クライヌリッシュ14年

Clynelish 14 Years Old

2026.04.27

whisky-clynelish

蜂蜜の甘みと潮風が織りなす奥深いハーモニー

『クライヌリッシュ14年』は、スコットランド北ハイランド地方ブローラにあるクライヌリッシュ蒸留所で造られるシングルモルトウイスキーで、オイリーでワクシー(蜜蝋のよう)な質感と、フルーティーで華やかな香りを特徴としています。蒸留所は海に近く、原酒にはほのかな潮気や沿岸由来のミネラル感が宿るため、ハイランドモルトでありながら独自の個性を放ちます。

香りは花やシトラス、リンゴ、洋ナシのようなフルーティーさに加え、かすかな潮風やバニラの甘さが重なり、複雑で奥行きのある印象を与えます。味わいは蜂蜜やキャラメルの濃厚な甘みから始まり、オイリーでクリーミーな口当たりが続き、後半にはスパイスやほのかなスモークが現れます。余韻は長く、麦芽の甘さと軽いピート感が心地よく残ります。

「クライヌリッシュ14年」の大きな魅力は、バランスの良さと飲み方の幅広さです。ストレートではワクシーな質感と複雑な香味が最もよく感じられ、ロックでは甘みと酸味の変化が楽しめます。ハイボールにしても香りがしっかりと立ち、爽やかさと飲みごたえを両立した一杯になります。

また、クライヌリッシュ蒸留所の原酒は「ジョニーウォーカー ゴールドラベル リザーブ」のキーモルトとしても知られ、蒸留所の生産量の多くがブレンデッド用に回されるため、シングルモルトとしての公式ボトルはこの「14年」が中心という点も特別感を高めています。

「クライヌリッシュ14年」は、華やかさ・甘み・沿岸の個性・ワクシーな質感が見事に調和した、スコッチの中でも独自の存在感を放つ一本です。初心者にも愛好家にも支持される理由がはっきりと感じられる、完成度の高いウイスキーと言えるでしょう。

■飲み方あれこれ!!

ロック:

冷却で甘みが引き締まり、りんごの酸味やほろ苦さが際立つ。氷が溶けるにつれ再びフルーティさが戻り、味の変化をゆっくり楽しめる。

トワイスアップ:

少量加水で香りが最も開き、ハチミツやフローラルな甘さが華やかに広がる。厚みのある味わいが損なわれず、バランスの良さが際立つ。

お湯割り:

温められた香りがふわりと立ち上がり、蜂蜜の甘さとワクシーな質感がより柔らかく広がる印象。優しい塩気が後半に顔を出し、穏やかな余韻が続く。

 

▶「クライヌリッシュ蒸留所」のこと

「クライヌリッシュ蒸留所」(※)は1819年、後にサザーランド公となるジョージ・グランヴィル・レヴィソン=ゴワーによって創設された。蒸留所の成り立ちは、19世紀初頭に起きた「ハイランド・クリアランス」(※2)と深く結びついており、当時の地主が農民を強制移住させた歴史的背景の中で、彼らを労働力とする事業の一つとして蒸留所が設立されたとされる。初期のクライヌリッシュは必ずしも順調ではなかったが、1896年にブレンダーのエインズリー&ヘイルブロン社(スコットランドのブレンディング会社・ボトラー)とジョン・リスク氏が買収したことで評価が高まり、1912年にはジョン・リスク氏が単独所有者となり、品質向上が進んだ。

⇒「クライヌリッシュ蒸留所」(※)

〇「クライヌリッシュ(Clynelish)」という名前には明確な語源がなく、“金色の湿地”を意味するという説や、“果樹園の草地”を意味するゲール語が由来という説など、複数の解釈が存在する。蒸留所の神秘性を象徴するエピソードのひとつである。

⇒「ハイランド・クリアランス」(※)

〇クライヌリッシュ蒸留所は、1819年にサザーランド公爵によって創設されたが、その背景には「ハイランド・クリアランス」と呼ばれる強制移住政策がある。地主が羊の放牧で利益を得るため、小作農を土地から追い出した時代であり、公爵はブローラの町に炭鉱や織物工場と並んで蒸留所を設立した。蒸留所の誕生は、地域の厳しい歴史と深く結びついている。

1967年には需要増に応えるため、旧蒸留所に隣接して新しい設備が建設され、現在の「クライヌリッシュ蒸留所」の基盤が整えられた。翌1968年には旧蒸留所が再稼働し、「ブローラ」と改名してピートの効いた原酒を生産、1983年に閉鎖されるまで独自の存在感を放った。新旧2つの蒸留所が並行して稼働した時期もあり、ブレンデッドウイスキー需要に応えるための重要な役割を担っていた。

「クライヌリッシュ」の最大の特徴は、他の蒸留所ではほとんど見られなくなった“ワクシー(蝋のような)”な酒質にある。この個性は、清澄度の高い麦汁、長い発酵、銅との接触を最大化する蒸留設計、そしてフェイントレシーバーに自然沈殿する油分の扱いによって生み出される。通常なら清掃で除去される沈殿物を、「クライヌリッシュ」では意図的に戻すことで、厚みのある口当たりと柑橘油のような香味、わずかなミネラル感を伴う独特のテクスチャーを形成している。

また、海に近い立地とミネラル豊富な水源が、ほのかな潮気や海藻のニュアンスをもたらし、フルーティさとオイリーさが共存する複雑な味わいを支えている。蒸留所は現在も「ディアジオ社」の主要モルト供給源として重要な位置を占めており、2016年の大規模改修では、このワクシーな個性を守るための「ワクシー・プロジェクト(Waxy Project)」(※3)が実施され、伝統的な酒質を損なわないよう細心の注意が払われた。

⇒「ワクシー・プロジェクト(Waxy Project)」(※3)

〇「ワクシー・プロジェクト(Waxy Project)」は、スコットランド北ハイランドのクライヌリッシュ蒸留所で行われた大規模改修(2016年)に伴う品質維持プロジェクトです。 クライヌリッシュは世界的に珍しいワクシーなオイリー感を持つモルトとして知られていますが、この個性は発酵・蒸留・設備条件の微妙な組み合わせによって生まれるため、設備更新によって失われるリスクがありました。 そこでディアジオは、蒸留所の改修期間中に専門チームを投入し、ワクシーな質感を再現・維持するための工程研究と調整を徹底的に行ったのです。 これが “Waxy Project” と呼ばれています。

こうした歴史と技術の積み重ねにより、クライヌリッシュ蒸留所はハイランドでも特異な存在となり、現代においても唯一無二の個性を持つシングルモルトを生み出し続けている。

▶「クライヌリッシュ蒸留所」の歴史(年表)

1819年:

第2代スタッフォード侯爵ジョージ・ルーソン=ゴア氏によって蒸留所が創業される。

1825年:

蒸留所がジェームズ・ハーパー氏に引き継がれる。

1827年:

ハーパー氏が倒産し、ジョン・マセソン氏が蒸留所を継承する。

1846年:

蒸留所がジョージ・ローソン&サンズ社へ売却される。

1896年:

ブレンダーのエインズリー&ハイルブロン社およびジョン・リスク氏が買収し、業績が好転する。

1912年:

ジョン・リスク氏が単独所有者となる。

1925年:

蒸留所とリスク氏がDCL社(現「ディアジオ社」の前身)傘下に入る。

1931年:

蒸留所が一時閉鎖される。

1967年:

旧蒸留所の隣に新蒸留所(後のクライヌリッシュA)が建設される。

1968年:

旧蒸留所(クライヌリッシュB)が閉鎖される。

1969年:

旧蒸留所が再稼働し、町名にちなみ「ブローラ蒸留所」と改名。ピーティな原酒を生産するようになる。

1973年:

ブローラの生産方針が変更され、ノンピート原酒の製造が始まる。

1983年:

ブローラ蒸留所が閉鎖される。

2002年:

「クライヌリッシュ14年」がリリースされる。

2014年:

「ディアジオ社」による拡張投資計画が発表されるが延期される。

2021年:

ブローラ蒸留所での生産が再開される。

Data

蒸留所:クライヌリッシュ蒸留所(ディアジオ社)

所在地:ハイランド地方 ・サザーランド州・ブローラ村

URL:https://www.malts.com/en-gb/distilleries/clynelish

創業年:1819年

蒸留器:バルジ型(初×3基、再×3基)

アルコール度数:46度

容量:700ml(瓶)

 

 

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