せいこううどく
2025.10.07

静かな時間に寄り添うやさしい一杯
『晴耕雨読』は、鹿児島県南薩摩にある老舗蔵元・佐多宗二商店が手がける本格芋焼酎で、伝統と革新が融合した一本です。原料には、南薩摩産のさつま芋「黄金千貫」と国産米を使用した米麹を用い、丁寧に仕込まれています。蒸留には常圧蒸留を採用し、芋本来の風味をしっかりと引き出す製法が特徴です。
グラスに注ぐと、まず可憐な白い花を思わせる香りが立ち上り、続いて火打石のようなミネラル感、炊き立ての米の香ばしさ、そしてかすかにカカオのニュアンスが漂います。これらの香りが複雑に絡み合い、南薩摩の大地の記憶を感じさせるような深みのあるアロマを形成します。口に含むと、鹿児島銘菓「かるかん」のようなほのかな甘みが広がり、後からさつま芋のやさしい旨みが追いかけてきます。酸味のキレも心地よく、口当たりは非常に滑らかで、余韻には清涼感と甘みが静かに残ります。
芋焼酎特有のクセが少なく、初心者にも飲みやすい味わいでありながら、焼酎愛好家にも満足感を与える奥行きがあります。飲み方はロック、水割り、お湯割りと幅広く、季節やシーンに応じて楽しめるのも魅力です。特にお湯割りでは香りが一層引き立ち、まろやかさが際立ちます。
「晴耕雨読」という名の通り、日々の営みの中で静かに寄り添うような存在感を持ち、読書や語らいのひとときにぴったりの焼酎です。自然と調和した味わいは、まさに“心をほどく酒”とも言えるでしょう。
■飲み方あれこれ!!
〇どの飲み方でも「晴耕雨読」の繊細でまろやかな風味が活きてきます。季節や気分に合わせて、ぜひいろいろなスタイルで味わってみてください。
ロック:
氷を入れたグラスに注ぐことで、芋の香りと甘みがシャープに際立ちます。氷が溶けるにつれて味わいが変化し、複雑な余韻を楽しめます。ゆっくりと時間をかけて味わいたいときに最適です。
水割り:
焼酎と水を1:1程度で割ると、軽やかな口当たりと爽やかな香りが引き立ちます。暑い季節や食事中にぴったりで、飲み疲れしにくいのが魅力です。
お湯割り:
お湯を先に注ぎ、焼酎を後から加えることで香りがふわっと広がります。芋の甘みと旨みがやさしく際立ち、寒い季節やリラックスタイムにおすすめです。
ソーダ割り:
炭酸水で割ることで、芋の香りに爽快感が加わり、軽快な飲み口になります。食前酒や気分転換にぴったりで、カジュアルな場面にもよく合います。
ストレート:
常温でそのまま味わうことで、素材本来の香りと味わいをダイレクトに感じられます。少量をゆっくりと口に含み、余韻を楽しむ飲み方です。
▶「有限会社佐多宗二商店」のこと
「有限会社佐多宗二商店」は、1908年(明治41年)に鹿児島県南九州市頴娃町で創業された老舗の焼酎蔵です。創業以来100年以上にわたり、薩摩の風土に根ざした酒造りを続けてきました。戦時中には蔵が焼失するという困難を経験しながらも、終戦翌年には再建を果たし、1948年には法人化。以来、芋焼酎を中心に、果実酒やスピリッツ、クラフトジンなど多彩な酒類の製造に取り組んできました。
「佐多宗二商店」の焼酎造りの最大の特徴は、蒸留技術への徹底したこだわりです。従来の直接加熱式蒸留器に加え、フランスやドイツなどヨーロッパから輸入した間接加熱式蒸留器を導入し、焼酎の香りや味わいの幅を大きく広げています。この間接蒸留方式では、もろみに直接蒸気を当てず、外部からじっくりと熱を加えることで、繊細で伸びやかな香りを引き出すことが可能となります。蔵には現在9基の蒸留器があり、それぞれの特性を活かして、同じ原料でも異なる味わいを生み出すことができるのです。
原料へのこだわりも深く、契約農家と連携して栽培された黄金千貫を使用。すべて朝掘りの芋を使い、鮮度を保ったまま自社で処理することで、年間を通じて安定した品質の焼酎造りを実現しています。また、焼酎の熟成にも力を入れており、コニャック地方の樽職人アラリー氏が手がける「リムーザン・オーク樽」を用いて、芋焼酎の新たな可能性を追求しています。
代表銘柄には、芋焼酎「晴耕雨読」や「不二才」があり、いずれも芋の旨みと香りを活かした個性豊かな味わいが特徴です。さらに、クラフトスピリッツブランド「AKAYANE」では、山椒やマンダリンなどのボタニカル素材を使った革新的な蒸留酒を展開し、国内外で注目を集めています。
「佐多宗二商店」は、伝統を守りながらも常に革新を追求する姿勢を貫き、焼酎の可能性を広げる挑戦を続けています。その酒造りは、単なる技術ではなく、素材・風土・哲学が融合した“薩摩の芸術”とも言える存在です。
▶「有限会社佐多宗二商店」の歴史(年表)
1908年(明治41年):
鹿児島県南九州市頴娃町にて創業。薩摩の風土を活かした焼酎造りを開始し、地域に根ざした酒蔵として歩み始める。
1945年(昭和20年):
太平洋戦争の影響により蔵が焼失。戦火による甚大な被害を受け、一時的に酒造業の継続が困難となる。
1946年(昭和21年):
終戦翌年に蔵を再建。地域の支援と蔵元の情熱により、焼酎造りを再開し、復興の象徴として再び酒造業に取り組む。
1948年(昭和23年):
法人化により「有限会社佐多商店」として登記。経営基盤を整え、乙類焼酎の製造を本格化させる。
1958年(昭和33年):
日本で初めて梅酒「角玉梅酒」をアメリカ・ロサンゼルスへ輸出。焼酎蔵として世界進出の第一歩を踏み出す。
2006年(平成18年):
赤屋根製造所を新設。フランス・ドイツ・イタリア製の間接加熱蒸留器を導入(※)し、クラフトスピリッツやジンの製造を開始。
2018年(平成30年):
「AKAYANE」クラフトスピリッツシリーズの販売を開始(※2)。焼酎の枠を超えた蒸留酒造りに挑戦し、国内外で注目を集める。
■フランス・ドイツ・イタリア製の間接加熱蒸留器を導入(※)
〇「有限会社佐多宗二商店」は、鹿児島県南九州市頴娃町という焼酎の本場にありながら、伝統に甘んじることなく、フランス・ドイツ・イタリアなどの蒸留技術を現地で学び、独自の焼酎造りに取り入れるという稀有な取り組みを行ってきました。蔵元の佐多宗二氏は、蒸留酒の本場であるヨーロッパに何度も足を運び、蒸留器の構造や熟成樽の哲学、香りの抽出技術などを徹底的に研究。その成果として、赤屋根製造所にはヨーロッパ製の間接加熱式蒸留器が複数導入され、焼酎の香りや味わいに新たな可能性をもたらしました。この技術により、芋焼酎でありながら白い花のような香りや、火打石のようなミネラル感、カカオのニュアンスなど、従来の焼酎にはない複雑な香味を表現することが可能となり、代表銘柄「晴耕雨読」や「不二才」にもその革新が反映されています。
■「AKAYANE」クラフトスピリッツシリーズの販売を開始(※2)
〇フランス・ドイツ・イタリアなどから導入した蒸留技術は、焼酎だけでなくクラフトスピリッツ「AKAYANE」シリーズにも応用され、山椒・マンダリン・ジュニパーベリーなどのボタニカル素材を使った蒸留酒が誕生。焼酎蔵としては異例のスピリッツ分野への進出を果たし、国内外のバーテンダーや酒愛好家から高い評価を受けています。
Data
生産者:有限会社佐多宗二商店
住所: 鹿児島県南九州市頴娃町牧之内10317
創業:1908年(明治41年)
TEL:0993-36-1111
URL: http://www.satasouji-shouten.co.jp/ (佐多宗二商店公式サイト:直接購入不可)
原料:さつまいも(南薩摩産黄金千貫)、米麹(白)
蒸留方式: 常圧蒸留
アルコール度数: 25度
容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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