119年を迎え、三代目・櫻井弘之氏が蔵元兼杜氏として活躍中。伝統を守りながらも、時代に合わせた焼酎造りを続けている。

■原料処理に徹底的なこだわりを導入(※)

〇櫻井酒造の焼酎造りで最も語られるのが、原料芋の処理工程です。芋の両端や傷んだ部分、虫食い箇所はもちろん、表面に詰まった土まで丁寧に削り取るため、芋の約2割を破棄するという徹底ぶり。これは「料理に使えるレベルの芋だけを使う」という信念に基づいており、焼酎造りというより“食材選び”に近い感覚です。近年、芋の病気「基腐病(もとぐされびょう)」の影響で新品種の芋が登場していますが、櫻井氏は「やはり黄金千貫で造った焼酎が一番うまい」と語っています。幸いにも地元では病気の影響が少なく、今も黄金千貫を使い続けられていることが、品質維持の大きな要因となっています。

■手造りにこだわった高品質な焼酎(※2)

〇年間製造量は約300石(約3万本)と少量ですが、すべての工程に手間を惜しまず、品質を最優先にした焼酎造りを貫いています。大量生産では味わえない、職人の手仕事が詰まった焼酎として、全国の焼酎ファンから高い評価を受けています。

Data

生産者:櫻井酒造有限会社

住所: 鹿児島県南さつま市金峰町池辺295

創業:1905年(明治38年)

TEL:0993-77-1332

URLhttps://www.honkakushochu.or.jp/kuramoto/209/ (鹿児島県酒造組合公式サイト:直接注文不可)

原料:さつまいも(鹿児島県産黄金千貫)、米麹(白・黒)

蒸留方式:常圧蒸留

アルコール度数:25度

容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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