北海道江別市に拠点を構えるSOCブルーイング株式会社は、クラフトビールブランド「NORTH ISLAND BEER」の製造元として知られています。その歩みは、2002年に札幌市で設立された有限会社カナディアンブルワリーに始まり、翌年には小規模醸造設備（BOP）によるビール造りを開始。2009年には江別市へ移転し、1,000L規模の設備を導入して本格的なクラフトビールメーカーへと転身しました。

創業者であり現代表の坂口典正氏は、広島県出身ながら北海道のブランド力に魅了され、クラフトビール工房を立ち上げるために移住。カナダで修行を積んだ醸造家・多賀谷壮氏との出会いが、SOCブルーイングのビール造りに大きな影響を与えました。彼が師匠から学んだ「Beer is Art（ビールは芸術だ）」という哲学は、同社の醸造スタイルに深く根付いています。

SOCブルーイングのビール造りの特徴は、既存のスタイルに縛られない自由な発想と、地元産素材へのこだわりです。代表的な「ヴァイツェン」には江別産小麦「ハルユタカ」を使用し、柔らかな口当たりとフルーティーな香りを実現。「コリアンダーブラック」は、黒ビールにコリアンダーを加えるという独創的なアプローチで、スパイスの爽やかさと深いコクを融合させています。

また、季節限定ビールやスパイス・フルーツを使ったフレーバービールなど、毎月新しい挑戦を続ける姿勢も魅力のひとつ。醸造所は地域との連携を重視し、地元農家と協力してホップや麦芽の試験栽培にも取り組んでいます。

SOCブルーイングは、クラフトビールを通じて北海道の魅力を発信し、国内外の人々に「北海道に来たくなるビール」を届けることを目指しています。まさに、土地・人・技術が融合した“芸術としてのビール”を体現するブルワリーです。