Chimay Rouge
2025.08.08

キャラメル香る深みのあるトラピストビール
『シメイ レッド』は、ベルギー南部のスクールモン修道院で造られるトラピストビールの代表格であり、シメイブランドの原点とも言える存在です。1862年に修道士たちが醸造を始めて以来、祈りと労働を重んじる修道院の精神が息づくこのビールは、世界で認証されたわずか数十のトラピストビールのひとつとして、格式と信頼を誇ります。
スタイルとしては「ベルギー・ダブル」(※)に分類され、濃い赤褐色の液色と豊かな泡立ちが特徴。瓶内二次発酵によって熟成が進み、時間とともに味わいが深まります。香りはキャラメルやトフィー、ドライフルーツ、ナッツなどが複雑に絡み合い、口に含むとまろやかな甘みとほのかな苦味がバランスよく広がります。アルコール度数は約7%で、しっかりとしたボディながら飲みやすく、余韻も穏やかです。
食中酒としても優れており、ローストした肉料理や熟成チーズとの相性は抜群。特にウォッシュタイプのチーズとの組み合わせは、ベルギーの食文化を体感できるペアリングです。
「シメイ レッド」は、単なるクラフトビールではなく、修道院の伝統と信仰、そしてベルギーの醸造技術が融合した文化的な一杯。飲むたびに、静寂と情熱が交差する修道院の空気を感じさせてくれる、奥深いビールです。
■飲み頃温度
〇飲み頃の温度の10〜12℃位で。冷やしすぎると香りが閉じてしまうため、セラー温度程度が理想的。冷蔵庫から出して少し置いておくと、香りが開いてきます。香りをしっかりと感じられる広口のグラスがおすすめ。シメイ専用グラスがあればベストですが、丸みのあるグラスでも十分楽しめます。食後のひとときや、静かな夜にじっくり味わうのが理想。読書や音楽とともに楽しむと、より深い余韻が感じられます。開ける際はゆっくりと。底に酵母が沈殿しているため、最後まで注ぐかどうかは好みに応じて。酵母を混ぜると味がまろやかになります。
■「ベルギー・ダブル」(※)とは?
〇「ベルギー・ダブル(Belgian Dubbel)」は、ベルギーの修道院系ビールに由来する伝統的なエールスタイルで、特にトラピスト修道院で造られるビールに多く見られます。
起源と背景:
「ダブル(Dubbel)」という名称は、修道院で造られるビールの強さを示す伝統的な呼び方に由来します。元々は修道士が日常的に飲む「シングル」に対して、より濃厚でアルコール度数の高いビールとして「ダブル」が造られました。代表的な銘柄には「シメイ
レッド」や「ウェストマール・ダブル」などがあります。
色と外観:
赤褐色〜濃いブラウンの液色が特徴。カラメル化された糖やシロップによって色付けされ、深みのあるトーンを持ちます。泡立ちは豊かでクリーミー。
香りと味わい:
トーストやキャラメル、ドライフルーツ、ナッツのような複雑なアロマ。モルトの甘みとコクが強く、苦味は控えめ。瓶内二次発酵によって熟成が進み、味わいに奥行きが生まれます。
アルコール度数:
通常は6.5〜7.5%程度。飲みごたえがありながら、バランスの取れた味わいで飲みやすいのが魅力。
▶「スモークモン修道院」のこと
「スクールモン修道院」は、ベルギー南部ワロン地域のシメイ市郊外、アルデンヌ高原の静かな森に佇むトラピスト会の修道院です。1862年、フランスから移住した修道士たちによって創設され、以来160年以上にわたり、祈りと労働を軸とした修道生活を続けています。
修道院の設立当初、周囲は荒れ地で農業も困難な環境でしたが、修道士たちは土地を開墾し、農業・酪農・園芸などを通じて自給自足の生活を築きました。その中で始まったのがビール醸造です。清潔な飲料水が乏しかった時代、ビールは安全な飲み物として重宝され、修道院の収入源としても重要な役割を果たしました。
「スクールモン修道院」で造られる「シメイ」ブランドのビールは、世界でも限られた「トラピストビール」のひとつとして認定されています。トラピストビールとは、修道院内で修道士の監督のもとに醸造され、収益が修道院の維持や社会貢献活動に充てられるという厳格な条件を満たしたものです。現在、世界で認定されているトラピストビールは十数種類しかなく、その中でも「シメイ」は最も広く知られたブランドのひとつです。
「スクールモン修道院」のビール造りの特徴は、伝統と革新の融合にあります。醸造には修道院の敷地内で汲まれる天然の井戸水が使われ、原材料には厳選された麦芽、ホップ、酵母が用いられます。特に瓶内二次発酵による熟成技術は、シメイビールの深い味わいと豊かな香りを生み出す重要な工程です。発酵後のビールは12km離れた瓶詰め工場に運ばれ、再発酵を経て出荷されます。
また、醸造過程で出る麦芽の搾りかすは、修道院で飼育される乳牛の飼料として再利用され、そこで生まれる「シメイチーズ」も高い評価を受けています。こうした循環型の生産体制は、修道院の理念「祈り、働け(Ora
et Labora)」を体現するものです。
「スクールモン修道院」は、豪華さよりも静寂と質素さを重んじる空間であり、その精神性がビール造りにも反映されています。シンプルながら洗練された味わい、そして修道士たちの誠実な手仕事が生み出す一杯は、単なる飲み物を超えた文化的価値を持っています。
▶「スモークモン修道院」の歴史(年表)
1850年:
トラピスト会の修道士たちがフランスからベルギー南部のシメイ地方に移住。スクールモン高原に修道院設立の準備を開始。
1852年:
正式に「ノートルダム・ド・スクールモン修道院(Abbaye Notre-Dame de Scourmont)」が創設される。周囲は荒地で、農業や酪農を中心に開墾が始まる。
1862年:
修道院内でビール醸造が開始される。これが後の「シメイビール」の誕生につながる。最初に造られたのが「シメイ レッド」(※2)。
1876年:
修道院で造られたチーズの販売が始まる。ビールと並ぶもう一つの名物「シメイチーズ」の起源。
1948年:
瓶内二次発酵の技術が導入され、シメイビールの品質が飛躍的に向上。現在のスタイルの基盤が確立される。
1954年:
修道院の醸造所とは別に、瓶詰め工場が12km離れた場所に設立される。醸造と流通の分業体制が整う。
1996年:
スクールモン修道院が正式に「トラピストビール」の認証を受ける。国際トラピスト協会によって品質と倫理基準が保証される。2005年:
環境への配慮を強化し、醸造所のエネルギー効率や廃棄物処理の改善が進められる。
2012年:
創醸150周年を迎え、限定記念ビール「シメイスペシャル・エディション」が発売される。
現在:
スクールモン修道院は、祈りと労働を軸にした修道生活を続けながら、世界中に高品質なトラピストビールを届けている。収益は修道院の維持と社会貢献活動に充てられている。
■最初に造られたのが「シメイ レッド」(※2)(1862年)
〇修道士たちは、清潔な飲料水が乏しい地域で安全な飲み物としてビールを醸造。その第一号が「シメイ レッド」であり、現在のシメイブランドの礎となりました。この醸造は、修道院の収益源であると同時に、地域社会への貢献でもありました。
Data
製造元:スモークモン修道院
スタイル: トラピスト(上面発酵)
原料: 大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ、糖類
アルコール度数: 7.0%
内容量:330ml、750ml(瓶)
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