黒伊佐錦

くろいさにしき

2025.09.27

黒麹の力で引き出す濃厚な旨みとコク

『黒伊佐錦』は、鹿児島県北部の大口酒造が誇る本格芋焼酎で、1987年の発売以来、地元を中心に全国で高い人気を誇るスタンダード銘柄です。最大の特徴は、麹に「黒麹」を使用している点にあります。かつては白麹が主流だった芋焼酎の世界において、黒麹仕込みの焼酎の魅力を広めた先駆け的存在とも言われています。

黒麹によって生み出される「黒伊佐錦」の味わいは、まろやかな口当たりと深いコク、そしてほんのりとした甘みが絶妙に調和しています。華やかな香りが立ち上がり、芋のふくよかな風味が広がる一方で、クセが少なく飲みやすいため、芋焼酎初心者にもおすすめです。お湯割りにすると香りがふわっと広がり、ロックではキレのある爽快感が際立ちます。水割りやソーダ割りでも美味しく楽しめる、まさに万能型の芋焼酎です。

原材料には鹿児島県産のさつまいもと米麹を使用し、常圧蒸留によってしっかりとした味わいを引き出しています。アルコール度数は25度で、一升瓶や紙パック、900mlサイズなど、用途に応じたラインナップも豊富です。

「黒伊佐錦」は、日々の晩酌はもちろん、贈答品としても喜ばれる一本。伝統と革新が融合した味わいは、鹿児島の焼酎文化を象徴する存在として、今も多くの人々に愛され続けています。

■飲み方あれこれ!!

〇「黒伊佐錦」は、黒麹仕込みならではのコクとまろやかさが魅力の一本。飲み方次第でその味わいがぐっと引き立ちます。

お湯割り(焼酎6:お湯4):

芋の香りがふわっと広がり、黒麹の甘みとコクが際立ちます。お湯を先に注ぎ、焼酎を後から入れると香りが引き立ちます。寒い季節やリラックスタイムにぴったり。

ロック:

氷で冷やすことでアルコール感が和らぎ、スッキリとした飲み口に。ゆっくりと氷が溶けることで、味の変化も楽しめます。食事と合わせるならこのスタイルが万能。

水割り:

焼酎の風味を保ちつつ、軽やかで飲みやすい一杯に。常温の水で割ると香りが損なわれず、より繊細な味わいに。夏場や食中酒としておすすめ。

前割り:

焼酎と水をあらかじめ混ぜて数日寝かせることで、まろやかさが増します。鹿児島の伝統的なスタイルで、口当たりが格別。ぬる燗にして飲むと、さらに香りが引き立ちます。

炭酸割り(ハイボール風):

黒伊佐錦の甘みと炭酸の爽快感が絶妙にマッチ。暑い季節や気分転換にぴったりの飲み方。氷を入れて、焼酎→炭酸水の順で注ぐのがポイント。

 

▶「大口酒造株式会社」のこと

鹿児島県伊佐市に本社を構える「大口酒造株式会社」は、1970年に伊佐地方の11の蔵元が協業組合として結集し、地域ブランド「伊佐錦」を掲げて創業した酒造会社です。伊佐地方は、清らかな水、美味な伊佐米、そして良質なさつまいもが揃う焼酎造りに理想的な土地であり、古くから焼酎文化が根付いています。実際、郡山八幡神社の柱貫からは、1559年(永禄二年)に記された「焼酎」の文字が発見されており、これは日本最古の焼酎の記録(※)とされています。

「大口酒造」は、こうした歴史的背景と豊かな自然環境を活かし、地域に根ざした焼酎造りを続けてきました。創業当初は「伊佐錦」が主力商品でしたが、1987年には黒麹を使用した「黒伊佐錦」を発売。これが全国的な黒麹ブームの火付け役となり、芋焼酎の新たな魅力を広く知らしめることとなりました。

焼酎造りにおいて大口酒造が重視しているのは、「素材の力」と「伝統の技」です。地元産のさつまいもと米を使用し、伊佐の清流を仕込み水に用いることで、自然の恵みを最大限に引き出しています。また、黒麹による仕込みは、焼酎に深いコクとまろやかさを与え、香り高く飲みやすい味わいを生み出します。これに加え、常圧蒸留によって芋の風味をしっかりと残す製法を採用しており、焼酎本来の力強さと繊細さを両立させています。

2007年には株式会社へと組織変更し、より柔軟な経営体制を整えながらも、地域とのつながりを大切にした酒造りを継続。工場見学施設「伊佐伝承館 永禄」では、焼酎の製造工程や伊佐の文化を紹介し、観光資源としても地域に貢献しています。

「大口酒造」の焼酎は、単なる酒ではなく、伊佐の風土と人々の想いが詰まった「文化の結晶」と言えるでしょう。伝統を守りながらも革新を恐れず、これからも「ふるさとの焼酎」として多くの人々に愛され続ける存在です。

■日本最古の焼酎の記録(※)

〇鹿児島県伊佐市にある郡山八幡神社で、1954年の修復作業中に発見された柱貫の落書きに「焼酎」の文字が記されていました。その年号は永禄二年(1559年)。これは日本最古の「焼酎」の記録とされており、伊佐市が焼酎発祥の地と呼ばれる由縁です。この地域の自然環境(清流、寒冷な気候、伊佐米)も焼酎造りに理想的で、まさに“焼酎のふるさと”といえる場所です。

 

▶「大口酒造株式会社」の歴史(年表)

1970年8月1日:

伊佐地方の11事業所が協業し、大口酒造協業組合を発足。銘柄を「伊佐錦」に統一した。

1970年:

「伊佐錦」を発売開始。

1971年:

鹿児島県・熊本国税局鑑評会に初出品し、初入賞を果たす。

1978年:

課税移出数量が5千石を超える。

1983年:

課税移出数量が1万石を突破する。

1987年3月15日:

「黒伊佐錦」を発売。黒麹仕込みの芋焼酎(※2)として話題に。

1992年:

鹿児島県鑑評会で総裁賞代表を受賞する。

1993年:

課税移出数量が2万石を突破する。

1995年12月8日:

伊佐地区限定焼酎「伊佐舞」を発売する。

2000年:

課税移出数量が3万石を突破する。

2004年:

第二蒸溜所の製造を開始し、焼酎粕の畜産リサイクルも始める。

2005年:

花北配送センターが稼働を開始する。

2006年:

本社工場がエコアクション21の認証を取得する。

2007年2月26日:

「伊佐錦」白麹仕込みをリニューアル発売する。

2007年12月1日:

株式会社へ組織変更し、「大口酒造株式会社」となる。

2007年:

課税移出数量が5万石を突破する。

2008年:

トヨタ式「益々繁盛活動」を導入し、エコ通勤制度も開始する。

2012年6月1日:

「伊佐小町」を発売する。

2014年8月1日:

福岡営業所を開設する。

2017年2月1日:

「黒伊佐錦」30周年記念酒「くろいさ」を限定発売する。

2021年8月11日:

JFS-B規格の適合証明を取得し、HACCP対応の衛生管理を強化する。

2024年1月24日:

緑化優良工場等表彰にて経済産業大臣賞を受賞する。

■黒麹仕込みの芋焼酎(※2)

〇大口酒造の代表銘柄「黒伊佐錦」は、1980年代に緒方新一郎氏(現社長)が開発を担当。当時は未知の菌「NK菌(ニュークロ)」を使った麹造りに挑戦。黒麹と黄麹の性質を併せ持つような特性に着目し、試行錯誤の末に製法を確立。黒麹は扱いが難しく、社内でも反対の声があったそうですが、「だからこそやってやる」と一致団結。結果、濃醇で甘みのある味わいが完成し、全国的な人気銘柄に成長しました。

Data

生産者:大口酒造株式会社

住所: 鹿児島県伊佐市大口原田643

創業:1970年(昭和45年)

TEL: 0995-22-1213(代表) 、0120-86-9613(フリーダイヤル)

URLhttps://www.isanishiki.com/ (大口酒造公式サイト:直接注文可)

原料:さつまいも(鹿児島県産黄金千貫) 、米麹(黒麹)

蒸留方式:常圧蒸留

アルコール度数: 25度

容量: 200ml(瓶)、720ml(瓶)、900ml(瓶・紙パック)

 

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