アランモルト10年

Arran 10 Years Old

2026.04.21

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甘くフルーティな味わいの新アラン・ウォーター

『アランモルト10年』は、スコットランド・アラン島に位置するロックランザ蒸留所が手がける、明るくフルーティな味わいが魅力のシングルモルトである。1995年創業と比較的新しい蒸留所ながら、無着色・ノンチルフィルターというクラフト志向を貫き、原酒そのものの個性を大切にした造りで世界的な評価を獲得している。その代表作として位置づけられるのが、この10年である。

香りは、青リンゴ、洋梨、レモンピールといった爽やかなフルーツが軽やかに立ち上がり、続いて蜂蜜やバニラの柔らかな甘みが広がる。樽由来のウッディさは控えめで、あくまでフルーツ主体の明るい香りが中心に据えられている。口に含むと、麦芽の優しい甘みとシトラスの酸が心地よく広がり、ナッツのコクや微かなスパイスが奥行きを与える。アイラモルトのような強いスモークはなく、クリーンで透明感のある味わいが最後まで続くのが特徴だ。

余韻は中程度で、フルーツの甘酸っぱさと穏やかな樽香がバランスよく残り、飲み疲れしない軽快さがある。ウイスキー初心者にも親しみやすく、同時にモルト本来の魅力をしっかり感じられるため、愛好家からも「常備したい一本」として支持されている。

アラン島の自然をそのまま閉じ込めたような、明るくピュアな味わい。「アランモルト10年」は、日常の一杯にも、ゆったりとした時間にも寄り添う、万能で完成度の高いシングルモルトである。

■飲み方あれこれ!!

ロック:

アラン10年の明るいフルーティさが最も素直に感じられ、青リンゴや洋梨の香りが冷却によって引き締まり、透明感のある甘みが際立つ。氷が溶けるにつれ蜂蜜や麦芽のコクがゆっくりと開き、軽いスパイスが奥行きを与える。スモークがほとんどないため、冷やしても硬くならず、爽やかで飲み疲れしない印象が続く。

トワイスアップ:

1:1の加水で香りが一気に開き、レモンピール、バニラ、蜂蜜の柔らかな甘さがふわりと広がる。アルコールの刺激が和らぐことで、アラン10年の特徴である“ピュアで明るい果実味”が最も豊かに感じられる飲み方。口当たりは丸く、麦芽の甘みとシトラスの酸が調和し、余韻には穏やかなナッツのニュアンスが残る。

ソーダ割り:

軽快なフルーティさが爽快に弾け、青リンゴや柑橘の香りがより明るく立ち上がる。ソーダの刺激がアラン10年のクリーンな味わいと相性よく、甘みと酸のバランスが整った軽やかなハイボールになる。スモークがないため食中酒としても優秀で、飲み心地は非常に軽快。昼下がりにも合う爽やかな一杯になる。

▶アラン蒸留所(現・ロックランザ蒸留所)のこと

アラン蒸留所の創立は1995年。スコットランドで新しい蒸留所の一つで、アラン島(アイル・オブ・アラン)の北岸、ロックランザの村のはずれに位置している。アラン島は、ノース海峡に面している入り江の、クライド湾内で最大の島である。 南北30km、東西15km、面積約427㎢という種子島と同程度の小さな島で、航空写真で見ると南北に長いソラマメのような形をしている。人口は約5,000人。

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西岸海洋性気候で、夏涼しく冬でも寒さはさほど厳しくはなく、雨量も年間を通して安定している。 地形的・地質学的な特徴がスコットランドと酷似していることから、「スコットランドのミニチュア」と称される。英国王室の避暑地にもなっている島でもある。

アラン蒸留所の創業者はハロルド・カリー氏。シーバス・ブラザース社やキャンベルディスティラーズ社で社長を務めた人物。「自分の蒸留所を持ちたい」という夢を抱き、蒸留所がなかったアラン島に着目する。御年70歳である。

かつてアラン島は、最も多いときに密造所を含め50以上の蒸留所があり、「アラン・ウォーター」と称される良質のウイスキーがつくられたていた。そのクオリティーの高さは、グレンリベットに比肩するほどだったといわれる。

しかし、1837年に最後の合法的な蒸留所だったラッグ蒸留所が閉鎖されて以降、1滴のウイスキーも造られていない。アランウォーターの復活を願う島民の求めもあり、約160年ぶりに誕生したのがアラン蒸留所である。

蒸留所建設に際し、問題となったのは建設資金だった。ウイスキーは造ってもすぐに商品化できるものではなく、熟成にも最低3年を要する。シングルモルトとして出荷するには、10年は必要とする。

その間の維持費用もかかり、小さな蒸留所でも最低1,500万ポンドほどの費用が必要とされる。 しかも、アラン蒸留所は独立採算制。既存の蒸留所のように、ブレンデッドとして決まった供給先があるわけではなく、シングルモルトとして販売するより他はない。そのための広告費にも、莫大な資金を必要とする。それらの費用を、どう捻出するかが最大の懸念事項だった。

思案の末、カリー氏の息子のアンドリューが思いついたのが、独自の債券「ポンド」の一般販売だった。購入者は、5年後に5ケースのブレンデッドモルト、と8年後には5ケースのシングルモルト優先的に受け取ることができ、その後も生涯割引価格で購入できるというもの。現在でいうところの、クラウドファンディングの発想で、これで資金調達の目途が立ったのです。

仕込み水は、蒸留所の背後ロサ渓谷の上流にあるロッホ・ナ・ダビー湖を源泉とする、蒸留所のそばを流れるイーサン・ビオラック川の湧水を使用。赤い花崗岩とピート層を抜けてくる、まろやかで独特の風味を持っている水である。

麦芽は、アルコール収率の高いオプティック種の大麦を使ったノンピートのものを使用。 ストレートネックの小型ポットスチルで、少しずつゆっくり丁寧に蒸留されている。 熟成にはフレンチオークの樽や、シェリー樽やワイン樽を使用し、個性的な芳香を生み出す一因となっている。麦芽の自然な甘さと香ばしさがあり、フレッシュでなめらか、様々なウッドフィニッシュも魅力的である。

アラン蒸留所は、1995年8月17日に正式オープン。蒸留所には、アイラ島の観光資源のひとつとして、ビジターセンターも併設されている。1997年に行われた除幕式には、エリザベス女王が公式訪問している。

その後2019年には、「アラン蒸留所」から「ロックランザ蒸留所」に改名、ボトルパッケージも一新した。翌年には、アラン島の南に位置するラグ蒸留所を稼働。ヘビリーピーテッドタイプのウイスキーも造られるようになった。

▶「ロックランザ蒸留所」の歴史(年表)

1995年:

アラン島北部ロックランザにアラン蒸留所(Lochranza Distillery)が創業する。島では約160年ぶりの合法蒸留所として注目され、クリーンでフルーティな酒質を目指した生産が始まる。

1996年:

初留・再留の蒸留が本格稼働し、最初のニューメイクスピリッツが誕生する。無着色・ノンチルフィルターというクラフト志向の姿勢がこの時点で確立される。

1998年:

最初のシングルモルトが限定リリースされ、若いながらもフルーティで透明感のある味わいが高く評価される。アラン島の自然を生かした“ピュアモルト”としての個性が認知され始める。

2005年:

創業10周年を迎え、10年熟成の原酒が揃い始める。これにより、後の定番商品「アランモルト10年」へとつながる基盤が整う。

2010年:

蒸留所の観光施設が拡張され、アラン島の主要観光地としての存在感が増す。年間来訪者数が大幅に増え、地域経済にも貢献するようになる。

2016年:

アラン蒸留所のブランド刷新が行われ、ロックランザ蒸留所としての位置づけがより明確になる。同時に新たなラベルデザインが導入され、世界市場での認知度が向上する。

2019年:

南部ラグ蒸留所(Lagg Distillery)が新設され、ロックランザ蒸留所は“フルーティでクリーンな酒質”を担う拠点として再定義される。これにより、アラン島のウイスキー生産は二拠点体制となる。

2020年:

ロックランザ蒸留所の主要ラインナップが再構築され、10年・バレルリザーブ・シェリーカスクなどのコアレンジが世界的に高評価を得る。クラフト蒸留所から“新世代の王道シングルモルト”へと評価が進む。

2023年:

持続可能な生産体制の強化が進み、再生可能エネルギーの導入や環境負荷低減の取り組みが本格化する。自然豊かなアラン島の環境保全と調和した蒸留所運営が特徴となる。

Data

蒸留所:ロックランザ蒸留所(アイル・オブ・アラン・ディスティラーズ社)

所在地:アイランズ地方 アラン島 北部 ロックランザ村

URL:https://www.arranwhisky.com/

創業年:1995年

蒸留器:ストレートネック型(初×2基、再×2基)

アルコール度数:46度

容量:700ml(瓶)

 

 

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