シングルモルト余市

Single Malt Yoichi

北の大地が育んだ、海霧と潮風が織りなす骨太なモルト

『シングルモルト余市』は、北海道・余市町にある余市蒸溜所で造られる、力強くスモーキーな味わいが特徴のシングルモルトウイスキーです。創業者・竹鶴政孝がスコットランドで学んだ伝統的な製法を忠実に再現し、石炭による直火蒸溜を今も守り続けています。この製法により、重厚で厚みのある酒質と、ピート由来のスモーキーな香りが際立ちます。

余市の冷涼な気候と海に近い立地は、熟成にも独特の影響を与え、潮気を帯びた複雑なフレーバーを生み出します。薪や焦げた木の皮を思わせる香ばしさ、麦芽の甘み、オーク樽由来のバニラやスパイスが調和し、深みのある余韻を残します。

「シングルモルト余市」は、ニッカの原点ともいえる存在であり、日本のウイスキーが世界に認められるきっかけとなった一本でもあります。伝統と情熱が詰まった、まさに“北のクラシック”と呼ぶにふさわしい逸品です。

■飲み方あれこれ!!

〇「シングルモルト余市」はその力強いピート香と直火蒸溜による重厚な味わいを活かす飲み方が魅力です。以下におすすめのスタイルを箇条書きでご紹介します:

ストレート:

ピートのスモーキーさと麦芽の甘み、潮気をダイレクトに感じられる王道の飲み方。常温でゆっくりと香りを楽しむのがポイント。

ロックス:

氷で冷やすことでスモーキーさが引き締まり、時間とともに変化する香味のグラデーションを楽しめます。

ハイボール:

ソーダで割ると、ピートのコクが爽やかに広がり、食中酒としても優秀。炭酸は氷に当たらないよう静かに注ぐのがコツです。

フロートハイボール:

炭酸水の上にウイスキーを静かに浮かべる2層仕立て。見た目も美しく、香りと味の変化を段階的に楽しめます。

ちょとだけ加水:

数滴の水を加えることで、ピート香が開き、奥に潜んでいた甘みやスパイスが顔を出します。香りの変化を楽しみたい方におすすめ。

余市の個性は飲み方によってさまざまな表情を見せてくれます。

 

▶「余市蒸留所」のこと

余市蒸溜所は、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝が1934年に北海道余市町に設立した、日本のウイスキー史における原点ともいえる蒸溜所です。スコットランドで本場のウイスキー製造を学んだ竹鶴は、その成果を「竹鶴ノート」に克明に記録し持ち帰った。そして、日本でも本格的なウイスキーを造るため、気候・水・空気・原料のすべてが理想に近い地として余市を選びました。三方を山に囲まれ、北に日本海を望むこの地は、冷涼で湿潤な気候と良質な水源に恵まれており、スコットランドのハイランド地方に似た環境を備えていました。

■余市蒸留所

創業当初は、ウイスキーが熟成するまでの資金を得るため、リンゴジュースの製造・販売から事業を開始。社名も「大日本果汁株式会社」としてスタートしました。1936年にはウイスキーの蒸溜を開始し、1940年に初の製品「ニッカウヰスキー」を発売。これを機に社名も現在の「ニッカウヰスキー」へと改められました。

余市蒸溜所の最大の特徴は、創業当時から続く「石炭直火蒸溜」です。現在では世界的にも稀なこの製法は、ポットスチルを石炭の炎で直接加熱するもので、力強く重厚な酒質を生み出します。また、ピート(泥炭)で乾燥させた麦芽を使用することで、スモーキーで骨太なフレーバーが特徴の原酒が造られています。

戦時中は贅沢品とされたウイスキーの製造が制限される中でも、余市蒸溜所は海軍指定工場として原酒の製造を継続。戦後も品質第一を貫き、1989年には「シングルモルト余市」を発売。2000年代以降は国際的な品評会でも高い評価を受け、2008年には「余市1987」が世界最高賞を受賞するなど、日本のウイスキーの地位を世界に知らしめる存在となりました。

現在では、蒸溜所の建物群の多くが国の重要文化財に指定され、観光地としても人気を集めています。伝統と革新を併せ持つ余市蒸溜所は、今なお竹鶴の理想を体現し続ける、日本ウイスキーの聖地です。

▶「竹鶴ノート」(※)とは?

ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝が1920年にスコットランドへ留学した際、現地のウイスキー製造技術を詳細に記録した実習報告書のことです。

このノートには、原料の選定から発酵、蒸留、熟成、ブレンドに至るまでの工程が、図や数値、竹鶴自身の考察とともに克明に記されています。まさに日本のウイスキーづくりの礎となった「教科書」とも言える存在です。

■「マッサンとリタ」の物語

〇竹鶴政孝(通称マッサン)はスコットランドでウイスキー製造を学び、現地で出会ったリタと結婚。日本で本格ウイスキーを造るという夢を追い、1934年に余市蒸溜所を設立しました。リタは異文化の中で夫を支え続け、今も蒸溜所内の「旧竹鶴邸」にはその暮らしの面影が残されています。

2014年放送のNHK連続テレビ小説『マッサン』は、竹鶴夫妻の半生をモデルにした作品で、余市蒸溜所がその舞台のひとつとなりました。放送後は“聖地巡礼”として多くのファンが訪れ、蒸溜所の見学ツアーやミュージアムが一層注目を集めました。

 

▶「余市蒸留所」の歴史(年表)

1934年:

竹鶴政孝が「大日本果汁株式会社」を設立。北海道余市町にウイスキー蒸溜所を建設。

1935年:

「ニッカ林檎汁(りんごジュース)」を発売。ウイスキー熟成までの資金源とする。

1936年:

ウイスキーとブランデーの製造を開始。ポットスチルによる蒸溜が始まる。

1940年:

初のウイスキー製品「ニッカウヰスキー」発売。社名もこれにちなみ変更。

1952年:

本社を東京に移転し、社名を正式に「ニッカウヰスキー株式会社」とする。

1980年:

創業当時の旧事務所が余市町の「指定文化財」に認定。

1989年:

「シングルモルト余市」発売。ニッカの原点を象徴する商品として登場。

2001年:

アサヒビールと営業統合。「シングルカスク余市」が世界的評価を受ける。

2002年:

ザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS)認定蒸溜所に。

2004年:

「北海道遺産」に選定される。

2005年:

蒸溜所内の建造物9棟が国の「登録有形文化財」に登録。

2008年:

「余市1987」がWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)で世界最高賞を受賞。

2022年:

建造物10棟が国の「重要文化財」に指定される。

Data

蒸留所:ニッカウヰスキー余市蒸溜所(アサヒグループホールディングス(株))

所在地:北海道余市郡余市町黒川町7-6

URL:https://www.nikka.com/agecheck/permission.html(ニッカウヰスキー公式HP)

創業年:1934年

蒸留器:初留7,000L ×2基、10,000L ×2基(ストレート型)、再留10,000L ×1基、13,000L ×1基(ストレート型)

アルコール度数:45度

容量:700ml

 

 

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