がもいずみ ぞうか じゅんまいしゅ
2026.06.17
山田錦の旨味を素直に引き出す丁寧な酒造り
『賀茂泉 造賀 純米酒』は、広島県東広島市造賀地区で育てられた山田錦を100%使用して仕込まれる純米酒で、同地区の恵まれた自然条件を生かした米の旨味を素直に引き出す一本です。造賀地区は標高約350mの高原に広がり、日照・水利・寒暖差に優れた環境を持つため、質の高い酒米が育つ土地として知られています。農家・酒蔵・JA・行政が一体となって酒米づくりに取り組む体制も整っており、その丁寧な米づくりが酒質にしっかりと反映されています。
この酒は、山田錦ならではの柔らかくキメ細かな口当たりが大きな特徴です。精米歩合は70%で、米の旨味をしっかり残しながらも雑味が少なく、ふくらみのある味わいが楽しめます。飲み口は穏やかで、米の自然な甘みと旨味がじんわりと広がり、料理との相性も良好。特に和食との組み合わせで、その上品な旨味が引き立ちます。
また、賀茂泉酒造は活性炭素ろ過を行わない酒造りを特徴としており、米本来の旨味と香りを大切にした酒質を追求しています。創業1912年(大正元年)から続く広島杜氏の技と、地元の風土を生かした酒造りの姿勢が、この「造賀
純米酒」にも色濃く表れています。しなやかで落ち着いた味わいを持つ、食中酒として優れた一本です。
■飲み方あれこれ!!
上燗(45℃):
米の旨味が最も素直に開き、ふくらみのある味わいが広がる温度帯です。山田錦らしい柔らかさが際立ち、香りも穏やかに立ち上がり、全体のバランスが非常に良く感じられます。
ぬる燗(40℃):
口当たりがさらにまろやかになり、米の自然な甘みと旨味がじんわりと広がります。落ち着いた味わいが引き立ち、食中酒として料理との相性がとても良く感じられます。
常温(20℃):
造賀地区の米の特徴が素直に表れ、柔らかく上品な旨味をそのまま楽しめます。香りは控えめながら、穏やかで落ち着いた味わいが続き、飲み飽きしない印象です。
おすすめのマリアージュ
●白身魚の塩焼き:
山田錦の柔らかな旨味と、造賀らしい上品な甘みが白身魚の繊細な味わいを壊さず、ふくらみを与えます。塩味が酒のまろやかさを引き立て、後口はすっきりと整います。
●だし巻き卵:
穏やかな香りと優しい旨味が、だしの風味と自然に重なります。卵の甘みと酒の柔らかい甘旨が調和し、全体がふんわりとした印象にまとまります。
●鶏の照り焼き:
米の旨味がしっかりあるため、照り焼きの甘辛いタレと好相性です。酒のふくらみが鶏肉のコクを包み込み、後味は重くならず心地よい余韻が続きます。
▶「賀茂泉酒造株式会社」のこと
「賀茂泉酒造株式会社」は、1912年(大正元年)に前垣寿一が創業した蔵で、広島県東広島市西条の地で百年以上にわたり酒造りを続けてきました。創業者はもともと米穀商を営んでおり、父とともに培った米への深い理解を基盤に酒造業へ転じました。酒名の「賀茂泉」は、京都の賀茂社に由来する地名「賀茂」と、蔵が所有していた山林に湧く名水「茗荷清水」を仕込み水に用いたことから名づけられています。
戦後、二代目の前垣寿三は、戦時中に失われた「米と米こうじだけで造る本来の日本酒」を復活させるべく、1965年頃から純米醸造の研究に着手しました。当時はアルコール添加が一般的で、純米酒はほとんど造られていませんでしたが、杜氏・増田幸夫の技術と努力により、1972年に純米醸造「本仕込賀茂泉」を発売。これは全国に先駆けた純米酒であり、同社は「純米醸造のパイオニア」として知られるようになります。
その後も純米酒の普及に尽力し、1973年(昭和48年)には全国15蔵とともに「純粋日本酒協会」を設立。三代目前垣寿男は地酒ブームとともに全国へ純米酒の魅力を広め、酒造りに欠かせない山と水を守る活動や、酒米「山田錦」の産地育成にも積極的に取り組みました。
酒造りの特徴としては、広島杜氏伝承の「三段仕込」を忠実に守り、厳選した米を手造りで醸す姿勢を貫いている点が挙げられます。また、活性炭素ろ過を行わないことも大きな特徴(※)で、米本来の旨味や香りを損なわず、淡い山吹色を帯びた芳醇な酒質を生み出しています。これは同社の酒に共通する個性であり、自然な旨味を大切にする哲学の表れです。
⇒活性炭素ろ過を行わないことも大きな特徴(※)
〇一般的な日本酒造りでは色や雑味を取り除くために活性炭素ろ過を行いますが、同社は米本来の旨味と香りを損なうとしてこれを行いません。そのため酒は淡い山吹色を帯び、自然な旨味が残る独自の酒質となっています。この姿勢は「賀茂泉らしさ」を象徴する大きな特徴です。
現在は四代目・前垣寿宏が蔵を率い、伝統を守りながらも海外輸出にも力を入れ、アジア・欧米など世界へ酒を届けています。百年を超える歴史の中で培われた技と精神を継承しつつ、地域の風土を映す純米酒を造り続ける蔵として発展を続けています。
▶「賀茂泉酒造株式会社」の歴史(年表)
1912年(大正元年):
前垣寿一が広島県東広島市西条にて創業。米穀商としての経験を生かし、良質な米と名水を基盤とした酒造りを開始した。
1910年代後半〜1920年代(大正期):
「茗荷清水」を仕込み水に用い、地元で親しまれる酒蔵として基盤を固める。屋号「賀茂泉」の名が定着する。
1940年代(昭和期・戦中〜戦後):
戦時統制により酒造りが制限されるが、戦後は二代目・前垣寿三が蔵を再建し、品質重視の酒造りを再開した。
1965年(昭和40年):
当時ほとんど造られていなかった「純米酒」の復活を目指し、純米醸造の研究に着手。杜氏・増田幸夫とともに試験醸造を重ねる。
1972年(昭和47年):
全国に先駆けて純米酒「本仕込賀茂泉」を発売。純米酒のパイオニアとして注目を集める。
1973年(昭和48年):
純米酒の普及を目的に、全国15蔵とともに「純粋日本酒協会」を設立。純米酒文化の発展に大きく寄与する。
1980〜1990年代(昭和後期〜平成初期):
三代目・前垣寿男が蔵を牽引し、地酒ブームとともに全国的な知名度を高める。山田錦の産地育成や環境保全にも積極的に取り組む。
2000年代(平成期):
活性炭素ろ過を行わない酒造りを確立し、米本来の旨味を生かした「山吹色の純米酒」が同社の個性として定着する。
2010年代〜現在(平成〜令和):
四代目・前垣寿宏が蔵を継承。伝統を守りつつ海外輸出にも力を入れ、アジア・欧米へ販路を拡大。地域の風土を映す純米酒蔵として発展を続けている。
Data
生産者:賀茂泉酒造株式会社
住所:広島県東広島市西条上市町2-4
創業:1912年(大正元年)
TEL:082-423-2118
URL:www.kamoizumi.co.jp (賀茂泉酒造公式サイト・直接注文可)
特定名称:純米酒
原料米&精米歩合:麴米・掛米ともに山田錦65%
アルコール度数:15%
酵母:KA-1-25
日本酒度:±0
酸度:1.7
容量:720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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