カリラ12年

Caol Ila 12 Years Old

2025.09.14

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ピートの薫りに包まれた極上のアイラモルト

『カリラ12年』は、スコットランド・アイラ島にあるカリラ蒸溜所が手がけるシングルモルトウイスキーで、アイラモルトの中でも比較的穏やかでバランスの取れた味わいが特徴です。アイラ島といえば、強烈なピート香と潮風を思わせるスモーキーな個性が有名ですが、カリラ12年はその中でも繊細さと飲みやすさを兼ね備えた一本として、多くのウイスキーファンに親しまれています。

香りは、焚き火のようなスモークに加え、レモンや青リンゴのような爽やかなフルーツのニュアンスが感じられます。口に含むと、ピートの力強さが広がりながらも、オイリーで滑らかな口当たりが心地よく、ほのかな甘みと塩気が絶妙なバランスを保っています。余韻にはスモーキーさが長く残り、アイラモルトらしい個性をしっかりと主張しますが、決して重すぎず、食前酒としても楽しめる軽快さがあります。

熟成には主にバーボン樽が使われており、樽由来のバニラやスパイスのニュアンスも加わることで、味わいに奥行きが生まれています。また、カリラの原酒はジョニー・ウォーカーなどのブレンデッドウイスキーにも使用されており、その品質の高さと汎用性は業界内でも高く評価されています。

『カリラ12年』はアイラモルトの入門としても、またスモーキーなウイスキーを好む愛好家にも満足できる一本。海と風と煙が織りなす、アイラ島の自然と職人技を感じられるウイスキーです。

■飲み方あれこれ!!

〇「カリラ12年」は、その繊細なスモーキーさとバランスの取れた味わいから、飲み方によって印象が大きく変わるウイスキーです。

ストレート:

ピート香、潮風、ヨード感、麦の甘みがダイレクトに感じられます。焚き火の灰のような余韻が長く続き、アイラモルトの魅力を存分に味わえます。

少量加水(ワンショットに数滴):

香りが開き、スモークと潮感が際立ちます。味の輪郭がより明瞭になり、繊細なニュアンスが楽しめます。

トワイスアップ(水と1:1で割る):

甘さとヨード感が中心となり、より穏やかで優しい印象に。アイラモルト初心者にもおすすめのスタイルです。

ロック:

冷却によって穀物の甘みと潮感が強調され、まろやかで飲みやすくなります。余韻には苔のようなヨード感が残ります。

ハイボール:

スモーキーさが軽やかに広がり、食事との相性も良好。ただし、個性がやや薄れるため、アイラらしさを求めるなら他の飲み方の方が適しています。

 

▶「カリラ蒸溜所」のこと

「カリラ蒸溜所」は、スコットランド・アイラ島の北東部、ポート・アスケイグ近くに位置する蒸溜所で、1846年にヘクター・ヘンダーソンによって創設されました。「カリラ」とはゲール語で「アイラ海峡」を意味し、ジュラ島との間に広がる海峡にちなんで名付けられています。アイラ島はスモーキーなウイスキーの聖地として知られ、カリラもその代表格のひとつです。

■カリラ蒸留所

創設後、蒸溜所は何度か所有者を変えながら発展を続け、1863年にはブレンデッドウイスキーの需要拡大に伴い、 バロック・レイド商会が買収。1920年代には一時的に操業停止となるも、1934年に再開。第二次世界大戦中の資源不足により再び停止を余儀なくされましたが、戦後に復活。1972年から1974年にかけて大規模な改修が行われ、蒸溜器の数が2基から6基に増設され、アイラ島最大級の生産能力を誇る蒸溜所へと成長しました。

1997年には世界的酒類企業ディアジオ社の傘下となり、ジョニー・ウォーカーなどのブレンデッドウイスキーの原酒供給元として重要な役割を担っています。2001年以降はシングルモルトとしてのリリースも本格化し、「カリラ12年」などの定番商品が世界中で高い評価を受けています。

ウイスキー造りの特徴としては、まず仕込み水にナムバン湖の軟水を使用している点が挙げられます。この水は石灰岩を通ってきたピート色の濃い水で、独特の風味を与えます。使用する麦芽はポートエレン製で、フェノール値は約34〜38ppmと高め。これにより、しっかりとしたスモーキーさが生まれます。

発酵には木製のウォッシュバックを使用し、酵母や乳酸菌が住み着くことで独自のエステル香が形成されます。蒸溜器はストレートヘッド型のポットスチルで、初留器3基・再留器3基の計6基。ミドルカットによって香味のバランスが取れた原酒のみを樽詰めし、熟成には主にバーボン樽が使われます。なお、熟成はアイラ島ではなくスコットランド本土のグラスゴーで行われています。

「カリラ」のウイスキーは、アイラモルト特有のピート香と潮風のニュアンスを持ちながらも、軽やかでフルーティな味わいが特徴。そのため、アイラモルトの入門としても、愛好家の定番としても親しまれています。伝統と革新が融合したカリラ蒸溜所は、今もなおアイラ島のウイスキー文化を牽引する存在です。

 

▶「カリラ蒸溜所」の歴史(年表)

1846年:

ヘクター・ヘンダーソンによって、スコットランド・アイラ島の北東部にカリラ蒸溜所が創設される。

1854年:

ノーマン・ブキャナンが蒸溜所を買収し、運営を引き継ぐ。

1863年:

グラスゴーの酒商「バロック・レイド商会(Bulloch Lade & Co.)」が蒸溜所を取得。ブレンデッドウイスキー向けの原酒供給を強化。

1920年:

バロック・レイド商会が経営破綻。蒸溜所はDCL(Distillers Company Limited)の管理下に入る。

1930年:

DCLが正式に所有権を取得し、操業を継続。

1934年:

一時的な操業停止を経て、蒸溜所が再稼働。

1942年〜1945年:

第二次世界大戦中、資源不足により操業停止。

1972年〜1974年:

全面的な改修工事が行われ、蒸溜器が2基から6基に増設。生産能力が大幅に向上(※)

1986年:

DCLがギネス社と合併し、ユナイテッド・ディスティラーズ(United Distillers)が誕生。

1997年:

ギネス社とグランド・メトロポリタン社が合併し、現在の所有者であるディアジオ社(Diageo plc)が誕生。

2002年:

シングルモルトとしての「12年熟成品」が正式にリリースされ、一般市場向けに展開開始。

2010年代:

限定ボトルや蒸溜所限定商品が登場し、ブランド価値が向上。

2022年:

蒸溜所のビジターセンターがリニューアル(※2)され、観光拠点としても注目を集める。

■生産能力が大幅に向上(※)

〇この期間に行われた大規模な改修工事により、蒸溜器が2基から6基に増設されました。これにより、カリラはアイラ島最大の生産能力を持つ蒸溜所となり、ブレンデッドウイスキー向け原酒の供給拠点としての地位を確立しました。

■蒸溜所のビジターセンターがリニューアル(※2)

〇ディアジオ社によるスコットランド4蒸溜所の改修プロジェクトの一環として、カリラも大規模なリニューアルを実施。ビジターセンターがリニューアルされ、観光拠点としても生まれ変わりました。

Data

蒸留所:カリラ蒸溜所(ディアジオ社)

所在地:Port Askaig,Islay

URLhttps://www.mhdkk.com/brands/caol_ila/

創業年:1846年

蒸留器:ストレートヘッド型 (初×3、再×3)

アルコール度数:43度

容量:700ml

 

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