Saison Dupont
2025.09.27

セゾンの魅力を凝縮した芳醇な味わい
『セゾン・デュポン』は、ベルギー南部ワロン地方に位置するデュポン醸造所で造られる、伝統的なセゾンスタイルのビールです。もともとセゾンビールは、農家が夏の農作業の合間に喉を潤すために造っていた「農民のビール」として知られています。その中でもセゾン・デュポンは、世界中のビール愛好家や醸造家から「セゾンのクラシック」と称されるほど、スタイルの基準となる存在です。
「セゾン・デュポン」は、銅がかった黄金色の液体に、きめ細かい泡が立ち上がる美しい外観を持ちます。トップ発酵によって生まれるスパイシーでフルーティーな香りが特徴で、クローブや白胡椒、柑橘系のニュアンスが複雑に絡み合います。口に含むと、爽快な炭酸とともにドライな飲み口が広がり、ホップの苦味と麦芽の旨味が絶妙なバランスで調和します。アルコール度数は6.5%とやや高めながら、軽快な飲み心地で、食事との相性も抜群です。
瓶内二次発酵によって熟成が進むため、時間とともに味わいが深まり、飲むたびに新たな表情を見せてくれるのも魅力のひとつ。「セゾン・デュポン」は、クラフトビールの原点とも言える存在であり、セゾンスタイルの魅力を存分に堪能できる一本です。ビール初心者から通まで、幅広い層におすすめできる、ベルギービールの傑作と言えるでしょう。
■飲み方あれこれ!!
〇「セゾン・デュポン」は、ただ飲むだけじゃもったいない。香り、温度、料理との組み合わせで、何倍も楽しめる奥深いビールです。
温度:
飲み頃は、8〜12℃位がベスト。 冷やしすぎると香りが閉じてしまうので、少し冷蔵庫から出して落ち着かせるのが理想的です。
グラス選び:
チューリップ型 or ゴブレット型 のグラス。 アロマを閉じ込めつつ、泡立ちを美しく見せる形状がgood。香りと見た目の両方を楽しめます。
注ぎ方:
ゆっくりと傾けて泡を立てすぎない 。 炭酸が強めなので、勢いよく注ぐと泡が溢れがち。グラスを傾けて静かに注ぎましょう。
ペアリング:
タイ料理、インド料理、グリルチキン、シーフードなど、香り豊かな料理と好相性。
保存:
瓶内熟成が進むので、寝かせても楽しめる 。 時間が経つと味わいが丸くなり、より複雑な風味が引き立ちます。数ヶ月〜1年寝かせるのも一興。
▶「デュポン醸造所」のこと
デュポン醸造所は、ベルギー南部ワロン地方エノー州の小さな村トゥルプに位置する、伝統と革新が融合した家族経営の醸造所です。その歴史は1920年にさかのぼります。もともと農学者だったルイ・デュポンがカナダ移住を考えていたところ、父親が彼を思いとどまらせるために、セゾンビールと蜂蜜ビールで評判だった農場兼醸造所を購入したことが始まりです。
この醸造所の前身は、1844年に季節労働者向けにビールを造り始めたリモー=デ・リッダー醸造所であり、第一次世界大戦の影響で一時的に醸造が困難になったものの、デュポン家がその伝統を引き継ぎました。以来、4世代にわたって家族による経営が続いており、現在はオリヴィエ・ドゥデケール氏が醸造責任者を務めています。
デュポン醸造所の最大の特徴は、セゾンスタイルのビール造りにおけるこだわりです。セゾン・デュポンは、農家が夏の作業後に飲むために造られていた「ファームハウスエール」の伝統を受け継ぎながら、現代の技術と融合させた逸品です。発酵には高温で活発に働く酵母を使用し、スパイシーでフルーティーな香りを生み出します。一次発酵後にはラガーリングを行い、瓶詰め時に糖分と酵母を加えて瓶内二次発酵を促します。この工程により、複雑で深みのある味わいと高い炭酸が生まれます。
醸造設備にも独自の工夫が施されています。例えば、酵母へのストレスを軽減するために、背が低く直径の広い発酵タンクを使用。また、地下80mから汲み上げた硬水を使い、1920年導入の銅製ケトルで直火煮沸することで、麦汁の一部がカラメル化し、独特の風味が加わります。
さらに、醸造所内にはかつてROLA研究所が設けられ、酵母や麦汁の研究が行われていました。これにより、瓶内二次発酵の技術が確立され、現在の高品質なビール造りの礎となっています。
デュポン醸造所は、年間約20,000ヘクトリットルを生産し、セゾン・デュポンをはじめ、モアネットやボン・ヴーなど多彩な銘柄を展開。伝統を守りながらも、常に品質向上と革新を追求する姿勢が、世界中のクラフトビールファンから高く評価されています。
▶「デュポン醸造所」の歴史(年表)
1844年:
前身となるリモー=デ・リッダー醸造所が創業。季節労働者向けにセゾンや蜂蜜ビールを造り始める。
1914〜1918年:
第一次世界大戦により醸造設備が接収され、醸造が困難に。
1920年4月6日:
アルフレッド・デュポンが農場と醸造所を購入。息子ルイ・デュポンが初代として醸造を開始。
1920年:
銅製ケトルを導入(※)。現在も使用されている伝統的な煮沸釜。
1945年:
ルイの甥、シルバ・ロジエが二代目として醸造所を継承
1957年:
クールシップからプレート式熱交換器へ変更。木樽からステンレス製発酵タンクへ移行。
1962年:
三代目マルク・ロジエが醸造責任者に就任。
1988年:
火災により自家製麦芽の製造を中止。以降は麦芽を外部から購入。
1990年:
四代目オリヴィエ・デディカーが醸造責任者に就任。
2002年:
醸造所内のROLA研究所が閉鎖(※2)。瓶内二次発酵の研究を支えていた施設。
2008年:
木製マッシュタンを撤去し、イタリア製ステンレスタンクに更新。
■銅製ケトルを導入(※)
〇デュポン醸造所では、1920年に導入された銅製ケトルを使い、今もなお「直火煮沸(ダイレクトファイヤー)」で麦汁を煮沸しています。この手法により、麦汁の一部がカラメル化し、セゾン・デュポン特有の風味が生まれます。
■醸造所内のROLA研究所が閉鎖(※2)
〇シルバ・ロジエの娘クロードは、醸造所内に「ROLA研究所」を設立。酵母や麦汁、瓶内二次発酵のメカニズムを研究し、現在の高品質な瓶内発酵技術の礎を築きました。この研究所は2002年に閉鎖されましたが、その成果は今も生きています。
Data
製造元:デュポン醸造所
スタイル:セゾン(上面発酵)
原料:麦芽、ホップ、糖類、酵母
アルコール度数:6.5%
内容量:330ml、750ml
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