ごてんさくら じゅんまいしゅ
2026.04.28
飲むほどに広がる米本来のコクと甘み
徳島市に蔵を構える斎藤酒造場が手掛ける『御殿桜 純米酒』は、米と水だけを原料に丁寧に醸された純米酒で、地元・徳島の風土を色濃く映した一本です。蔵の歴史は昭和14年創業と古く、吉野川の支流・鮎喰川の伏流水を仕込み水に使うなど、地域の恵みを活かした酒造りが特徴です。
「御殿桜 純米酒」は精米歩合60%まで磨いた米を使用し、雑味を抑えながらも米の旨味と芳醇な香りをしっかりと残しています。味わいは「中口からやや辛口」とされ、すっきりとしたキレと柔らかな旨味のバランスが良いため、食中酒として非常に優秀です。特に和食との相性が良く、冷やしても燗にしても美味しく楽しめる懐の深さがあります。
また、斎藤酒造場は昔ながらの「槽搾り(ふねしぼり)」という手間のかかる搾り方を採用しており、ゆっくりと時間をかけて搾ることで雑味の少ない、やわらかな口当たりの酒に仕上げている点も魅力です。こうした丁寧な造りが、素直で飲み飽きしない味わいを生み出しています。
「御殿桜」という名は、かつて徳島を治めた蜂須賀氏の御殿周辺に咲き誇った桜に由来し、華やかで美しい酒でありたいという願いが込められています。ブランド全体として多彩なラインナップを持ちますが、この純米酒はその中心に位置する、もっとも日常に寄り添う一本といえるでしょう。
「御殿桜 純米酒」は、地元の素材・伝統技法・丁寧な造りが三位一体となった、素朴で誠実な味わいの日本酒です。毎日の晩酌にも、贈り物にもふさわしい、徳島らしさが詰まった一本としておすすめできます。
■飲み方あれこれ!!
ぬる燗(40℃):
米の旨みが最もふくらみ、やわらかな甘みと穏やかな酸が心地よく調和する温度帯。雑味が出ず、香りもふんわり立ち上がるため、純米酒らしい素直な味わいをじっくり楽しめる落ち着いた飲み口になる。
常温(20℃):
米のコクとやさしい香りが自然に広がり、飲み飽きしないバランスの良さが際立つ。冷やしすぎず温めすぎないことで、味わいの輪郭が最も素直に感じられ、食中酒としての万能さが引き立つ。
涼冷え(15℃):
口当たりが軽やかになり、後味のすっきり感が際立つ温度帯。香りは控えめながら、米の旨みがキレよく感じられ、食事の邪魔をしない爽やかな飲み心地が魅力。初めて飲む人にも親しみやすい印象になる。
おすすめのマリアージュ:
●焼き魚(サバの塩焼き、鮭の塩麹焼き):
米の旨みと穏やかな酸が、魚の脂をやさしく包み込み、後味をすっきり整えてくれる。
●だし巻き卵:
ぬる燗のふくらみある甘みが、卵のやさしい甘さと調和し、味わいがより豊かに感じられる。
●おでん:
常温やぬる燗の柔らかい旨みが、だしの風味と寄り添い、具材の味を引き立てる。
●冷奴・湯豆腐:
純米酒の素朴な旨みが豆腐の大豆の甘みと重なり、シンプルな料理ほど相性が良くなる。
●天ぷら(野菜・白身魚):
涼冷えのすっきり感が油を軽やかに流し、素材の甘みを引き立てる。
▶「有限会社斎藤酒造場」のこと
「有限会社斎藤酒造場」は、1939年(昭和14年)に徳島市佐古七番町で創業した酒蔵である。創業者は県南の酒造会社で修業を積んだのちに独立し、当時から水質の良さで知られていた佐古地区を酒造りの地として選んだ。この地域には鮎喰川(あくいがわ)の伏流水が豊富に流れ、かつては醤油や味噌、酢などの醸造所が立ち並ぶ発酵文化の中心地であったが、現在では同社が唯一残る酒蔵となっている。
「斎藤酒造場」の歴史はさらに遡ると、1830年代(天保年間)に前身となる酒蔵が創業していたとされ、1939年(昭和14年)に斎藤家がその蔵を買い取り現在の形で酒造業を開始した。戦時中の1941〜1944年(昭和16~19年)には一時休業を余儀なくされたが、1945年(昭和20年)に酒造りを再開し、地域に根ざした酒蔵として歩みを続けてきた。1975年(昭和50年)には有限会社へと組織変更し、現在は三代目の斎藤智彦氏(※)が代表を務めている。
⇒三代目の斎藤智彦氏(※)
〇現代表の斎藤智彦氏は、祖父の死去をきっかけに勤めていた食品会社を辞めて帰郷し、父・弟とともに酒造りに取り組む道を選んだ。2012年には三代目として社長に就任し、家業を守りながら新たな挑戦にも踏み出している。この家族の決断と継承の物語は、蔵の歴史における大きな転機となっている。
酒造りの最大の特徴は、吉野川の支流・鮎喰川の伏流水(軟水)を仕込み水に使用していることである。この水はやわらかく、すっきりとした味わいの酒を生み出すとされ、同社の日本酒が「飲みやすく、やや甘口で穏やかな風味」を持つ理由となっている。
また、徳島県産の酒米を中心に使用し、地域の素材を積極的に取り入れる姿勢も特徴的である。神山町特産の鶯宿梅を使った梅酒や、徳島県で開発された「LED夢酵母」を用いた酒造りなど、地元の資源を活かした商品開発にも力を入れている。
製法面では、創業以来続く昔ながらの槽搾りによる丁寧な上槽を守り、やわらかく雑味の少ない酒質を追求している。代表銘柄「御殿桜」は純米大吟醸から本醸造まで幅広く展開され、どぶろくやリキュール、ハニーワインなど多様な醸造酒も手がける(※2)など、伝統と挑戦を両立させている。
⇒どぶろくやリキュール、ハニーワインなど多様な醸造酒も手がける(※2)
〇三代目のモットーは「醸すのは、楽しいお酒生活」。その理念のもと、清酒だけでなくリキュールやその他醸造酒の製造免許も取得し、野菜リキュール「キャロッ娘」やハニーワインなど、従来の枠にとらわれない商品を次々と生み出している。これは日本酒蔵としては珍しい幅広い挑戦であり、蔵の柔軟な発想力を象徴している。
近年では、ロンドン酒チャレンジで純米大吟醸「御殿桜」が金賞を受賞するなど、品質面でも高い評価を得ている。地域イベントや飲食店とのコラボを通じて消費者との交流を重視し、徳島の地酒文化を未来へつなぐ蔵として歩み続けている。
▶「有限会社斎藤酒造場」の歴史(年表)
1830年代(天保年間):
前身となる酒蔵が創業したとされ、この地域での酒造りの基盤が形づくられた時期である。
1939年(昭和14年):
斎藤家が前身の酒蔵を買い取り、「有限会社斎藤酒造場」の前身となる酒造業を開始。徳島市佐古七番町にて本格的な酒造りが始まった。
1941年(昭和16年)〜1944年(昭和19年):
戦時下の影響により酒造業を休業。物資統制や労働力不足など、当時の社会情勢が酒造りにも大きく影響した時期である。
1945年(昭和20年):
終戦後、酒造業を再開。地域の需要に応える形で酒造りが復活し、戦後の徳島の酒文化を支える存在として再び歩み始めた。
1975年(昭和50年):
組織を「有限会社」へと改め、現在の法人形態となる。これにより経営基盤を強化し、事業の安定化と拡大を図る体制が整えられた。
2014年(平成26年):
野菜リキュール「キャロッ娘」を発売。日本では珍しい野菜リキュールとして注目され、従来の日本酒に加えて新たな商品開発への積極的な姿勢を示した。
Data
生産者:有限会社斎藤酒造場
住所:徳島県徳島市佐古七番町7-1
創業:1939年(昭和14年)
TEL:088-652-8340
URL::https://www.gotensakura.com/ (斎藤酒造場公式サイト・直接注文不可/楽天ショッピングリンク有)
特定名称:純米酒
原料米&精米歩合:掛け米・麹米ともに国産米60%
アルコール度数:15%
酵母:―
日本酒度:―
酸度:―
容量: 300ml(瓶)、720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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