Canadian Club

カナディアンウイスキーの代表格
『カナディアンクラブ』は、1858年にカナダ・オンタリオ州ウィンザーで誕生した、「C.C.」と信愛の情を込めて呼ばれるカナディアンウイスキーのトップブランド。創業者ハイラム・ウォーカーは、アメリカの禁酒運動を見越して国境近くに蒸溜所を構え、アメリカ市場を中心に人気を博しました。
「カナディアンクラブ」は、トウモロコシを主原料とするグレーンを使い、3種類の原酒をブレンドしてから熟成させる「プレ・ブレンディング製法」で造られます。この製法により、ブレンドされた原酒同士がしっかりとなじみ、すっきりとした軽やかな口当たりとなり、さらにほのかな甘みとともに、バニラやカラメルの香りがやさしく広がります。
ハイボールやロックで気軽に楽しめる飲みやすさから、初心者にも親しまれています。本品は手頃な価格で気軽に楽しめる「カナディアンクラブ」のスタンダードボトル。その他のラインナップも豊富で、6年熟成のスタンダードから、12年、20年、30年と熟成年数によって異なる深みを味わえます。カナディアンウイスキーの魅力を体現する一本です。
■飲み方あれこれ!!
〇「カナディアンクラブ(Canadian Club)」はライトでスムースな味わいが特徴なので、さまざまなスタイルで楽しめます。以下におススメの飲み方をご紹介します:
ストレート:
熟成年数の長いボトル(12年、20年など)は、まずはそのままの香りと味わいをじっくり楽しむのがおすすめです。
オン・ザ・ロック:
氷を加えることで、香りが引き締まり、時間とともに味の変化も楽しめます。
ハイボール(C.C.ソーダ):
炭酸水で割ると、爽快感が増し、食中酒としてもぴったり。レモンやライムを添えるとさらにさっぱりとした印象に。
ジンジャーエール割り(C.C.ジンジャー):
甘みとスパイス感が加わり、初心者にも飲みやすいカクテル風の一杯になります。
カクテルベースとして:
クランベリージュースで割った「C.C.クランベリー」や、スイートベルモットとビターズを合わせた「C.C.マンハッタン」なども人気です。
飲み方によって印象が大きく変わるのも、カナディアンクラブの魅力のひとつです。気分やシーンに合わせて、いろいろ試してみるのも楽しいですよ。
▶ウォーカーヴィル蒸溜所のこと
ハイラム・ウォーカー蒸溜所は、カナディアン・ウイスキーの象徴「カナディアン・クラブ(C.C.)」を生み出した名門蒸溜所であり、その歴史は19世紀半ばまでさかのぼります。創業者のハイラム・ウォーカーは、1816年、スコットランド移民の子孫としてアメリカ・マサチューセッツ州で生まれました。20歳でボストンへ移り、食料品店で働きながらビジネスのノウハウを学び、1838年にはミシガン州デトロイトで穀物商として成功を収め、やがてウイスキー事業への道を歩もうとします。
しかし、当時のアメリカでは禁酒運動が広がり、蒸溜業の将来に不安を感じたウォーカーは、1856年にデトロイト川を挟んだ対岸のカナダ・オンタリオ州ウィンザーに蒸溜所を設立しました。この地は豊かな穀倉地帯と清らかな水源に恵まれ、ウイスキー造りには理想的な環境でした。

1858年、ハイラム・ウォーカーはライ麦を主体とした「クラブ・ウイスキー」を開発しました。上品で軽快な飲み口を持ち、当時のライウイスキーやバーボン、さらにはスコッチやアイリッシュにもない爽快なスタイルが特徴でした。このウイスキーはアメリカ東部の「ジェントルメンズクラブ」で人気を博しました。
1882年にはアメリカへの正規輸出を開始し、カナディアンウイスキーの市場拡大に貢献しました。ウォーカーは単なる蒸溜所経営にとどまらず、ウィンザーに企業城下町を築きました。広大な約1.9km²の敷地に、社員住宅、警察署、消防署、学校などを整備し、地域社会の発展にも寄与しました。1890年には町の名前が正式に「ウォーカーカーヴィル(ウォーカーの町)」となり、その影響力の大きさが示されました。
しかし、「クラブ・ウイスキー」の成功に脅威を感じていたアメリカの蒸溜業界は、以前からアメリカ産とカナダ産のウイスキーを明確に区別するよう政府に働きかけていました。そして同年、アメリカ政府はカナダ産とアメリカ産のウイスキーを区別する法律を制定。これを受けて、ウォーカーは「クラブ・ウイスキー」の名称を「カナディアン・クラブ(C.C.)」へ変更しました。この決定によりブランドの独自性が確立され、カナディアンウイスキーの世界的な評価をさらに高めていきました。1899年にハイラム・ウォーカーが逝去した後も、蒸溜所は成長を続け、1909年(明治42年)には日本への初輸出が実現しました。
1920年にアメリカで禁酒法(1920~33年)が施行されると、ハイラム・ウォーカー蒸溜所は密輸業者にとって重要な供給源となりました。オンタリオ州は米国との国境に接していたため、密輸の拠点となり、アル・カポネをはじめとするギャングが台頭。カナディアン・クラブは米国で最も流通する密造ウイスキーの一つとなりました。デトロイト川の川底には秘密のトンネルが建設され、大量のウイスキーが対岸のデトロイトへ密輸されたともいわれています。
禁酒法が撤廃された後も、アメリカ市場の需要に応える形でカナディアン・クラブの流通は拡大し、人気が再燃。カナダは「アメリカの酒庫」とも称されるほど、ウイスキーの供給地としての重要性を持ち続けました。
1987年、ハイラム・ウォーカー蒸溜所はアライド・ドメック社に買収されました。さらに2005年には、アライド・ドメック社がペルノ・リカール社に買収され、カナディアン・クラブの所有権が移りました。現在、ハイラム・ウォーカー蒸溜所はペルノ・リカールの傘下にあり、160年以上にわたり伝統を守りながら、世界150カ国以上で愛されるウイスキーを生産し続けています。
2011年、ビーム社がカナディアン・クラブのブランド所有権を取得。2014年にはサントリーがビーム社を買収し、現在はサントリーグローバルスピリッツがブランドを管理しています。つまり、製造はペルノ・リカール傘下のハイラム・ウォーカー蒸溜所が担当し、ブランドの管理とマーケティングはサントリーが担うという分業構造になっています。ウイスキー業界ではこのような複雑な所有形態は珍しくなく、歴史的な経緯や買収・提携によって形作られることが多いようです。

ハイラム・ウォーカー蒸溜所のウイスキー造りには、独自のこだわりが数多くあります。なかでも特筆すべきは「プレ・ブレンディング製法」です。「カナディアン・クラブ」は、トウモロコシを主体とするベースウイスキーと、トウモロコシ、ライ麦、ライ麦芽、大麦麦芽などを個別に仕込んだフレーバリングウイスキーの2種類を使用しています。通常は熟成後にブレンドするのが一般的ですが、この製法では原酒が熟成する前のニュースピリッツの段階でブレンドし(ベースとフレーバリングの比率は約7対3)、その後樽詰めされます。この手法により原酒同士がよりなじみ、マイルドでバランスの取れた味わいが生まれるのです。
また、寒冷な気候に対応するため、熟成庫にはヒーティングシステムを導入し、常時17~18度に保っています。この温度管理のもと、暖房設備のある貯蔵庫で6年以上の熟成が行われます。設備面では、ビアスチル、ダブラーの各セットに加え、多塔式のコラムスチル、ポットスチルを備えており、年間5,500万リットルの生産規模を誇ります。
「カナディアン・クラブ」ならではの特徴は、ライトでスムーズな飲み心地とクセの少ないすっきりとした味わい。そのバランスの良さから多くの人に親しまれ、現在では世界150カ国以上で楽しまれています。
Data
蒸留所:ハイラム・ウォーカー蒸溜所(ペルノリカール社)
所在地:Walkerville,Ontario
URL:https://www.suntory.co.jp/whisky/canadianclub/(サントリー公式HP)
URL:https://www.canadianclub.com/
創業年:1858年
アルコール度数:40度
容量:700ml
【広告】楽天/ウイスキー通販
【広告】Amazon/ウイスキー通販
・ご指定以外の商品も表示されます。
・お酒は二十歳になってから。