きたのにしき とくべつじゅんまいしゅ まるた
2025.07.29

北の大地が育んだ骨太の純米酒
北海道栗山町に蔵を構える明治11年創業の老舗・小林酒造が手がける『北の錦 特別純米酒 まる田』は、蔵元の屋号「まる田」を冠した代表的な銘柄です。地元北海道産の酒米「吟風」を100%使用し、精米歩合50%まで磨き上げることで、純米吟醸クラスの繊細さと特別純米酒ならではの米の旨味を見事に融合させています。
「北の錦 特別純米酒 まる田」の特徴は、淡麗とは一線を画す力強い味わいにあります。しっかりとした旨味と心地よい酸が口の中で広がり、後味はキレよく引き締まる。冷やで飲めばクリアで芳醇な味を堪能でき、燗にするとより奥深い旨味が際立ち、料理との相性も格段に向上します。和食はもちろん、洋食や脂の乗った料理とも見事に調和する万能タイプです。
さらに「まる田」は、映画『鉄道員(ぽっぽや)』にも登場し、地域に根ざした日本酒として多くのファンに親しまれています。協会9号酵母を使用し、香りと味のバランスにも配慮された丁寧な造りは、小林酒造の酒造り哲学とクラフトマンシップを体現した一本と言えるでしょう。
格式を感じさせる名前に加え、日常にも寄り添える柔軟性を備えたこの酒は、日本酒入門者から玄人まで幅広く楽しめる存在です。
■飲み頃温度とおすすめのマリアージュ(料理との相性)
〇『北の錦 特別純米酒 まる田』は、温度によって味わいの表情が大きく変わる、懐の深い一本です。
冷酒(5〜10℃):
爽快感とキレのある酸味が際立つ冷酒には、繊細でさっぱりした料理が好相性です。
⇒常温(15〜20℃):
米の旨味がふくよかに広がる常温では、出汁や塩味を活かした料理がぴったりです。
⇒燗酒(40〜50℃):
旨味とコクが増す燗酒には、濃厚で温かい料理がよく合います。
▶「小林酒造株式会社」のこと
北海道夕張郡栗山町に蔵を構える小林酒造株式会社は、1878年(明治11年)に札幌・すすきので創業した、北海道最古級の酒蔵です。初代・小林米三郎が「北の地で錦を飾る」という志を込めて命名した代表銘柄「北の錦」は、北海道の地酒として長年親しまれてきました。1900年には、豊かな水と広大な土地を求めて現在の栗山町に酒蔵を移転。近隣の夕張炭鉱の需要を見越し、炭鉱労働者の“息抜き酒”として出荷量を急増させ、昭和初期には北海道最大級の酒造メーカーへと成長しました。
戦後は大量生産体制を築きながらも、時代の変化とともに品質重視へと舵を切ります。1985年には道産米「キタヒカリ」100%使用の清酒を発売し、2008年には全商品を特定名称酒(本醸造以上)に切り替え。さらに2009年からは原料米を北海道産100%に統一し、「造る人・米・水のすべてが北海道」という理念を掲げています。
酒造りの特徴としては、北海道の寒冷な気候を活かした寒造りを基本とし、三段仕込みや低温長期発酵によって、米の旨味と酸味を丁寧に引き出すスタイルが主流です。活性炭による調整を廃し、酒本来の色や風味を残す製法にもこだわり、山吹色の酒が多く見られます。また、築100年以上の煉瓦蔵や石蔵を活用した古酒の熟成も行っており、純米酒で5年、大吟醸で3年を目安に寝かせるなど、蔵の環境を最大限に活かした酒造りが特徴です。
現在は、北海道産の酒米「吟風」「彗星」「きたしずく」などを積極的に使用し、食中酒としてのバランスを重視した酒質設計を行っています。代表銘柄「まる田」「冬花火」「七光星」などは、北海道の食文化と調和する味わいで、地元はもちろん全国の日本酒ファンからも高い評価を得ています。
さらに、酒蔵群の建築物は国の登録有形文化財に指定されており、観光資源としても活用。蔵元記念館や蕎麦店「錦水庵」、カフェ併設の「小林家」などを通じて、酒造りの歴史と文化を発信しています。
▶「小林酒造株式会社」の歴史(年表)
1878年(明治11年):
札幌・すすきのにて酒造業を開始。道内清酒の先駆けとなる。
1900年(明治33年):
栗山町に酒蔵を移転。豊かな自然と水を求めて本格稼働。
1914年(大正3年):
初代・小林米三郎が死去。養子の田中栄が二代目米三郎を襲名。
1918年(大正7年):
北海道博覧会で優秀清酒褒章を受賞。
1936年(昭和11年):
総生産量8,000石を超え、販路は樺太・満州まで拡大。
1943年(昭和18年):
企業整備法により株式会社化。
1945年(昭和20年):
本社社屋がGHQに接収される。
1968年(昭和43年):
二代目米三郎が死去。三代目米三郎が社長に就任。
1978年(昭和53年):
創業100周年を迎える。
1985年(昭和60年):
道産米キタヒカリ100%使用の清酒を発売。技術賞を受賞。
1995年(平成7年):
蔵元「北の錦記念館」オープン。
1999年(平成11年):
映画『鉄道員(ぽっぽや)』に酒が登場。酒蔵コンサート開催。
2008年(平成20年):
全商品を特定名称酒(本醸造以上)に切り替え。
2009年(平成21年):
原料米を北海道産100%に統一。
2011年(平成23年):
三代目米三郎が死去。四代目米三郎を襲名。
2018年(平成30年):
創業140周年。フランス「Kura Master」で金賞受賞。
2025年(令和7年):
105年ぶりに新蔵「8番蔵」の建設を発表。翌年完成予定。
Data
生産者:小林酒造株式会社
住所:北海道夕張郡栗山町錦3丁目109番地
創業:1878(明治11)年
TEL:0123-72-1001
URL:http://www.kitanonishiki.com/ (直接注文可・見学施設有 要予約)
特定名称:特別純米酒
原料米&精米歩合:麹米、掛米ともに吟風50%
アルコール度数:16.0~17.0%
酵母:協会9号
日本酒度:+4
酸度:1.6
容量:720ml、1800ml
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