Baeren Brewery Baeren Alt
2026.01.10
伝統が息づくまろやか褐色エール
ベアレン醸造所の『ベアレン アルト』は、ドイツ・デュッセルドルフ発祥の伝統的ビアスタイル“Altbier(アルトビア)”を忠実に再現した、クラシックな上面発酵ビールです。“Alt(古い)”という名の通り、ラガーが主流になる以前の古典的な醸造法を受け継ぐビールで、エール酵母を使いながらも低温でじっくり発酵・熟成させることで、エールの豊かな香りとラガーのようなクリアな飲み口を両立させています。
ベアレン醸造所は創業以来、ドイツ伝統のビール文化を深く尊重しており、アルトもその哲学を象徴する一本です。100年以上前のドイツ製銅釜を用いた仕込みや、モルトの旨味を丁寧に引き出す工程により、クラシックスタイルの魅力を現代に蘇らせています。アルトは特にモルトの扱いが重要なスタイルで、ベアレン醸造所は複数のモルトをバランスよく組み合わせ、香ばしさ・甘み・ほろ苦さの三要素を美しく調和させています。
グラスに注ぐと、深いアンバーから赤銅色の液色が輝き、カラメルモルト由来の甘い香りや軽いロースト香が立ち上がります。口に含むと、まずモルトの柔らかな甘みが広がり、続いてほのかなナッツのような香ばしさ、そして控えめながら心地よいホップの苦味が後味を引き締めます。エールらしい複雑さを持ちながら、ラガーのようにすっきりと飲めるのがアルトの魅力で、ベアレンはその“古典のバランス”を見事に体現しています。
派手さはないものの、飲むほどに深みが増し、食事との相性も非常に広いビールです。特にロースト料理、ソーセージ、煮込み料理、和食の醤油系の味付けともよく合い、日常の食卓にも寄り添う懐の深さがあります。クラフトビールが多様化する現代において、「ベアレン
アルト」は古典スタイルの美しさを静かに語る一本。伝統を尊びながら丁寧に造られた、滋味深いエールです。
■飲み方あれこれ!!
飲み頃温度:
10〜12℃前後で。アルトはエール酵母を使いながらも低温で熟成させる“ハイブリッド型”のビアスタイル。その複雑なモルト香と穏やかなホップの苦味を最大限に引き出すには、やや高めの温度帯が最適です。
おすすめのマリアージュ
●ローストポーク/ローストチキン:
カラメルモルトの甘みとロースト香が、肉の旨味と焼き目の香ばしさに美しく寄り添います。
●ソーセージ(特にデュッセルドルフ風):
アルトの本場・デュッセルドルフでも定番の組み合わせ。塩味と肉汁の旨味が、アルトの甘苦さと完璧に調和します。
●ビーフシチューやデミグラス系の煮込み:
モルトの甘みとコクが、濃厚なソースの旨味を引き立て、余韻をより深くします。
●醤油ベースの和食(照り焼き、肉じゃが、焼き魚):
カラメルモルトの甘みと醤油の香ばしさは相性抜群。特に焼き魚の皮目の香りとよく合います。
●ナッツや軽いチーズ(ゴーダ、チェダー):
アルトの香ばしさとナッツの風味が共鳴し、チーズのコクが味わいに厚みを与えます。
▶「株式会社ベアレン醸造所」のこと
「株式会社ベアレン醸造所」は、2001年に岩手県盛岡市で創業したクラフトブルワリーです。日本のクラフトビール黎明期に誕生した同社は、「世界に通用する本物のビールを、地元盛岡から」という理念を掲げ、地域密着型でありながら国際的な評価を獲得してきました。創業者の木村剛氏は、ドイツを中心とした欧州の伝統的ビール文化に深く魅了され、現地の醸造所を巡りながら“古典的なビール造り”の価値を再発見します。その経験が、ベアレンの根幹を成す哲学となりました。
歴史的に特筆すべきは、創業時にドイツから100年以上前の銅製仕込み釜やラウタータンなどの醸造設備を丸ごと移設したことです。現地の醸造所が設備更新のために手放したものを譲り受け、職人の手で丁寧に復元。これにより、現代の効率化された設備では再現しにくい、伝統的な熱の入り方や風味の層を生み出すことが可能になりました。特にデコクション法を用いたラガー造り(※)は、ベアレンの象徴とも言える存在です。
⇒デコクション法を用いたラガー造り(※)
〇効率化が進む現代の醸造ではほとんど使われないデコクション法を、創業以来ずっと採用し続けています。これは「手間がかかるが、モルトの旨味を最大限に引き出せる」という理由からで、ベアレンのクラシックラガーが“深いコクと香ばしさ”を持つ理由のひとつです。日本のクラフトビール界でも、ここまで徹底して古典製法を守るブルワリーは稀です。
「ベアレン醸造所」のビール造りの特徴は、第一に「古典ラガーへの徹底したこだわり」です。クラフトビール市場がIPAやフルーツビールなどの個性派に注目する中、同社はあえてドルトムンダーやミュンヘンラガーといった伝統スタイルを丁寧に磨き上げてきました。看板商品の「クラシック」や「シュバルツ」は、モルトの旨味と穏やかなホップの苦味が調和した、時代を超える味わいを体現しています。
第二に、「地元との強い結びつき」が挙げられます。盛岡の水質はラガー造りに適しており、その恵みを最大限に活かしながら、地域の食文化と調和するビールを追求しています。また、地元企業や農家とのコラボレーション、地域イベントへの積極的な参加など、ブルワリーとしての存在を地域社会に深く根付かせています。
第三に、「クラシックな技術と現代的な品質管理の融合」です。伝統的な設備や製法を守りつつ、醸造科学に基づく衛生管理・温度管理・発酵管理を徹底し、安定した品質を実現。古典的な味わいでありながら、現代の飲み手が求めるクリアさと飲みやすさを両立させています。
こうした姿勢により、「ベアレン醸造所」は国内外のコンペティションで数多くの賞を受賞し、日本のクラフトビール界において“伝統ラガーの価値を再定義したブルワリー”として確固たる地位を築いています。盛岡という土地に根ざしながら、世界基準のクラシックビールを造り続ける、その静かな情熱こそがベアレンの魅力です。
Data
製造元:株式会社ベアレン醸造所
住所:岩手県盛岡市北山1ー3ー31
創業:2003年
TEL:019ー606ー0766
URL:http://iwatebeer-de-happy.com/ (ベアレン醸造所公式サイト:直接注文可)
スタイル:アルト(上面発酵)
原料:麦芽、ホップ
アルコール度数:5.0%
内容量:330ml(瓶)
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