てんせい せんぽう じゅんまいぎんじょう
2026.06.10
食事に寄り添う食中酒としての高い完成度
『天青 千鋒 純米吟醸』は、神奈川県茅ヶ崎市の老舗蔵・熊澤酒造が手がける“天青”シリーズの中でも、特に研ぎ澄まされた透明感とキレを追求した一本です。酒名の「千鋒」は、無数の鋭い刃が光を反射するようなイメージを持ち、雑味のないクリアな味わいと、凛とした酒質を象徴しています。穏やかな香り立ちでありながら、口に含むと米の旨味が静かに広がり、後半はスッと切れるように消えていく。その流れの美しさこそ、この酒の最大の魅力です。
仕込みには良質な酒造好適米を丁寧に磨き、蔵の地下深くから汲み上げる清冽な伏流水を使用。湘南の柔らかな気候の中で、蔵人が温度管理を徹底しながら低温発酵で仕上げることで、雑味を抑えた繊細な味わいが生まれます。香りは控えめで、白い花や青リンゴを思わせる上品な印象。味わいは軽やかでありながら芯があり、食事と寄り添う“食中酒”としての完成度が高いのも特徴です。
冷酒ではシャープなキレが際立ち、常温に近づくと米の旨味がふくらみ、表情が変わるのも楽しみのひとつ。刺身や白身魚の塩焼き、繊細な和食との相性は抜群で、料理の味を邪魔せず引き立ててくれます。天青シリーズらしい“静けさのある美しさ”を体現した、洗練の純米吟醸です。
■飲み方あれこれ!!
涼冷え(15℃):
軽やかな香りと透明感のある旨味が最もバランス良く感じられる温度帯です。雑味のないクリアな味わいが際立ち、後口のキレも美しく、食中酒としての魅力が最も発揮されます。
花冷え(10℃):
香りが引き締まり、よりシャープで凛とした印象が強まります。白い花のような上品な香りが静かに立ち、口当たりは軽快で、刺身や淡泊な料理との相性が抜群になります。
常温(20℃):
冷酒では控えめだった米の旨味がふくらみ、柔らかく落ち着いた表情を見せます。後半のキレはそのままに、味わいに奥行きが生まれ、ゆっくりと酒の変化を楽しめる飲み方です。
おすすめのマリアージュ
●白身魚の刺身(鯛・平目など):
繊細な旨味を持つ白身魚と、天青 千鋒の澄んだ味わいが美しく重なり、後口のキレが魚の甘みを引き立てます。
●塩焼きの鮎・アユの塩焼き:
ほろ苦さと香ばしさを持つ鮎に、クリアで涼やかな酒質が寄り添い、川魚特有の風味を爽やかにまとめてくれます。
●湯豆腐:
柔らかな大豆の甘みと、純米吟醸の静かな旨味が調和し、口の中でふわりと広がる優しい味わいが心地よく続きます。
●天ぷら(キス・舞茸など):
軽やかな衣の香ばしさに、シャープなキレがよく合い、油の重さを感じさせず後味をすっきり整えてくれます。
●鶏の塩焼き:
鶏の旨味と塩気に、控えめな香りと透明感のある味わいが寄り添い、食事全体を軽やかにまとめる組み合わせです。
▶「熊澤酒造株式会社」のこと
「熊澤酒造株式会社」は、明治5年(1872年)に神奈川県茅ヶ崎市で創業した、湘南地域で最も長い歴史を持つ酒蔵として知られています。創業当初は地域の米と水を生かした素朴な酒造りから始まりましたが、時代の変化に合わせて技術革新を重ね、現在では日本酒だけでなくクラフトビールやレストラン事業も展開するなど、多角的な発展を遂げています。それでも酒造りの根幹には、創業以来受け継がれてきた「丁寧な手仕事」と「地域に根ざす酒造り」の精神が一貫して息づいています。
日本酒造りの特徴としてまず挙げられるのは、蔵の地下深くから汲み上げる清冽な伏流水の存在です。この柔らかい水質が、雑味の少ない透明感のある酒質を生み出す基盤となっています。また、原料米は酒造好適米を中心に厳選し、米の個性を最大限に引き出すために精米から発酵管理まで細やかな工程を徹底。特に低温発酵を主体とした吟醸造りに強みを持ち、香りは控えめながらも、米の旨味が静かに広がる上品な味わいを特徴としています。
代表銘柄「天青」シリーズ(※)に象徴されるように、熊澤酒造の酒は“静けさ”“透明感”“凛とした佇まい”を大切にした酒質が多く、食事と寄り添う食中酒として高い評価を受けています。湘南の穏やかな気候と蔵人の丁寧な技が融合し、現代的でありながら伝統の深みを感じさせる酒を生み出し続けている点こそ、「熊澤酒造株式会社」の最大の魅力といえます。
⇒代表銘柄「天青」シリーズ(※)
〇昭和後期から平成初期にかけて日本酒業界が低迷した際、蔵も経営危機に直面しました。しかし、若い世代の蔵人が中心となり、吟醸造りへの本格的な転換や設備更新を進めたことで酒質が飛躍的に向上。これが後の代表銘柄「天青」シリーズ誕生につながり、蔵の再生を象徴する大きな転機となりました。「天青」シリーズは、「静けさ」「透明感」「凛とした佇まい」を酒質の核に据えています。派手な香りよりも、食事に寄り添う上品で清らかな味わいを追求する姿勢は、多くの日本酒ファンから支持されています。
▶「熊澤酒造株式会社」の歴史(年表)
1872年(明治5年):
茅ヶ崎市香川の地で創業し、地域の米と水を生かした酒造りを開始した。
1900年代前半(明治〜大正期):
地元向けの清酒生産を中心に事業を拡大し、蔵の基盤を固めた。
1940年代(昭和20年前後):
戦時下の統制や原料不足の影響を受けながらも、酒造業を継続し地域の需要に応えた。
1950〜1960年代(昭和中期):
設備の改良や技術向上を進め、安定した品質の酒造りを確立した。
1970〜1980年代(昭和後期):
吟醸造りへの取り組みを強化し、より高品質な酒を目指す方向へ転換した。
1990年代(平成初期):
現代的な酒質を追求するための設備更新を行い、蔵の酒造りの方向性を再構築した。
2000年代(平成中期):
代表銘柄「天青」シリーズを本格展開し、透明感と静けさを重視した酒質が高く評価され始めた。
2010年代(平成後期):
クラフトビール事業や飲食店運営など多角化を進め(※2)つつ、日本酒造りの技術もさらに深化させた。
⇒クラフトビール事業や飲食店運営など多角化を進め(※2)
〇日本酒蔵としては比較的早い段階からクラフトビール事業に参入し、「湘南ビール」を展開。これが大きな成功を収め、蔵のブランド価値をさらに高めました。「熊澤酒造」は、蔵の敷地内にレストラン、ベーカリー、ギャラリーなどを併設し、酒蔵を地域の文化拠点として再生させた先駆者でもあります。単なる酒造業にとどまらず、「食」「芸術」「地域交流」を融合させた空間づくりは全国的にも注目され、蔵の新しいあり方を示した事例として高く評価されています。
2020年代(令和期):
伝統と革新を両立させた酒造りを継続し、湘南地域を代表する蔵として全国的な認知を高めている。
Data
生産者:熊澤酒造株式会社
住所:神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
創業:1872年(明治5年)
TEL:0467-52-6118
URL:www.kumazawa.jp (熊澤酒造公式サイト・直接注文可)
特定名称:純米吟醸酒
原料米&精米歩合:麴米・掛米ともに山田錦50%
アルコール度数:16%
酵母:協会901号
日本酒度:+3.5〜+4.5
酸度:1.3〜1.5
容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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