久寿玉 手造り純米

くすだま てづくりじゅんまい

2026.05.05

三百年の伝統が息づく素朴で温かみのある味わい

『久寿玉 手造り純米』は、岐阜県高山市で三百年以上の歴史を持つ「有限会社平瀬酒造店」が醸す、素朴で温かみのある味わいが魅力の純米酒である。飛騨の厳しい寒冷気候と清らかな水を生かし、昔ながらの手造りを大切にした酒造りによって、米本来の旨味をしっかりと引き出した一本に仕上がっている。派手さよりも、日常の食卓に寄り添う“落ち着いた旨さ”を重視した酒質が特徴で、地元で長く愛されてきた理由が自然と伝わる。

味わいは、まず口に含むと米のふくらみが穏やかに広がり、柔らかな旨味とほのかな甘みが調和する。純米酒らしい骨太さを持ちながらも、後口はすっきりと切れ、飲み疲れしない軽やかさがある。冷やでは清らかな印象が際立ち、常温では旨味がより豊かに感じられ、ぬる燗にすると丸みが増して一層やさしい味わいになるなど、温度によって表情が変わる点も魅力である。

食中酒としての適性が高く、煮物や焼き魚、野菜の炊き合わせなど、家庭料理との相性が非常に良い。特に飛騨地方の素朴な味付けの料理とは相性が抜群で、料理の旨味を引き立てながら、後口の軽さが全体を心地よくまとめてくれる。派手な香りや強い個性で主張するのではなく、料理と寄り添いながらじんわりと旨さを感じさせる、まさに“日常に寄り添う純米酒”といえる。

■飲み方あれこれ!!

ぬる燗(40℃):

米のふくらみが最も自然に広がり、柔らかな旨味とほのかな甘みが調和する。角が取れて丸みが出るため、家庭料理との相性が非常に良く、食中酒としての魅力が際立つ。

常温(20℃):

飛騨らしい素朴さと純米酒の骨太さがそのまま感じられ、米の旨味がじんわりと広がる。香りも穏やかで飲み疲れしにくく、日常の食卓に自然と馴染む落ち着いた味わいになる。

涼冷え(15℃):

清らかな印象が強まり、後口のキレがよりシャープになる。旨味は残しつつ全体が引き締まり、爽やかで軽快な飲み心地が楽しめる。食事の最初の一杯としても心地よい。

おすすめのマリアージュ

●肉じゃが:

甘辛い煮汁の旨味と酒の柔らかな米味がよく馴染み、家庭料理らしい温かさが一層引き立つ。後口の軽さが全体を心地よくまとめる。

●焼き魚(サバ・アユなど):

脂の旨味を酒のすっきりしたキレが整え、米のふくらみが魚の香ばしさを引き立てる。常温やぬる燗で特に相性が良い。

●筑前煮:

根菜の甘みと旨味に、酒の素朴で落ち着いた味わいが寄り添い、全体がやさしくまとまる。温かい料理との調和が際立つ。

●だし巻き卵:

卵のまろやかさと出汁の旨味を、酒の柔らかな甘みが包み込み、穏やかで上品な組み合わせになる。

●山菜の天ぷら:

山菜のほろ苦さと香りを、酒の清らかな飲み口が引き立てる。涼冷えで合わせると爽やかさが増し、軽快な印象が楽しめる。

▶「有限会社平瀬酒造店」のこと

「有限会社平瀬酒造店」は、1623年(元和9年)に岐阜県高山市上一之町で創業した、飛騨地方でも最古級の歴史を持つ老舗酒蔵(※)である。江戸初期から続く町人文化の中で酒造りを始め、飛騨の厳しい寒冷気候と清らかな宮川水系の水を生かした醸造を代々受け継いできた。創業以来、城下町・高山の発展とともに歩み、祭礼や地域行事にも深く関わりながら、地元に根ざした酒蔵として存在感を確立してきた。明治以降は設備の近代化を進めつつも、手造りの技を守り続け、伝統と革新を両立させる姿勢が特徴的である。

⇒飛騨地方でも最古級の歴史を持つ老舗酒蔵(※)

〇高山の古い町並みに位置する蔵は、国内外の観光客が訪れる“町の顔”としても知られ、蔵元直売所では試飲を通じて飛騨の酒文化を体験できる。観光と地酒文化を結びつけ、地域の魅力を発信し続けている点も、平瀬酒造店ならではの特筆すべきエピソードである。

同蔵の酒造りの特徴は、まず飛騨の自然環境を最大限に生かした醸造哲学にある。飛騨の軟水は発酵を穏やかに進め、米の旨味を素直に引き出すため、雑味の少ない柔らかな酒質を生む。また、冬の厳しい寒さを利用した低温長期発酵により、香りは控えめながらも、米のふくらみと後口のキレが両立した味わいが形成される。特に麹造りでは手作業を重視し、麹菌の働きを丁寧に見極めることで、深みのある旨味と落ち着いた甘みを引き出している。

代表銘柄「久寿玉」(※2)に象徴されるように、華やかさよりも“食に寄り添う旨さ”を大切にし、家庭料理と調和する酒を目指してきた点も大きな特徴である。純米酒から吟醸酒まで幅広く手掛けるが、いずれも米の味わいを中心に据えた落ち着いた酒質が共通している。観光地として知られる高山の町並みとともに歩み、地元住民から観光客まで幅広く愛される存在となっている。「有限会社平瀬酒造店」は、四百年近い歴史を背景に、飛騨の風土と伝統を映す酒造りを今もなお続ける、地域を代表する酒蔵である。

⇒代表銘柄「久寿玉」(※2)

〇「平瀬酒造店」は、1623年(元和9年)創業という飛騨地方でも最古級の歴史を持つ蔵であり、その長い歩みの中で「久寿玉」という縁起の良い銘を守り続けてきた。“久しく寿(ことぶき)が玉のように続く”という願いを込めた名は、江戸期から地域の祝い事や祭礼に欠かせない酒として親しまれ、今も高山の文化と深く結びついている点が大きな特筆点である。

▶「有限会社平瀬酒造店」の歴史(年表)

1623年(元和9年):

初代・平瀬家が酒造業を創業し、現在の高山市上一之町で酒造りを始める。

江戸時代中期(18世紀頃)(江戸中期):

高山陣屋の城下町として栄える中、地域の酒蔵として発展する。

明治時代初期(1868〜1880年代)(明治初期):

近代的な酒造技術を導入し、地元向けの清酒生産を拡大する。

1910年代(明治末〜大正初期):

屋号「久寿玉(くすだま)」の銘柄が確立し、地域ブランドとして定着する。

1945年(昭和20年):

戦後の混乱期を経て酒造業を再開し、品質向上に取り組む。

1960〜1970年代(昭和中期):

設備の近代化を進め、吟醸酒の研究を開始する。

1980年代(昭和後期):

観光都市・高山の発展とともに蔵見学や地域イベントへの参加を強化する。

1990年代(平成初期):

有限会社平瀬酒造店として法人化し、伝統製法と現代技術の両立を図る。

2000年代(平成中期):

「久寿玉」シリーズのラインナップを拡充し、全国の品評会で評価を高める。

2010年代(平成後期):

高山の地酒として国内外の観光客から認知が広がり、輸出も開始される。

2020年代(令和):

伝統的な山廃仕込みや限定酒の開発を進め、地域文化と観光の中心的な蔵として活動を続けている。

Data

生産者:有限会社平瀬酒造店

住所:岐阜県高山市上一之町82

創業:1623年(元和9年)

TEL:0577-34-0010

URLhttps://kusudama.ocnk.net/ (平瀬酒造店公式サイト・直接注文可)

特定名称:純米酒

原料米&精米歩合:掛け米・麹米ともにひだほまれ(岐阜県産)60%

アルコール度数:15.5%

酵母:

日本酒度:+5

酸度:1.4

容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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