「SOCブルーイング株式会社」は、北海道江別市に拠点を置くクラフトビールメーカーで、ブランド名「NORTH ISLAND BEER」で知られています。その歩みは2002年、札幌市東区で有限会社カナディアンブルワリーとして設立されたことに始まります。翌2003年には「体験工房 手づくり麦酒」を開設し、小規模醸造設備（BOP）によるビール造りをスタート。2009年には江別市へ移転し、1000L規模の設備を導入して本格的なクラフトビールメーカーとして再出発しました。

社名は2011年にSOCブルーイング株式会社へと変更され、札幌市内には直営のビアバー「Beer Bar NORTH ISLAND」も展開。2024年には醸造設備の増強も行い、発酵タンクを複数基追加するなど、着実に規模を拡大しています。

造りの特徴としては、「Beer is Art（ビールは芸術）」という理念のもと、既存のスタイルにとらわれない自由で創造的なビール造りを追求している点が挙げられます。カナダで醸造を学んだ工場長・多賀谷壮氏の影響もあり、スパイスやフルーツ、酸味を活かした限定ビールなど、感性を重視したレシピが多数生み出されています。

また、地元・江別産の素材へのこだわりも強く、代表的な「ヴァイツェン」には江別産小麦「ハルユタカ」を使用。道産ホップを使った限定品や、江別産麦芽・ホップによる“オール江別産”のビール造りにも取り組んでいます。醸造所では、瓶詰めからラベル貼り、検品までを手作業で行い、五感に訴える丁寧なクラフトマンシップが息づいています。

地域とのつながりも深く、地元農家との対話から新しいレシピが生まれたり、季節ごとのイベントで限定ビールを披露したりと、江別の風土と共に育つビール造りを大切にしています。SOCブルーイングは、北海道の自然と人の想いを詰め込んだ、唯一無二のクラフトビールを全国へ届ける存在として、今も進化を続けています。