天下一

てんかいち

2025.12.02

食事と調和するまろやかな香り

鹿児島県大島郡知名町にある新納(にいろ)酒造が手がける『天下一』は、大正9年(1920年)創業の歴史ある蔵元が造る代表銘柄です。黒糖焼酎は奄美群島でのみ製造が許されており、「天下一」はその中でも特に黒糖の使用割合が高く、米麹の約2倍の黒糖を使用して仕込まれています。

蒸留には単式蒸留器を用いた常圧蒸留を採用し、原料の風味をしっかりと引き出しています。蒸留後は1年以上の熟成期間を経て出荷されるため、黒糖特有の甘みと香り、そしてまろやかで奥深いコクが絶妙に調和した味わいに仕上がっています。

また、仕込み水と割り水には、奄美特有のサンゴ礁に濾過されたミネラル豊富な硬水を使用しており、これが清らかでキレのある飲み口を生み出しています。アルコール度数は30度とやや高めですが、ロックや水割り、炭酸割りでも楽しめるほか、寒い季節にはお湯割りもおすすめです。

「天下一」は、黒糖焼酎の魅力を存分に味わいたい方にぴったりの一本。伝統と革新が融合したこの焼酎は、食中酒としても、ゆったりとした晩酌のひとときにも最適です。

■飲み方あれこれ!!

お湯割り:

黒糖の甘みがふわりと立ち上がり、香りが一層引き立つ。口当たりはやさしく、体の芯から温まるような心地よさが広がる。寒い季節にぴったりの癒しの一杯。

ロック:

氷で冷やすことで甘みが引き締まり、黒糖のコクが際立つ。ゆっくりと溶ける氷とともに味の変化を楽しめる、贅沢な時間を演出する飲み方。

ソーダ割り:

爽快感が加わり、黒糖の風味が軽やかに広がる。食事との相性も良く、特に脂の乗った料理と合わせると後味がすっきりして心地よい。

▶「新納酒造株式会社」のこと

「新納酒造株式会社」は、奄美群島・沖永良部島に根ざした黒糖焼酎の老舗蔵元であり、100年以上にわたる歴史と独自の焼酎造りの技術を誇ります。創業は大正9年(1920年)。三代目当主・新納政明氏が沖縄式の泡盛製造を始めたのが起点です。戦中の昭和20年には空襲により酒造場が全焼(※)するという大きな被害を受けましたが、翌年には親戚や友人の支援を受けて仮工場を設け、沖縄から泡盛種麹を取り寄せて再出発を果たしました。その後も昭和52年の沖永良部台風による甚大な被害を乗り越え、現在の新工場へと移転し、伝統を守りながらも革新を続けています。

⇒昭和20年には空襲により酒造場が全焼(※)

〇空襲で酒造場を失った「新納酒造」は、親戚や友人の支援を受けて仮工場を設け、再び酒造りを始めました。その際、四代目当主・新納常和氏が懇意にしていた吉松軍八医師から、「製品はもとより、この工場の様たるや将に天下一であろう」と称賛されたのです。この言葉に感銘を受けた新納氏は、そのまま「天下一」を銘柄名として採用しました。

「新納酒造」の焼酎造りの特徴は、黒糖の風味を最大限に引き出すための製法にあります。代表銘柄「天下一」では、米麹の約2倍の黒糖を使用し、常圧蒸留によって原料の個性をしっかりと残した仕上がりに。蒸留後は1年以上の熟成期間を経て出荷され、黒糖特有の芳醇な香りとまろやかな甘み、深いコクが楽しめます。また、割り水には逆浸透膜式の浄水器でろ過した純水に近い水を使用し、焼酎本来の味わいを損なうことなく引き立てています。

さらに、蔵では伝統的な「仕継ぎ技法」による長期熟成にも力を入れており、5年熟成の「水連洞」や12年熟成の「寿」など、古酒の魅力を活かした銘柄も展開。近年では、減圧蒸留による軽やかな飲み口の「をちみづ」や、黒糖を常温で仕込む新製法を取り入れた「天下無双」など、飲みやすさや香りの豊かさを追求した新商品も登場しています。

少人数の蔵ながら、製造から瓶詰め、ラベル貼りまで一貫して手作業で行い、丁寧な酒造りを貫いているのも特徴です。伝統を守りながらも革新を恐れず、黒糖焼酎の可能性を広げ続ける「新納酒造」は、まさに奄美の焼酎文化を体現する存在といえるでしょう。

▶「新納酒造株式会社」の歴史(年表)

1920年(大正9年):

新納政明氏が沖永良部島にて「新納酒造株式会社」の前身となる酒造業を創業。沖縄式の泡盛製造を開始し、地域に根ざした酒造りをスタートさせる。

1945年(昭和20年):

第二次世界大戦中の空襲により、酒造場が全焼するという大きな被害を受ける。戦後の混乱の中、酒造業の再建に向けて動き出す。

1946年(昭和21年):

親戚や友人の支援を受けて仮工場を設け、沖縄から泡盛種麹を取り寄せて酒造りを再開。困難な状況下でも伝統を守り続ける姿勢を貫く。

1977年(昭和52年):

沖永良部台風により再び甚大な被害を受ける。これを機に、より堅牢で近代的な設備を備えた新工場への移転を決定。

1980年代以降:

黒糖焼酎の製造に本格的に取り組み始める。代表銘柄「天下一」をはじめとする黒糖焼酎のラインナップを拡充し、奄美群島の伝統を全国に発信。

2000年代:

長期熟成焼酎「水連洞」や「寿」など、仕継ぎ技法を活かした古酒の製造を開始。黒糖焼酎の新たな魅力を追求し、品質向上に努める。

近年:

減圧蒸留や常温仕込みなどの新技術を導入し、「をちみづ」や「天下無双」などの新商品を開発。伝統と革新を融合させた酒造りで注目を集める。

現在:

少人数体制ながらも、製造から瓶詰め、ラベル貼りに至るまで一貫して手作業で行い、丁寧な酒造りを継続。奄美の風土と文化を体現する蔵元として、黒糖焼酎の魅力を全国に届けている。

Data

生産者:新納酒造株式会社

住所: 鹿児島県大島郡知名町知名313-1(沖永良部島)

創業:1920年(大正9年)

TEL:0997-93-4620

URLhttps://okinoerabujima.info/restaurant-shop/1044 ( 沖永良部島観光サイト:直接注文不可)

原料:黒糖、米麹(白)

蒸留方式: 常圧蒸留

アルコール度数: 30度

容量: 900ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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