よねつる でんけい とくべつじゅんまいしゅ
2026.09.06
米の甘みとキレを両立させた食中向けの味わい
『米鶴 田恵 特別純米酒』は、1697年(元禄10年)創業の米鶴酒造が受け継いできた三百年以上の酒造りの精神を体現する一本です。蔵のある山形県高畠町は、清らかな水と肥沃な土壌に恵まれ、古くから酒造りに適した土地として知られてきました。初代・梅津伊兵衛がこの地で酒造りを始めて以来、米鶴酒造は地域の指導的蔵として発展し、江戸末期には米沢藩上杉家の御用酒蔵として名声を高めました。こうした歴史的背景は、蔵が大切にしてきた「良い酒を造る」という揺るぎない信念に結びついています。
特別純米酒である「田恵」は、米の旨味を丁寧に引き出すことを重視した酒質が特徴です。精米歩合を高め、雑味を抑えながらも米本来のふくらみを残すことで、香り・味・切れのバランスが整った仕上がりとなっています。穏やかな香りの中に、米の甘みと旨味が柔らかく広がり、後口には米鶴らしい清冽なキレが感じられます。冷酒では透明感のある味わいが際立ち、常温では旨味がより豊かに膨らむため、食中酒として幅広い料理と調和します。
また、米鶴酒造は吟醸酒ブームの先駆けとなった蔵でもあり、伝統と革新を融合させた酒造りを続けています。現代の造り手である12代目が掲げる「さわやかさと香味の調和」という理念は、この酒にも息づいています。歴史に裏打ちされた技と、現代的な感性が寄り添うことで、「田恵
特別純米酒」は日常の食卓を上質に彩る一本として、多くの日本酒愛好家に支持されています。
■飲み方あれこれ!!
涼冷え(15℃):
米の旨味が最も素直に感じられ、香りは穏やかに立ち上がる。口当たりは軽やかで、特別純米らしい透明感が際立つ。食中酒として料理との相性が良く、後口のキレが心地よく残る。
常温(20℃):
ふくらみのある旨味が広がり、米鶴らしい柔らかな甘みと落ち着いた香りが調和する。冷酒よりも味わいの厚みが増し、穏やかな余韻が続く。食事全体を包み込むような安定した飲み心地になる。
ぬる燗(40℃):
温度によって旨味がさらに開き、米の甘みとコクが丸みを帯びて広がる。香りは柔らかく膨らみ、後口には特別純米らしい上品なキレが残る。温度変化で味の層が深まり、ゆったりと楽しめる飲み方となる。
おすすめのマリアージュ
●焼き鳥(塩):
涼冷えで合わせると、米の旨味が鶏の脂をほどよく受け止め、後口の清冽なキレが塩味を引き締める。香りは穏やかに寄り添い、食中酒として非常に安定した相性になる。
●白身魚の刺身(鯛・平目):
常温で合わせると、ふくらみのある旨味が白身魚の繊細な甘みを壊さずに支え、柔らかな余韻が重なる。酒の透明感が素材の鮮度を引き立て、上質な組み合わせになる。
●だし巻き卵:
ぬる燗にすると、米の甘みとコクが丸みを帯びて広がり、卵のやさしい甘さとふくよかな旨味が調和する。香りは柔らかく膨らみ、食卓に落ち着いた温かみを添える。
▶「米鶴酒造株式会社」のこと
「米鶴酒造株式会社」は、元禄末期の1697年(元禄10年)に初代・梅津伊兵衛が山形県屋代郷で酒造りを始めたことに端を発する、三百年以上の歴史を持つ酒蔵である。徳川五代将軍綱吉の時代、清らかな水と肥沃な耕土に恵まれた土地で、伊兵衛は大きな志を抱き酒造りに取り組んだ。屋代郷には当時三十二戸の酒造業者が存在したが、梅津家はその行司として地域の酒造界を率先して指導し、地主としても地域貢献に力を注いできた。江戸末期には米沢藩上杉家の御用酒蔵として繁栄し、蔵の酒は高い評価を得ていた。
明治以降も「米鶴酒造株式会社」は質実健全な経営を守りながら酒造りを続け、1907年(明治40年)の第1回全国酒類品評会で三等賞を受賞したのを皮切りに、奥羽総合清酒品評会などで上位入賞の常連となった。しかし昭和初期の世界恐慌により酒造界は大不況に陥り、造石税の負担から多くの蔵が倒産する中、10代目伊兵衛は借金をしながらも酒造りを続ける道を選んだ。1936年(昭和11年)には生産高が500石まで落ち込んだが、翌年の酒類統制による統廃合の波にも屈せず、原料米の割り当てと醸造権を得て蔵を存続させた。戦時下で原料米が不足する中でも、自らの食料を削ってまで酒造りに尽力し、「米鶴」は信用銘柄としての地位を確立した。
1955年(昭和30年)には大学を出たばかりの11代目が蔵を継ぎ、伝統の味を追求しながら試行錯誤を重ねた。5年後には全国品評会で金賞を受賞し、昭和43年には東京農業大学の全国調味食品品評会で山形県初のダイヤモンド賞を獲得。これを機に鑑評会出品酒をそのまま商品化した吟醸酒「米鶴F-1」を発売し、現在につながる吟醸酒ブームの先駆けとなった。2007年(平成19年)には12代目が社長に就任し、「さわやかさ」と「香り・味・切れ」の高度な調和を目指す酒造りを継承。伝統と経験、そして先進技術を融合させながら、さらなる高みを追求している。
「米鶴酒造株式会社」の酒造りの特徴は、三百年にわたり受け継がれてきた「良い酒を造る」という揺るぎない信念にある。清麗な水と豊かな土壌を生かし、米の旨味を丁寧に引き出す酒質を重視する姿勢は、吟醸酒から特別純米酒に至るまで一貫している。伝統を守りながらも革新を恐れず、香り・味・切れのバランスを追求する姿勢が、現在の「米鶴」ブランドの確かな品質を支えている。
Data
生産者:米鶴酒造株式会社
住所:山形県東置賜郡高畠町二井宿1076
創業:元禄年間(1688年頃)
TEL:0238-52-1130
URL:https://yonetsuru.com/ (米鶴酒造公式サイト・直接注文可)
特定名称:特別純米酒
原料米&精米歩合:掛米・麹米ともに出羽の里60%
アルコール度数:15%
酵母:YK009・きょうかい701号
日本酒度:-1.3
酸度:1.6
容量:720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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