一本松

いっぽんまつ

2025.12.06

食中酒に最適なバランスの良さ

泡盛『一本松』は、沖縄県北谷町にある北谷長老酒造工場が製造する泡盛で、琉球芝居の演目「丘の一本松」にちなんで名付けられました。泡盛は酒税法上「単式蒸留焼酎(焼酎乙類)」に分類される蒸留酒であり、その中でも「一本松」は、伝統的な製法を守りながらも、現代の嗜好に合わせた飲みやすさが魅力の一本です。

泡盛「一本松」の特徴は、黒麹を用いた仕込みによる爽やかでソフトな香りと、軽快でキレのある喉ごし。原料には主にタイ米が使われており、単式蒸留によって一度だけ蒸留されることで、素材の旨みをしっかりと引き出しています。アルコール度数は30度とやや高めながらも、クセが少なく、泡盛初心者から愛好家まで幅広い層に支持されています。

飲み方としては、ストレートやロック、水割りが推奨されており、特に水割りにするとその軽やかな風味が際立ち、食中酒としても最適です。冬場にはお湯割りで楽しむのもおすすめで、温かみのある味わいが体を芯から温めてくれます。また、カクテルベースとしても活用できる柔軟さがあり、さまざまなシーンで活躍します。

■飲み方あれこれ!!

ロック:

氷を入れたグラスに注ぐことで、泡盛の香りとコクが引き締まり、キレのある味わいが楽しめます。口当たりはシャープながらも、後味にほんのりとした甘みが残り、食後酒としてもぴったりです。

水割り:

水で割ることでアルコールの角が取れ、まろやかで飲みやすい印象に変わります。料理との相性も良く、特に和食や魚料理と合わせると、互いの風味を引き立て合います。

お湯割り:

温かいお湯で割ると、泡盛の香りがふわりと立ち上がり、やさしい甘みと深みが際立ちます。寒い季節には体を芯から温めてくれる一杯として、ゆったりとした時間を演出してくれます。

▶「北谷長老酒造」のこと

「北谷長老酒造工場株式会社」は、嘉永元年(1848年)に那覇市首里赤田町で「玉那覇酒造」として創業しました。琉球王朝時代から続くこの酒造所は、1910年に北谷町桑江へ移転しましたが、戦後の米軍基地拡張により土地を収容され、1940年代に現在の北谷町吉原へと再移転。2006年には代表銘柄「北谷長老」にちなんで社名を「北谷長老酒造工場株式会社」に変更し、2012年に法人化されました。

この酒造所の最大の特徴は、伝統的な泡盛製法を守り続けていることです。泡盛は焼酎の一種で、酒税法上「単式蒸留焼酎(乙類)」に分類されますが、泡盛特有の黒麹菌を用いた仕込みが、独特の香りと深い味わいを生み出します。「北谷長老酒造」では、黒麹菌の活性を保つために温度管理を徹底し、スピード感を持って作業を進めるなど、細部にまでこだわった酒造りが行われています。

また、製造工程の多くが手作業で行われている点も大きな魅力です。瓶のラベル貼りやキャップシールの装着、箱詰めまで、すべて少人数の職人によって丁寧に仕上げられています。そのため大量生産はできませんが、品質の安定性と味のブレなさには定評があります。実際に「北谷長老44度16年古酒」は、2023年に沖縄県知事賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

「北谷長老酒造」が造る泡盛には、「一本松」と「北谷長老」の2つの代表銘柄(※)があります。「一本松」は蒸留から1年ほど寝かせた一般酒で、フルーティーでキレのある飲み口が特徴。これを長期熟成させることで、まろやかで芳醇な古酒「北谷長老」へと生まれ変わります。つまり、「一本松」は「北谷長老」の前身とも言える存在であり、出世魚ならぬ“出世酒”として知られています。

⇒「一本松」と「北谷長老」の2つの代表銘柄(※)

〇「一本松」という銘柄の由来は、沖縄芝居の名作「丘の一本松」に由来しています。この演目は親子の絆を描いた感動的な物語で、沖縄の人々に長年親しまれてきました。泡盛「一本松」もまた、親しみやすく、日常に寄り添う酒として位置づけられています。
もう一つの主力銘柄「北谷長老」は、実在した高僧・南陽紹弘禅師(通称:北谷長老)にちなんで名付けられました。彼は慶長年間(16世紀末〜17世紀初頭)に北谷の地に生まれ、琉球に臨済宗妙心寺派の禅宗を伝えた人物です。病人には薬を与え、祈祷で疫病を鎮め、農業にも親しむなど、民のために尽くしたその姿勢から、地元で深く尊敬されてきました。
「北谷長老酒造」で造られる泡盛は、実はすべて「一本松」から始まります。蒸留後1年ほど寝かせた一般酒が「一本松」として出荷され、さらに13年以上熟成させると「北谷長老」として生まれ変わるのです。このことから、「一本松」は“出世魚”ならぬ“出世酒”と呼ばれることもあります。

▶「北谷長老酒造」の歴史(年表)

1848年(嘉永元年):

那覇市首里赤田町にて「玉那覇酒造」として創業。琉球王朝時代から続く泡盛造りの伝統を受け継ぐ老舗として、その歩みを始める。

1910年(明治43年):

那覇から中頭郡北谷村桑江(現在の北谷町)へ移転。より良い水と環境を求めての移転であり、泡盛造りの基盤を築く。

1940年代(昭和20年前後):

戦後の米軍基地拡張により、桑江の土地が接収される。これに伴い、現在の北谷町吉原へ再移転し、酒造りを再開。

2006年(平成18年):

代表銘柄「北谷長老」にちなんで、社名を「北谷長老酒造工場株式会社」へと変更。ブランド力の強化と地域との結びつきを意識した転換となる。

2012年(平成24年):

法人化を果たし、より安定した経営基盤を確立。伝統を守りながらも、現代のニーズに応える体制を整える。

2023年(令和5年):

「北谷長老44度16年古酒」が沖縄県知事賞を受賞。長年の品質へのこだわりと職人技が高く評価され、県内外での知名度がさらに高まる。

Data

生産者:北谷長老酒造工場株式会社

住所: 沖縄県中頭郡北谷町吉原63

創業:1848年(嘉永元年)

TEL:098-936-1239

URLhttps://chatan-chourou.co.jp/ (北谷長老酒造公式サイト:直接注文可)

原料:タイ米、米麹(黒)

蒸留方式:常圧蒸留

アルコール度数:30度

容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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