黒霧島

くろきりしま

2025.09.17

黒麹仕込みが生む深みとまろやかさ

『黒霧島』は、宮崎県都城市に本社を構える霧島酒造が1998年に発売した本格芋焼酎です。焼酎業界が白麹主流だった時代に、あえて伝統的な黒麹仕込みを採用したことで、深いコクとキレのある後味を両立させた革新的な味わいが誕生しました。キャッチコピー「トロッとキリッと」が示す通り、口当たりはまろやかで甘みがありながら、喉越しはすっきりとした爽快感が特徴です。

原料には九州産のさつまいも「黄金千貫」と国産米の米麹を使用し、仕込み水には鉄分をほとんど含まない霧島裂罅水(きりしまれっかすい)を採用。これにより、雑味のないクリアな味わいが実現されています。芋焼酎特有のクセが抑えられているため、初心者にも飲みやすく、焼酎ファンからも高い評価を受けています。

飲み方も自由度が高く、ロック、水割り、お湯割り、ソーダ割りなど、どんなスタイルでもその個性を失わずに楽しめるのが魅力。和食はもちろん、洋食や中華、エスニック料理とも相性が良く、食中酒としても優秀です。

発売以来、国内外の酒類品評会で数々の賞を受賞し、現在では全国のスーパーや飲食店で広く流通する定番焼酎として親しまれています。通称「クロキリ」として愛される「黒霧島」は、芋焼酎の魅力を多くの人に伝える存在として、今もなお進化を続けています。

■飲み方あれこれ!!

〇芋焼酎「黒霧島」は、そのまろやかな甘みとキレのある後味を活かすために、さまざまな飲み方が楽しめます。

ロック :

氷をたっぷり入れたグラスに注ぐだけ。冷たさで香りが引き締まり、黒麹由来のコクが際立ちます。特に25度の黒霧島におすすめ。

お湯割り :

焼酎4:お湯6の「ロクヨン割り」が基本。先にお湯を注ぎ、後から焼酎を入れると香りがふわっと立ち上がります。芋の甘みがより感じられ、寒い季節にぴったり。

水割り :

焼酎1:水3の割合が飲みやすく、食事との相性も抜群。軟水を使うとよりまろやかに仕上がります。

炭酸割り(ソーダ割り) :

爽快感が増し、食中酒としても軽やか。レモンを添えると香りが引き立ちます。

梅干し入りお湯割り :

梅の酸味と芋の甘みが絶妙にマッチ。和食との相性も抜群です。

ジュース割り(オレンジ・トマトなど) :

焼酎が苦手な方にもおすすめ。特にトマトジュース割りは、意外なほどクセがなく飲みやすいです。

ウーロン茶割り :

香ばしさが加わり、芋の風味を引き締めてくれます。脂っこい料理にもよく合います。

黒霧島は度数20度と25度があるので、飲み方によって使い分けるのも楽しいですよ。

 

▶「霧島酒造株式会社」のこと

「霧島酒造株式会社」は、1916年(大正5年)に創業者・江夏吉助が宮崎県都城市で「川東江夏商店」として焼酎製造を始めたことに端を発します。以来100年以上にわたり、南九州の風土と伝統を活かした本格焼酎造りを続けてきました。1933年には「霧島」の商標登録を行い、地元霧島山にちなんだブランド名として定着。1955年には工場近くで掘り当てた天然水を「霧島裂罅水(きりしまれっかすい)」と名付け、以降すべての焼酎造りにこの清らかな地下水を使用しています。

「霧島酒造」の焼酎造りの特徴は、まず原料へのこだわりにあります。主に九州産のさつまいも「黄金千貫」を使用し、米麹との絶妙なバランスで芋の甘みと香りを引き出します。仕込み水には前述の霧島裂罅水を用い、鉄分が少なく雑味のない味わいを実現。さらに、酵母には宮崎県食品開発センターが開発した「平成宮崎酵母」を採用するなど、地元の技術と資源を最大限に活かしています。

また、「霧島酒造」は焼酎の品質向上に積極的に取り組んできました。2代目社長・江夏順吉は東京帝国大学で応用化学を学んだ技術者でもあり、「乙類焼酎」を「本格焼酎」と呼ぶことを提唱。1957年の九州旧式焼酎協議会でその名称を提案し、1962年には法的にも「本格焼酎」の呼称が認められるようになりました。この功績は、焼酎の社会的地位向上にも大きく貢献しています。

1998年には、黒麹仕込みによる「黒霧島」を発売。従来の芋焼酎に比べてクセが少なく、まろやかでキレのある味わいが人気を博し、焼酎ブームの牽引役となりました。以降も「赤霧島」「茜霧島」「虎斑霧島」など、原料や麹の違いを活かした多彩なラインナップを展開し、消費者のニーズに応えています。

さらに、環境への配慮も忘れていません。焼酎粕を活用したバイオガス発電事業を2014年から開始し、持続可能な酒造りを目指しています。現在では、国内外の品評会で数々の賞を受賞し、本格焼酎メーカーとして売上高日本一を誇る企業へと成長しました。

「霧島酒造」の焼酎は、単なる酒ではなく、南九州の自然・文化・技術が融合した結晶とも言える存在です。その歴史とこだわりは、今も多くの焼酎ファンの心をつかみ続けています。

 

▶「霧島酒造株式会社」の歴史(年表)

1916年(大正5年):

江夏吉助が宮崎県都城市で「川東江夏商店」を創業。焼酎製造を開始 。

1933年(昭和8年):

「霧島」の商標を登録 。

1949年(昭和24年):

霧島酒造株式会社に改組。江夏順吉が社長に就任 。

1955年(昭和30年):

地下水「霧島裂罅水」を掘り当て、焼酎造りに使用開始 。

1957年(昭和32年):

「本格焼酎」の呼称を九州旧式焼酎協議会で提唱 。

1962年(昭和37年):

大蔵省令により「本格焼酎」の呼称が法的に認められる 。

1986年(昭和61年):

紙パック製焼酎を発売。志比田工場が落成 。

1996年(平成8年):

江夏順行が社長に就任 。

1998年(平成10年):

「霧の蔵ブルワリー」オープン 。本格芋焼酎「黒霧島」を宮崎県限定で発売(※)

1999年(平成11年):

本格芋焼酎「黒霧島」を全国展開 。

2003年(平成15年):

「赤霧島」を発売 。

2014年(平成26年):

焼酎粕を活用したバイオガス発電事業を開始 。

2015年(平成27年):

「霧島ホールディングス株式会社」を設立し、持株会社制へ移行 。

2016年(平成28年):

創業100周年を迎える 。

2018年(平成30年):

アカデミー賞授賞式後のパーティーで「霧島焼酎」が採用される 。

2022年(令和4年):

サツマイモの基腐病流行により一部製品の販売を休止 。

2025年(令和7年):

江夏邦威が社長に就任予定。

■本格芋焼酎「黒霧島」を宮崎県限定で発売(※)

〇1998年、焼酎業界では白麹が主流だった時代に、霧島酒造はあえて黒麹を使った芋焼酎「黒霧島」を開発しました。黒麹は扱いが難しく、腐敗のリスクも高いため敬遠されていましたが、深いコクとキレのある味わいを求めて復活に挑戦。結果、「トロッとキリッと」というキャッチコピーとともに大ヒットし、焼酎ブームの火付け役となりました。

Data

生産者:霧島酒造株式会社

住所: 宮崎県都城市下川東4丁目28-1

創業:1916年(大正5年)

TEL:0986-22-2323

URLhttps://www.kirishima.co.jp/company/(霧島酒造株式会社公式サイト:直接注文可)

原料:さつまいも(九州産黄金千貫)、米麹(黒)

蒸留方式: 常圧蒸留

アルコール度数: 20度、25度

容量: 200ml(ミニボトル)、720ml(瓶)、900ml(紙パック・瓶)、1,800ml(一升瓶・紙パック)

 

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