ぐんまいずみ ちょうとくせんじゅんまい
2026.04.18
山廃仕込みが生む深い旨味と複雑な余韻
『群馬泉 超特撰純米』は、群馬県太田市の島岡酒造が醸す山廃純米酒で、群馬県産の酒米「若水」を用い、精米歩合50%まで磨き上げて仕込まれています。仕込みには日本古来の伝統製法である山廃もとが採用されており、蔵付きの天然乳酸菌と優良酵母による長期低温発酵が、複雑で奥行きのある味わいを生み出しています。
特徴としては、2〜3年の熟成によって引き出される落ち着いた香りと旨味です。熟成由来のカラメル系の香りやナッツのような香ばしさがほのかに漂い、味わいは線の細い酸味と枯れた旨味が調和した、非常に穏やかで品のある仕上がりとなっています。
味わいのバランスは、日本酒度+3、酸度1.7、アルコール度15〜16%と、やや辛口でありながらも重すぎず、飲み飽きしない軽快さを持っています。山廃仕込み特有の酸が味を引き締め、食事との相性も抜群です。特に、旨味のある料理や燗酒向きの料理と合わせると、酒の持つ深みがより引き立ちます。
温度帯によって表情が大きく変わるのも魅力で、冷酒から熱燗まで幅広く楽しめる懐の深さがあります。冷やではシャープな酸が際立ち、常温では熟成の旨味がふくらみ、燗にすると酸が柔らかく溶け込み、より落ち着いた味わいへと変化します。特に燗酒では、山廃ならではの旨味と酸の調和が際立ち、食中酒としての魅力が最大限に発揮されます。
「群馬泉 超特撰純米」は、熟成感・酸・旨味の三位一体が楽しめる、山廃純米酒の魅力を存分に味わえる一本です。落ち着いた酒質でありながら、飲む温度や合わせる料理によって多彩な表情を見せるため、日本酒好きにとっては“じっくり向き合いたい酒”といえるでしょう。
■飲み方あれこれ!!
ぬる燗(40℃):
山廃仕込みの旨味が最もバランスよく開き、熟成由来の落ち着いた香りがふくらみます。酸が柔らかく溶け込み、味わいに丸みが出て、穏やかで奥行きのある余韻が楽しめます。
上燗(45℃):
酸が心地よく立ち上がり、山廃らしい力強さとキレが際立ちます。温度が上がることで旨味がより前に出て、味の輪郭がはっきりし、食中酒としての存在感が増します。
常温(20℃):
熟成香と旨味が自然に広がり、落ち着いた味わいがじっくり楽しめます。酸と旨味の調和が最も素直に感じられ、山廃純米らしい深みを静かに味わえる印象です。
おすすめのマリアージュ
●鰤の照り焼き:
熟成の旨味と山廃の酸が、脂の乗った魚のコクを引き締め、甘辛いタレとも調和するため相性が良いです。
●きのこ鍋・湯豆腐:
ぬる燗や上燗の丸みが、きのこの旨味や出汁の風味と寄り添い、料理の滋味深さを引き立てます。
●鶏の塩焼き:
山廃の酸が鶏の脂を軽やかにし、香ばしさと旨味をより際立たせます。
●熟成チーズ(カマンベール・ゴーダ):
熟成由来の香りと旨味が共鳴し、酒の複雑さがより豊かに感じられる組み合わせです。
▶「島岡酒造株式会社」のこと
「島岡酒造株式会社」は、群馬県太田市由良町に蔵を構える酒蔵で、その歴史は江戸時代末期の1863年(文久3年)に始まります。利根川流域の豊かな田園地帯と、赤城山から湧き出る清冽な伏流水に恵まれた土地で、160年以上にわたり酒造りを続けてきました。創業当初から現在に至るまで、蔵の規模を大きく変えることなく、地域に根ざした酒造りを守り続けている点が特徴です。
同社の酒造りの最大の特徴は、創業時から一貫して続けている「生酛(きもと)系山廃造り」(※)です。これは、蔵に棲みつく天然乳酸菌や自然環境の力を活かし、酒母を育てる伝統的な製法で、現代の一般的な速醸酛に比べて手間も時間もかかります。しかし、この製法によって生まれる酒は、力強い酸と複雑な旨味、長期熟成に耐える骨格を持ち、他にはない深い味わいを生み出します。
⇒創業時から一貫して続けている「生酛(きもと)系山廃造り」(※)
〇創業以来、160年以上にわたり生酛系山廃造りを続けていることは、全国的に見ても極めて稀です。生酛系山廃造りは、蔵に棲む天然乳酸菌や微生物の働きを活かす伝統製法で、手間も時間もかかるため、現代では採用する蔵が少なくなっています。それを創業時から変えずに続けている点は、蔵の哲学そのものといえます。
また、「島岡酒造」では地元群馬県産の酒米を中心に使用し、酒造りに使う水は赤城山系の湧水を使用しています。この水は硬度が比較的高く、熟成に向く酒質を生み出すため、蔵ではほとんどの酒を1〜2年熟成させてから出荷(※2)しています。熟成によって酒は角が取れ、バニラや蜂蜜を思わせる香りや、丸みのある味わいが引き出されます。
⇒ほとんどの酒を1〜2年熟成させてから出荷(※2)
〇島岡酒造の酒は、造ってすぐ出荷されることはほとんどありません。1〜2年熟成させ、飲み頃を見極めてから瓶詰め・出荷するというスタイルを貫いています。赤城山系の硬水で仕込む酒は熟成に向いており、バニラや蜂蜜を思わせる香り、丸みのある味わいが生まれます。熟成を重視する姿勢は、蔵の大きな特徴です。
さらに、「島岡酒造」の酒造りには「進化はしても、変化はしない」という哲学があります。6代目蔵元・島岡利宣氏は、伝統製法を守りながらも、日々の微細な変化を見極め、品質を磨き続けています。蔵は平成18年に火災で全焼するという危機に見舞われましたが、保存していた乳酸菌株を新蔵に定着させ、伝統の味を守り抜いたというエピソードもあります。
代表銘柄「群馬泉」は、こうした伝統と環境、蔵人の技が結晶した酒で、落ち着いた旨味と酸の調和、食事に寄り添う晩酌酒としての魅力が高く評価されています。華やかさよりも“癒し”を感じさせる味わいを大切にし、日常の食卓に寄り添う酒を目指す姿勢は、創業から変わらない蔵の精神そのものです。
▶「島岡酒造株式会社」の歴史(年表)
1863年(文久3年):
群馬県太田市由良町にて創業。赤城山の湧水と地元米を用い、伝統的な生酛系山廃造りを基盤とした酒造りが始まる。
明治後期〜大正期(年不詳):
国立醸造試験所の研究により「山卸し」を省略できることが判明し、山廃仕込が確立。島岡酒造でも生酛系の精神を受け継ぎつつ山廃造りを採用し、現在の酒質の基礎が形づくられる。
昭和期(年不詳):
地元群馬県産米の使用を強化し、赤城山系の硬水を活かした熟成向きの酒造りが確立。ほとんどの酒を1〜2年熟成させてから出荷する現在のスタイルが定着する。
平成18年(2006年):
蔵が火災で全焼する大きな危機に直面。しかし保存していた蔵付き乳酸菌株を新蔵に定着させることに成功し、伝統の生酛系山廃造りを継続。廃業の危機を乗り越え、蔵の味を守り抜く。
平成〜令和初期(年不詳):
6代目蔵元・島岡利宣氏が杜氏を兼任し、「進化はしても、変化はしない」という理念のもと、伝統製法を守りながら品質の向上を続ける。地元米・赤城山の湧水・生酛系山廃造りの“三本柱”を堅持。
2020年代(現在):
代表銘柄「群馬泉」を中心に、熟成による落ち着いた旨味と酸を特徴とする酒を醸造。華やかさよりも“癒しの味わい”を重視し、食事に寄り添う晩酌酒として高い評価を受けている。
Data
生産者:島岡酒造株式会社
住所:群馬県太田市由良町375-2
創業:1863年(文久3年)
TEL:0276-31-2432
URL:https://shimaokasyuzo.com/ (島岡酒造公式サイト・直接注文不可)
特定名称:純米酒
原料米&精米歩合:掛け米・麹米ともに若水50%
アルコール度数:15.5%
酵母: ―
日本酒度:+3
酸度:1.7
容量:720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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