がもきんしゅう とくべつじゅんまい
2026.06.17
青リンゴを思わせる爽やかな香りが広がる一本
広島県東広島市・黒瀬の地で酒造りを行う金光酒造が手がける『賀茂金秀 特別純米』は、米の旨味と軽快さを両立させた、現代的で洗練された味わいが魅力の一本である。蔵元・金光秀起氏の名を冠した“金秀シリーズ”の中でも特に人気が高く、食事に寄り添う柔らかさと、飲み飽きしないキレの良さを兼ね備えている点が特徴だ。使用米には広島県産の酒造好適米を中心に選び、米の個性を丁寧に引き出す仕込みが行われている。
香りは穏やかで、青リンゴや白い花を思わせる爽やかな印象がふわりと立ち上がる。華やかすぎず、しかし確かな存在感を持つ香りは、飲み手に軽やかな期待感を抱かせる。口に含むと、まず感じられるのは米の優しい甘味とふくらみで、その後に心地よい酸がバランスよく寄り添い、全体を引き締める。雑味のないクリアな味わいは、蔵が大切にしてきた丁寧な造りをそのまま反映している。
後味はスッと軽快に切れ、余韻は短すぎず長すぎず、食中酒として非常に扱いやすい。刺身や焼き魚などの和食はもちろん、鶏料理や野菜のグリルなど幅広い料理と相性が良く、日常の食卓に自然と溶け込む万能さを持つ。冷酒では爽やかさが際立ち、常温では米の旨味がより豊かに感じられるため、温度によって表情が変わる点も魅力のひとつである。
「賀茂金秀 特別純米」は、派手さよりも“丁寧な美味しさ”を追求した酒であり、飲むほどに蔵の真摯な姿勢が伝わる一本と言える。
■飲み方あれこれ!!
涼冷え(15℃):
青リンゴのような爽やかな香りが最もきれいに立ち上がり、軽快で透明感のある飲み口が際立つ。米の優しい旨味と心地よい酸がバランスよく広がり、後味はスッと切れて食中酒として非常に扱いやすい。
花冷え(10℃):
香りが引き締まり、よりシャープで清涼感のある印象になる。雑味のないクリアな味わいが強調され、刺身や淡い味付けの料理と合わせると互いの良さが引き立つ。軽快さが増し、飲み飽きしない。
常温(20℃):
冷酒よりも米の旨味がふくらみ、柔らかい甘味と穏やかな酸が調和して広がる。香りは落ち着き、味わいに奥行きが生まれ、しっとりとした余韻が楽しめる。料理との一体感が増し、食卓に自然と馴染む。
おすすめのマリアージュ
●白身魚の刺身:
青リンゴのような爽やかな香りと透明感のある飲み口が、白身魚の繊細な旨味を壊さずに引き立てる。軽快な酸が後味を整え、次のひと口をより清らかに感じさせる。
●鶏の塩焼き:
米の優しい甘味とふくらみが、シンプルな塩味の鶏肉とよく馴染む。常温に近づくと旨味がより豊かに広がり、料理との一体感が増す。
●天ぷら(海老・キス):
軽快なキレと心地よい酸が、揚げ物の油をやさしく流してくれる。爽やかな香りが素材の甘味を引き立て、後味はスッと軽くまとまる。
●カルパッチョ(白身魚・帆立):
レモンやオイルの酸味・香りと相性が良く、酒の透明感が料理の爽やかさをさらに高める。旨味の重なりが心地よい余韻を生む。
●フレッシュチーズ(モッツァレラ・リコッタ):
ミルキーで軽いチーズのコクを、柔らかな甘味と酸が包み込む。香りが穏やかに寄り添い、後味はすっきりとまとまる。
▶「金光酒造合資会社」のこと
「金光酒造合資会社」は、広島県東広島市黒瀬町にて1880年(明治13年)に創業した蔵元で、瀬戸内の温暖な気候と良質な水に恵まれた土地で酒造りを続けてきた。創業当初から“丁寧な酒造り”を信条とし、雑味のない澄んだ味わいを目指す姿勢は現在まで一貫して受け継がれている。蔵の代表銘柄である「賀茂金秀」(※)は、六代目蔵元・金光秀起氏の名を冠したシリーズで、米の旨味と軽快さを両立させた現代的な酒質が高く評価されている。
⇒蔵の代表銘柄である「賀茂金秀」(※)
〇「金光酒造」で特筆すべきエピソードのひとつが、六代目蔵元・金光秀起氏による“金秀シリーズ”の誕生である。蔵に戻った当初、秀起氏は「自分が本当に美味しいと思う酒を造りたい」という強い思いを抱き、従来の味わいにとらわれず、より現代的で軽快な酒質を目指した。これが後に「賀茂金秀」として形になり、蔵の新たな看板商品へと成長していく。蔵元自身の名を冠することは大きな覚悟の表れであり、その姿勢が現在の高い評価につながっている。
酒造りの特徴としてまず挙げられるのは、原料米への強いこだわりである。広島県産の酒造好適米を中心に、山田錦や雄町などの品種を丁寧に選び、米の個性を最大限に引き出すために精米から仕込みまで細やかな管理を徹底している。また、広島杜氏の伝統技術を継承しつつ、低温発酵や小仕込みなど繊細な造りを積極的に取り入れ、香りと味わいのバランスを重視した酒質を追求している点も特徴的である。
さらに、「金光酒造合資会社」は食中酒としての完成度を大切にしており、料理に寄り添う軽快さと透明感を備えた酒を目指している。青リンゴのような爽やかな香りや、米の優しい甘味と心地よい酸が調和した味わいは、和食はもちろん洋食にも合わせやすく、幅広い層の日本酒ファンから支持されている。伝統を守りながらも時代に合わせて酒質を進化させる柔軟な姿勢が、蔵の魅力をより強くしている。
▶「金光酒造合資会社」の歴史(年表)
1880年(明治13年):
広島県東広島市黒瀬町にて創業し、地域の良質な水と米を生かした酒造りを開始する。
明治後期(1890年代〜1900年代):
蔵の基盤を整え、広島杜氏の技術を取り入れながら品質向上に努める。
1920年代(大正期):
瀬戸内の温暖な気候を生かした酒造りが評価され、地域での知名度を高める。
1930年代(昭和初期):
設備の拡充を進め、生産量が増加。広島の酒としての存在感を確立する。
1950年代(昭和中期):
戦後の需要回復とともに酒質の安定化を図り、伝統技術の継承と近代化を両立させる。
1970年代(昭和後期):
吟醸造りの研究を深め、香りと透明感を重視した酒質の方向性が明確になる。
1990年代(平成初期):
六代目蔵元・金光秀起氏が中心となり、現代的な酒質を追求する“金秀シリーズ”の基盤が形成される。
2000年代(平成中期):
小仕込みや低温発酵など繊細な管理技術を導入し、純米酒を中心に品質をさらに向上させる。
2010年代(平成後期):
国内外の鑑評会で受賞を重ね、広島を代表する蔵としての評価を確立する。
2020年代(令和期):
伝統を守りつつ革新的な酒造りにも挑戦し、軽快で透明感のある酒質で多くの支持を集め続けている。
Data
生産者:金光酒造合資会社
住所:広島県東広島市黒瀬町乃美尾1364-2
創業:1880年(明治13年)
TEL:0823-82-2006
URL:https://www.kamokin.com (金光酒造公式サイト・直接注文不可)
特定名称:特別純米酒
原料米&精米歩合:麹米:赤磐雄町50%、掛け米:八反錦60%
アルコール度数:16%
酵母: ―
日本酒度:+3
酸度:1.6
容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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