雪の茅舎 純米吟醸

ゆきのぼうしゃ じゅんまいぎんじょう

2026.06.13

秋田の風土を映す澄んだ旨みと軽やかな余韻

『雪の茅舎 純米吟醸』は、秋田県由利本荘市に蔵を構える齋彌酒造店が手がける、透明感と上質さを兼ね備えた一本です。蔵は“酒は自然が造るもの”という哲学を大切にし、蔵付き酵母を活かした酒造りを続けています。その思想が最も素直に表れる銘柄のひとつが、この純米吟醸です。

口に含むと、まず感じられるのは柔らかく澄んだ香り。華やかすぎず、穏やかすぎず、心地よい吟醸香がふわりと広がります。味わいは雑味がなく、きれいな旨みが中心に据えられ、米の甘みと酸のバランスが絶妙です。軽快でありながら奥行きがあり、飲み疲れしない上品な構成が特徴です。

後味は雪解け水のように清らかで、スッと消えるキレの良さが印象的です。冷酒では透明感が際立ち、常温では旨みがふくらむため、温度帯によって表情が変わるのも魅力です。和食全般との相性が良く、特に白身魚の刺身や塩味の料理と合わせると、酒の繊細さがより引き立ちます。

「雪の茅舎(※) 純米吟醸」丁寧な造りと蔵の個性が調和した、秋田酒らしい清冽さを持つ純米吟醸。日常の一杯にも、特別な食卓にも寄り添う、完成度の高い日本酒です。

⇒茅舎(※)

〇茅舎(ぼうしゃ)とは、茅(かや)で葺いた小さな家・小屋を意味する。茅はススキなどの草を束ねて屋根材にしたもので、昔の農村ではごく身近な建材でした。「茅舎」は、そうした素朴で自然と共にある暮らしを象徴する言葉として使われます。

■飲み方あれこれ!!

涼冷え(15℃):

透明感のある香りが最も美しく立ち上がり、雑味のない澄んだ旨みが際立つ温度帯です。軽やかでキレが良く、雪解け水のような清らかさが心地よく広がります。食中酒としても万能で、繊細な和食との相性が抜群です。

花冷え(10℃):

香りが引き締まり、よりシャープで清冽な印象が強まります。酸の輪郭がくっきりと現れ、透明感が一段と増すため、爽やかで洗練された飲み口になります。刺身や塩味の料理と合わせると、酒の繊細さがより引き立ちます。

常温(20℃):

冷酒とは異なる、米の旨みのふくらみと柔らかい甘みが感じられる温度帯です。蔵付き酵母由来の穏やかな香りが自然に広がり、味わいに奥行きが生まれます。落ち着いたバランスで、ゆっくりと味わいたい時に向いています。

おすすめのマリアージュ

●白身魚の刺身(鯛・平目など):

透明感のある旨みと穏やかな吟醸香が、白身魚の繊細な甘みを邪魔せず引き立てます。後味の清らかなキレが口中をすっと整え、素材の良さをより鮮明に感じさせます。

●塩焼きの魚(鮭・鰆・鯖など):

酒の柔らかな旨みと控えめな酸が、焼き魚の香ばしさと塩味に寄り添います。脂のある魚でも重くならず、雪解け水のような清涼感が後味を軽やかにまとめます。

●冷奴:

大豆の甘みと酒の澄んだ旨みが自然に重なり、シンプルな料理ほど相性の良さが際立ちます。雑味のない味わいが豆腐の滑らかさを引き立て、穏やかな余韻が心地よく続きます。

●天ぷら(海老・キス・野菜):

軽やかな香味が衣の香ばしさと調和し、油を感じさせない清らかな後味に導きます。特に塩で食べる天ぷらと合わせると、酒の透明感がより鮮やかに際立ちます。

●だし巻き卵:

優しい甘みと出汁の旨みが、純米吟醸の柔らかい旨みと美しく重なります。香りは控えめながら、味の奥行きがふくらみ、食中酒としての懐の深さを感じられます。

▶「株式会社齋彌酒造店」のこと

「株式会社齋彌酒造店」は、秋田県由利本荘市に蔵を構える酒蔵で、1902年(明治35年)に創業しました。創業者・齋藤彌三郎が、豊かな水と米に恵まれた由利本荘の地で“自然と調和した酒造り”を志したことが始まりです。豪雪地帯ならではの清冽な水と、寒冷な気候がもたらす低温発酵の環境は、雑味のない澄んだ酒を生むのに適しており、蔵はその恩恵を最大限に活かしながら独自の酒質を築いてきました。

蔵の大きな特徴は、蔵付き酵母を活かした酒造り(※2)を続けている点にあります。外部から酵母を購入するのではなく、蔵に棲みつく酵母を選抜し、長年にわたり育ててきたことで、他にはない柔らかさと透明感を持つ酒質が生まれました。この酵母は華やかすぎず穏やかな香りを生み、米の旨みを素直に引き出すのが特徴で、蔵の代表銘柄「雪の茅舎」の個性を形づくっています。

⇒蔵付き酵母を活かした酒造り(※2)

〇「齋彌酒造店」は、外部から酵母を購入せず、蔵に棲みつく酵母を長年にわたり育て続けてきた数少ない蔵のひとつである。蔵付き酵母は扱いが難しく、安定した酒質を保つには高度な管理が必要だが、同社はその個性を大切にし、柔らかく透明感のある酒質を生み出す基盤として受け継いできた。この酵母こそが「雪の茅舎」の唯一無二の味わいを支えている。

また、極力手を加えず、自然の力を尊重する姿勢も蔵の大切な理念です。麹造りから発酵管理まで、職人が細やかに目を配りながらも、過度に操作せず、米と水が持つ本来の力を引き出すことを重視しています。特に純米系の酒では、米の旨みと透明感の両立を追求し、軽やかでありながら奥行きのある味わいを実現しています。

さらに、酒造りの工程では小仕込み・低温長期発酵を徹底し、雑味を抑えたクリアな酒質を追求しています。これにより、香りは上品で、味わいは柔らかく、後味は雪解け水のように清らかな酒が生まれます。食事との相性も良く、特に和食の繊細な味わいを引き立てる酒として高い評価を得ています。

創業から120年以上、伝統を守りながらも現代の嗜好に寄り添う酒造りを続ける「株式会社齋彌酒造店」。自然と職人の技が調和したその酒は、秋田の風土を映し出すような清冽さと優しさを湛え、多くの愛飲家に支持されています。

▶「株式会社齋彌酒造店」の歴史(年表)

1902年(明治35年):

齋藤彌三郎が秋田県由利本荘市に「齋彌酒造店」を創業し、酒造業を開始した。

1910年代(明治末〜大正期):

地元の米と清冽な水を活かした酒造りを確立し、地域での評価を高めていった。

1930年代(昭和初期):

蔵の拡張と設備の改良を進め、安定した品質の酒造りを実現した。

1950年代(昭和中期):

戦後の需要増に対応しつつ、伝統的な手造りの技法を守りながら生産体制を整えた。

1970年代(昭和後期):

蔵付き酵母を活かした独自の酒質づくりに注力し、現在の酒造りの基盤となる方向性を固めた。

1990年代(平成初期):

代表銘柄「雪の茅舎」が誕生し、透明感のある酒質が全国で高い評価を受け始めた。

2000年代(平成中期):

小仕込み・低温長期発酵を徹底し、純米系を中心とした品質向上を進め、国内外で受賞を重ねた。

2010年代(平成後期):

自然と調和した酒造りの理念をさらに深め、蔵付き酵母の研究と管理体制を強化した。

2020年代(令和):

伝統を守りながらも現代の嗜好に合わせた酒造りを展開し、秋田を代表する蔵として国内外で存在感を高めている。

Data

生産者:株式会社齋彌酒造店

住所:秋田県由利本荘市石脇字石脇53

創業:1902年(明治35年)

TEL:0184-22-0536

URLhttps://www.yukinobosha.jp/ (齋彌酒造店公式サイト・直接注文不可)

特定名称:純米吟醸酒

原料米&精米歩合:麴米:山田錦55%・掛米:秋田酒こまち55%

アルコール度数:16%

酵母: 自社培養酵母

日本酒度:+1.0 前後

酸度:1.5〜1.6

容量: 180ml(瓶)、300ml(瓶)、720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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