Kilchoman Machir Bay
2026.04.22
ファームディスティラリーの自家製スモーキーアイラ
『キルホーマン マキヤーベイ』は、2005年創業という新しい蒸溜所ながら、アイラ島の伝統を真正面から受け継ぐクラフトディスティラリー「キルホーマン」の定番ボトルとして高い評価を得ています。ヘビーピート(フェノール値50ppm)の大麦麦芽を使用し、主にバーボンバレル熟成の原酒を中心にヴァッティングすることで、若い熟成年ながらも驚くほど完成度の高い味わいを実現しています。
香りはまず、ヨードを含んだアイラらしい力強いピートスモークが立ち上がり、そこにレモンゼスト、バニラ、桃、洋梨といったフルーティで柔らかなアロマが重なります。潮風を思わせるニュアンスが全体を包み込み、海に近い蒸溜所ならではの個性をしっかりと感じさせます。
口に含むと、フレッシュなシトラス、バニラの甘み、そして骨太でありながら洗練されたピートスモークが三位一体となって広がります。パイナップルや蜂蜜、バタースコッチ、海塩、ブラックペッパーといった複雑な味わいが次々と現れ、若い原酒とは思えない奥行きを感じさせます。
余韻は、柑橘の甘みと潮気を帯びたピートスモークが長く続く心地よいフィニッシュ。フレッシュで小気味よいキレがあり、飲み飽きしないバランスの良さが魅力です。
名称の「マキヤーベイ(Machir Bay)」は、蒸溜所から半マイルほどの距離にあるアイラ島で最も美しいとされるビーチに由来し、その雄大な海景を思わせるドラマティックな味わいがボトルに込められています。
クラフト蒸溜所らしい丁寧な造りと、アイラモルトの王道らしさを兼ね備えた一本。ピート好きはもちろん、フルーティさとスモークの調和を楽しみたい人にも強くおすすめできるウイスキーです。
■飲み方あれこれ!!
ロック:
キルホーマン マキヤーベイの力強いピートスモークとレモンのような爽やかな柑橘香が、冷却によって引き締まり、よりシャープに感じられる。バーボン樽由来のバニラや蜂蜜の甘みは控えめになり、代わりに潮気とスモークのミネラル感が前面に出る。アイラらしい骨太さをストレートに楽しみたい時に最適で、余韻には海風を思わせる塩気とスモークが長く残る。
トワイスアップ:
少量の加水によって香りが一気に開き、レモンゼスト、洋梨、パイナップルのようなフルーティさがふわりと広がる。ピートスモークは柔らかくなり、甘みと果実味のバランスが最も整う飲み方。若い原酒のエッジが丸くなり、マキヤーベイの複雑さを最も分かりやすく感じられる。余韻には柑橘の甘さと穏やかなスモークが心地よく続く。
ソーダ割り:
爽快感が際立ち、柑橘のフレッシュさとバニラの甘みが軽やかに弾ける。ピートスモークは穏やかになり、潮気を帯びたミネラル感がソーダによってよりクリアに感じられる。全体として非常に飲みやすく、食中酒としても優秀。アイラモルトの個性を保ちながらも軽快で、暖かい季節やリフレッシュしたい時にぴったりのスタイル。
▶「キルホーマン蒸留所」のこと
「キルホーマン蒸留所」はアイラ島北西部ロックサイドファームの建物を改装する形で2005年に創業し、124年ぶりにアイラ島へ誕生した新蒸留所として注目を集めた。創業者アンソニー・ウィリスと共同出資者マーク・フレンチによる小規模クラフト蒸留所としてスタートし、当初は業界不況の中で静かな船出だったが、世界的なシングルモルト人気の高まりとともに急速に存在感を増していった。
2009年には初の3年熟成シングルモルトを発売し、2011年には大麦栽培から製麦、蒸留、熟成、ボトリングまでをすべてアイラ島内で行う「100%アイラ」をリリース。これは現在でもアイラ島唯一の完全島内生産ウイスキーであり、同蒸留所の象徴的シリーズとなっている。
2017年には新たなモルティングフロアとキルンを増設し、自社製麦体制を強化。2019年にはマッシュタン、ウォッシュバック6基、スチル2基を増設し、生産能力は大幅に拡張された。2023年にはさらにスチルを増設し、年間生産量は97.5万リットルに達している。創業当初は23万リットル規模だったことを考えると、短期間での成長は特筆すべきものといえる。
ウイスキー造りの特徴としてまず挙げられるのは、農場一体型の生産体制である。自社畑で栽培した大麦を用い、伝統的なフロアモルティングで麦芽を製造。自社製麦は全体の約3割を占め、フェノール値は20ppmと穏やかなピート感を持つ。一方、ポートエレン製麦所から購入する50ppmのヘビーピート麦芽も併用し、キルホーマンらしい力強いスモークを形成している。
仕込みはアイラ島最小規模の1.2トンマッシュタンを使用し、6000リットルのウォートを得る。発酵はステンレス製ウォッシュバックで85時間と長めに行われ、フルーティで複雑なエステル香を生む。蒸留器はフォーサイス社製の小型スチルで、ストレートヘッド型の初留器とバルジ型の再留器を用いることで、ピートの力強さとクリーンな酒質の両立を実現している。
熟成は主にバーボン樽が中心(※)で、ファーストフィルを多用することでバニラや柑橘の甘さを引き出す。シェリー樽やマデイラ樽など多様な樽も積極的に採用し、若い蒸留所ながら幅広い表現を生み出している。ボトリングも島内で行われ、まさに“畑から瓶詰めまで”を一貫して手掛ける希少な存在である。
⇒熟成は主にバーボン樽が中心(※)
〇2023年、創業以来使用してきたバッファロートレース蒸留所のバーボン樽から、コロラド州のブリッケンリッジ蒸留所の樽へと供給元を変更した。樽はウイスキーの味わいに大きく影響するため、この決断は蒸留所の将来像を左右する重要な転換点といえる。
▶「キルホーマン蒸留所」の歴史(年表)
2002年:
アイラ島北西部ロックサイドファームに新蒸留所建設の計画が立案される。
2005年:
アンソニー・ウィルス氏が共同出資者マーク・フレンチ氏とともにキルホーマン蒸留所を創業。アイラ島では1908年以来となる新設蒸留所となる。
2006年:
蒸留所で火災が発生し、生産が数週間中断。モルティングは約半年間停止する。
2007年:
ウォッシュバックが2基増設され、自社ウェアハウスが建設される。
2009年:
初の3年熟成ボトルがリリースされる。蒸留所として初めての正式なシングルモルトの発売となる。
2010年:
ジョン・マクラーレン氏が蒸留所マネージャーとして加入する。
2011年:
大麦栽培からボトリングまで全てをアイラ島内で完結させた「100%アイラ」が初めて発売される。
2012年:
初の通年商品「キルホーマンマキヤーベイ」が発売される。
2013年:
シェリー樽原酒を使用した「ロッホゴルム」が限定発売される。
2015年:
ロックサイドファームの所有者マーク・フレンチ氏が引退し、農場と蒸留所がアンソニー・ウィルス氏の単独所有となる(※出典は歴史表外の本文記述)。
2017年:
新しいモルティングフロアとキルン(乾燥塔)がオープンし、自社製麦体制が強化される。
2019年:
マッシュタン、6基のウォッシュバック、2基のスチルが増設され、生産能力が大幅に拡張される。
2023年:
バーボン樽供給元がバッファロートレースからブリッケンリッジ蒸留所へ変更される。
2025年:
創業20周年を記念し、「20thAnniversaryCaskSeries」など特別ボトリングがリリースされる。
Data
蒸留所:キルホーマン蒸留所(キルホーマン・ディスティラリー社)
所在地:アイラ島 西部 ロックサイド・ファーム内 マキーベイ近郊
URL:https://www.kilchomandistillery.com/
創業年:2005年
蒸留器:ストレートヘッド型、ボール型 (初×2基、再×2基)
アルコール度数:46度
容量:700ml(瓶)
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