てんぐざくら
2025.10.03

「芋の力」素朴にして濃厚
『天狗櫻』は、鹿児島県いちき串木野市にある「白石酒造」が手がける、昔ながらの手造りにこだわった本格芋焼酎です。創業1894年の老舗蔵で、五代目杜氏・白石貴史氏が中心となり、芋づくりから焼酎造りまで一貫して行う“テロワール”を重視した酒造りを実践しています。畑の土壌や気候、環境を大切にし、無農薬・無肥料で育てたさつまいも(黄金千貫)を使用。芋本来の力を最大限に引き出すため、耕作放棄地を自ら開墾して芋畑として再生するなど、自然との共生を大切にしています。
仕込みには和甕(かめ)を用い、一次・二次ともに手作業で丁寧に行われます。蒸留は常圧方式で、ステンレス製と木桶製の小型蒸留器を使い、錫を用いた工夫によって、懐かしくも力強い風味を生み出しています。白麹仕込みながら、芋の香りと旨味がしっかりと感じられる濃厚な味わいが特徴で、特にお湯割りではホクホクとした芋の風味が際立ち、芋焼酎好きにはたまらない一本です。
「天狗櫻」は、派手さこそないものの、素朴で力強く、飲むたびに造り手の情熱と自然の恵みが伝わってくるような焼酎です。ラベルに描かれた天狗の顔も印象的で、地元に根ざした“地焼酎”として、長年愛され続けています。焼酎の原点を感じさせるような、深みと個性に満ちた逸品です。
■飲み方あれこれ!!
〇どの飲み方でも、「天狗櫻」の素朴で力強い魅力がしっかりと伝わってきます。
お湯割り:
芋の香りと旨味がふわっと広がり、素朴で力強い味わいが際立ちます。温めることで、焼酎の個性がより深く感じられ、寒い季節やゆったりとした時間にぴったりです。
ロック:
氷で冷やすことで香りが引き締まり、キレのある飲み口に。芋の風味をしっかりと感じながらも、爽やかさが加わり、食後の一杯にも最適です。
水割り:
すっきりとした口当たりで、食事との相性も良好。芋焼酎の濃厚さを軽やかに楽しみたい方におすすめです。
ストレート:
造り手のこだわりや素材の力をダイレクトに味わえる飲み方。常圧蒸留ならではの深みと余韻をじっくり堪能できます。
▶「有限会社白石酒造」のこと
「有限会社白石酒造」は、鹿児島県いちき串木野市に蔵を構える、1894年(明治27年)創業の老舗焼酎蔵です。創業以来、地域に根ざした焼酎造りを続け、現在は五代目当主・白石貴史氏が杜氏を兼任し、伝統と革新を融合させた独自の酒造りを展開しています。
「白石酒造」の最大の特徴は、焼酎業界では珍しい“ドメーヌ型”の酒造りを実践していることです。つまり、焼酎の原料となるさつまいもをすべて自社畑で栽培し、収穫から仕込み、蒸留、瓶詰めまでを一貫して行っています。しかもその芋は、無農薬・無肥料で自然栽培されており、畑ごとの土壌の違いを活かして、芋の個性を最大限に引き出すことを目指しています。白石氏は「芋の個性は白か黒ではなく、グレーのグラデーションにこそ美しさがある」と語り、自然との対話を重視した農法を貫いています。
焼酎造りにおいても、昔ながらの手作業を大切にしています。仕込みには土中に埋めた甕(かめ)を使用し、蒸留には木樽に錫の蛇管を取り付けた小型蒸留器を用いるなど、細部にまでこだわりが光ります。麹の使用量は最小限に抑え、酵母も蔵付きの自然酵母を活用。もろみの発酵はゆっくりと進められ、櫂入れも最小限にとどめることで、素材の持つ力をそのまま焼酎に反映させています。
代表銘柄「天狗櫻」は、こうした哲学の結晶とも言える焼酎です。芋の香りと旨味がしっかりと感じられ、素朴で力強い味わいが特徴。特にお湯割りで飲むと、芋の風味がふわっと広がり、飲み手の心に深く染み渡ります。また、畑ごとの芋の違いを表現した「宇都地区」シリーズなど、個性豊かな原酒も展開しており、焼酎の新たな可能性を提示しています。
「白石酒造」は、焼酎を単なる酒としてではなく、土地・人・自然が織りなす“物語”として捉えています。その姿勢は、焼酎造りにおける芸術性や哲学性を感じさせ、飲み手に深い感動を与える存在となっています。伝統を守りながらも、常識にとらわれない自由な発想で焼酎の未来を切り拓く、稀有な蔵元です。
▶「有限会社白石酒造」の歴史(年表)
1894年(明治27年):
鹿児島県いちき串木野市にて創業。初代が焼酎造りを開始し、地域に根ざした酒造業の礎を築く。
1920〜30年代(昭和初期):
3代目の代までは米焼酎も製造していたが、次第に芋焼酎へと特化。地元産のさつまいもを活かした焼酎造りに注力する。
2007年(平成19年):
耕作放棄地を借り受け、畑の開墾を開始。無農薬・無肥料による自然栽培のさつまいもづくり(※)に取り組み始める。
2014年(平成26年):
5代目・白石貴史氏が代表取締役に就任。杜氏も兼任し、焼酎造りの哲学と技術をさらに深化させる。
2020年(令和2年):
自社畑での芋栽培が100%自然栽培に移行。焼酎蔵としては珍しい“ドメーヌ型”の体制を確立する。
2023年(令和5年):
畑ごとの土壌の違いを活かした原酒シリーズ「宇都地区」などを展開。芋の個性を表現する焼酎造りが注目を集める。
2025年(令和現在):
自然栽培・手造り・常圧蒸留という伝統的な手法を守りながら、唯一無二の焼酎を目指して革新を続けている。
■無農薬・無肥料による自然栽培のさつまいもづくり(※)
〇白石酒造では焼酎の原料となるさつま芋を自社畑で無農薬・無肥料で栽培しています。これは焼酎蔵としては非常に珍しく、芋の個性を最大限に引き出すために、畑ごとの土壌の違いまで考慮して栽培を行っています。芋の植え付け間隔を狭めて小ぶりに育てることで、味わいの密度を高めるなど、細部にまで工夫が凝らされています。
Data
生産者:有限会社白石酒造
住所: 鹿児島県いちき串木野市湊町1-342
創業:1894年(明治27年)
TEL:0996-36-2058
URL: https://www.honkakushochu.or.jp/kuramoto/741/ (鹿児島県酒造組合公式サイト:直接注文不可)
原料:さつまいも(自社畑産黄金千貫)、米麹(白)
蒸留方式: 常圧蒸留
アルコール度数:25度
容量: 720ml(瓶)、900ml(瓶)、1800m(瓶)
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