東光 純米吟醸原酒

とうこう じゅんまいぎんじょうげんしゅ

2026.07.21

原酒ならではの力強い旨味と厚み

『東光 純米吟醸原酒』は、米沢の老舗蔵・小嶋総本店が手がける、力強さと上品さを併せ持つ一本です。純米吟醸ならではの華やかな香りを軸にしつつ、原酒らしい濃厚な旨味がしっかりと感じられるのが特徴です。米の旨味を丁寧に引き出す造りを行う蔵らしく、香り・味わい・余韻のバランスが良く、食中酒としても単体でも楽しめる懐の深さがあります。

口に含んだときの第一
印象は、吟醸酒らしいふくよかな香りです。果実を思わせる穏やかな吟醸香が立ち上がり、派手すぎず、しかし確かな存在感を持って杯を誘います。香りの質は柔らかく、米沢の冷涼な気候で育まれた酒らしい、落ち着きのあるトーンが感じられます。香りだけで飲み手を疲れさせることなく、食事との相性を考えた「使い勝手の良い吟醸香」といえるでしょう。

味わいは、原酒ならではの厚みがしっかりとあります。加水を行わないため、米の旨味が濃く、口に含んだ瞬間に広がる力強さが魅力です。とはいえ、ただ濃いだけではなく、純米吟醸らしい透明感も共存しており、重さを感じさせない滑らかな飲み口が続きます。甘味・旨味・酸味のバランスが良く、特に中盤のふくらみが心地よく、飲み進めるほどに味の層が見えてくるタイプです。

後味は比較的すっきりとしており、原酒の力強さを残しつつも、キレの良さが全体を引き締めています。余韻には米の旨味が静かに残り、食事との相性を高める控えめな苦味が心地よく作用します。脂のある料理や旨味の強い食材と合わせると、互いの良さを引き出し合うでしょう。

■飲み方あれこれ!!

涼冷え(15℃):

香りが最も美しく立ち上がり、吟醸香の華やかさと原酒の力強い旨味が心地よく広がる温度帯です。冷たさが輪郭を整え、透明感のある飲み口が際立ちます。食中酒としても万能で、味のバランスが非常に良く感じられます。

常温(20℃):

米の旨味がふくらみ、原酒らしい厚みがしっかりと感じられる飲み方です。香りは穏やかに広がり、味わいの層がゆっくりと開いていく印象があります。余韻には米の甘味と軽い苦味が残り、落ち着いた飲み心地が楽しめます。

ぬる燗(40℃):

温度を上げることで旨味がさらに柔らかく広がり、原酒の力強さが丸みを帯びて感じられます。香りはふくよかになり、口当たりは滑らかで、心地よい温かさが余韻を包みます。料理との相性が特に良く、脂のある食材を引き立てます。

おすすめのマリアージュ

●白身魚の昆布締め:

吟醸香の上品さと原酒の厚みが、昆布の旨味と魚の繊細さを引き立て、余韻のキレが全体をすっきりまとめる。

●鶏の塩焼き:

シンプルな塩味と鶏の旨味に、原酒の力強いコクが寄り添い、香りのふくらみが食材の風味を押し上げる。

●帆立のバター醤油焼き:

バターのコクと醤油の香ばしさに負けず、原酒の濃厚な旨味が重なり、味の層がさらに深く豊かに広がる。

●出汁巻き玉子:

出汁の柔らかな甘旨と酒のふくらみが調和し、常温でも涼冷えでも心地よい一体感が生まれる。

●刺身(中トロ):

脂の甘味を原酒の厚みが受け止め、後半のキレが余韻を整え、重さを残さず旨味だけを引き出す。

▶「株式会社小嶋総本店」のこと

「株式会社小嶋総本店」は、1597年(慶長2年)に創業した米沢の老舗酒蔵であり、上杉家の城下町として発展した地域文化とともに歩んできた蔵である。創業当初は上杉家の御用酒屋として酒を献上し、武家社会の中で磨かれた繊細な酒造りが蔵の基盤を形づくった。四百年以上にわたり、戦乱、明治維新、近代化、そして現代の酒造りの変革期を乗り越えてきた背景には、米沢の厳しい冬と豊かな水系に支えられた酒造りの環境、そして代々受け継がれてきた職人の技がある。

米沢は冬の寒さが厳しく、酒造りに適した低温環境が長く続く土地である。「小嶋総本店」はこの気候を活かし、丁寧な低温長期発酵を基本とした醸造を行ってきた。代表銘柄「東光」は江戸期から続くブランドであり、清らかで雑味の少ない味わいを追求する姿勢が一貫している。特に近年は、山田錦や雪女神といった高品質な酒米を高度に磨き、純米吟醸・純米大吟醸の香味を最大限に引き出す酒造りに力を入れている。

蔵の特徴として挙げられるのが、伝統技法と現代技術の調和である。麹造りでは昔ながらの手作業を重んじ、麹室での繊細な温度・湿度管理を職人が担う一方、発酵管理や衛生環境には最新設備を導入し、安定した品質と高い再現性を実現している。特に「袋吊り」による雫酒の製法は、手間と時間を要する伝統技法でありながら、蔵が今も継承する象徴的な取り組みである。重力だけで滴り落ちる雫を集めるこの製法は、透明感と滑らかさを兼ね備えた酒質を生み出し、最高峰の純米大吟醸として国内外で高い評価を受けている。

また、蔵は地域文化の発信にも積極的である。酒蔵資料館を整備し、米沢の歴史や酒造りの工程を公開することで、観光客や地元住民に酒文化を伝える役割を担っている。蔵の建物自体も歴史的価値が高く、米沢の町並みとともに地域の文化資産として親しまれている。さらに、国際的なコンペティションへの出品(※)や海外市場への展開にも力を入れ、伝統を守りながら新たな挑戦を続ける姿勢が評価されている。

⇒国際的なコンペティションへの出品(※)

〇近年、純米大吟醸や袋吊りの酒がIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)などの国際コンペで受賞を重ねている。400年以上の伝統が世界の舞台で評価されるようになったことは、蔵にとって大きな転機となっている。

「株式会社小嶋総本店」は、四百年以上の歴史を背景に、米沢の風土と職人の技を融合させた酒造りを続ける蔵であり、その精神は一本一本の酒に静かに息づいている。

▶「株式会社小嶋総本店」の歴史(年表)

1597年(慶長2年):

米沢にて創業し、上杉家の御用酒屋として酒造りを開始した。

江戸時代中期(18世紀頃):

米沢藩の城下町の発展とともに酒造業を拡大し、地域の名酒として知られる存在となった。

1868年(明治元年):

藩政から民間経営へ移行し、商家としての体制を整えながら近代的な酒造りへ歩みを進めた。

1900年代初頭(明治〜大正期):

酒造設備の改良が進み、麹造りや発酵管理の技術革新により品質向上を図った。

1930年代(昭和初期):

代表銘柄「東光」が広く知られるようになり、米沢を代表する酒蔵としての地位を確立した。

1950年代(昭和中期):

戦後の混乱期を乗り越え、純米酒・吟醸酒の品質向上に取り組み、伝統技法と近代技術の融合を進めた。

1980年代(昭和後期):

全国的な吟醸酒ブームの中で純米大吟醸造りに注力し、山田錦の高度精米による高品質酒の製造を本格化した。

1990年代(平成期):

酒蔵資料館を整備し、地域文化の発信拠点として観光客の受け入れを開始した。

2000年代(平成後期):

山形県オリジナル酒米「雪女神」を活用した純米大吟醸の開発を進め、国際的なコンペティションでも受賞を重ねた。

2010年代(平成〜令和):

伝統技法「袋吊り」による雫酒の製造を継承し、最高峰の純米大吟醸として国内外で高い評価を得た。

2020年代(令和):

創業400年以上の歴史を背景に、地域連携や観光事業を強化しつつ、国際市場への展開も進めている。

Data

生産者:株式会社小嶋総本店

住所:山形県米沢市本町二丁目2-3

創業:1597年(慶長2年)

TEL:0238-23-4848

URLhttps://www.sake-toko.co.jp/ (小嶋総本店公式サイト・直接注文可)

特定名称:純米吟醸酒

原料米&精米歩合:麹米・掛米ともに山形県産米55%

アルコール度数:16%

酵母: 非公開

日本酒度: +1 ~ +3

酸度: 1.3

容量: 180ml(缶)、 720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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