シングルモルトウイスキー山崎12年

Single Malt Whisky Yamazaki 12 Year Old

サントリーの原点が詰まった伝統と革新のシングルモルト

『シングルモルトウイスキー山崎12年』は、サントリーが誇る日本初のモルトウイスキー蒸溜所・山崎蒸溜所で造られる、日本を代表するプレミアムウイスキー。1984年の発売以来、国内外で高い評価を受け、数々のコンペティションで受賞を重ねてきた、まさにジャパニーズウイスキーの象徴的存在です。

ホワイトオーク樽を中心に、シェリー樽やミズナラ樽(※)など複数の樽で熟成された原酒を絶妙にヴァッティングし、12年以上の時を経て完成。香りは、熟した柿や桃のような果実香とバニラの甘く華やかな印象が織りなす芳醇な広がりを持ちます。

味わいは厚みと奥行きがあり、複雑でエレガントな甘みにスパイシーさやビターな要素が重なり合い、深い余韻を生み出します。フィニッシュにはバニラや樽香が心地よく残り、長く続く後味も魅力のひとつです。

日本の風土と匠の技が育んだこのウイスキーは、贈り物としても、自分への特別な一杯としてもふさわしい、唯一無二の存在です。

▶ミズナラ樽(※)?

当時、ウイスキーの熟成にミズナラ樽を使う例はほとんどありませんでした。山崎蒸溜所でミズナラが導入されたきっかけは、第二次世界大戦中の物資不足にあります。1940年代、戦時の影響で海外からの樽材輸入が困難となり、サントリーは国産のオーク材を探さざるを得なくなりました。そうして選ばれたのが、日本固有の木材であるミズナラ(Japanese Oak)です。

しかし当初のミズナラは、加工の難しさや液漏れのリスク、さらに新樽に特有の強い木香から、ブレンダーの評価も高くありませんでした。ところが、長期間熟成させることで香味が大きく変化することが判明。伽羅(きゃら)や白檀(びゃくだん)を思わせる、繊細で奥ゆかしい“和の香り”が立ち上ることがわかり、その評価は一変します。

この偶然の発見が、やがて山崎の個性を象徴する香味のひとつとなり、現在ではサントリーが保有する約120万樽のうち、わずか数千樽という希少な存在としてミズナラ樽は大切に扱われています。

■飲み方あれこれ!!

ストレート:

熟した果実やバニラ、ミズナラ樽由来の香木のような香りをダイレクトに楽しめます。常温でゆっくりと味わうのがおすすめ。

トワイスアップ(水1:ウイスキー1):

香りがふわっと開き、山崎12年の複雑なアロマがより感じられます。テイスティングにも最適。

オン・ザ・ロック:

氷で冷やすことで味わいが引き締まり、時間とともに変化する香味を楽しめます。ウッディさやスパイス感が穏やかに広がります。

水割り(1:1〜1:2):

アルコール感が和らぎ、甘みや果実香が際立ちます。食中酒としてもおすすめ。

ハイボール(1:3〜1:4):

炭酸で割ることで、フルーティーな香りと爽快感が際立ちます。レモンピールを添えるとさらに華やかに。

お湯割り(1:2程度):

寒い季節にぴったり。温めることで香りが立ち、まろやかな甘みが引き立ちます。 それぞれの飲み方で、山崎12年の異なる表情が楽しめます。

 

▶山崎蒸留所のこと

山崎蒸溜所は、日本初の本格的なモルトウイスキー蒸溜所として、1923(大正12)年にサントリー(当時は寿屋)の創業者・鳥井信治郎によって建設が始まった。鳥井は「日本人の手で、日本人の味覚に合ったウイスキーを造りたい」という強い信念を持ち、スコットランドでウイスキー造りを学んだ竹鶴政孝(後のニッカウヰスキー創業者)を招聘した。

■創業者・鳥井信治郎

竹鶴の技術指導のもと、京都郊外(所在地は大阪府)の山崎の地に蒸溜所を建設しました。天王山系の麓に位置する山崎が選ばれた理由は、名水の地として知られ、桂川・宇治川・木津川の3つの川が合流することでその水温差から霧が発生する湿潤な気候と、この地には「離宮の水(※2)」として知られる良質な水源があり、茶人・千利休も愛用したと伝えられています。この天王山水系の湧水(硬度約90の軟水)は「日本の名水百選」にも選ばれるほどで、ウイスキーづくりに欠かせない恵まれた自然環境のひとつとなっています。さらに大阪などの「大消費地から近い」という理由もありました。

1924年11月に蒸溜所は完成し、スコッチと同様の製法でウイスキー造りが開始されました。しかし、熟成に時間がかかるため、すぐに商品化はできず、経営は一時的に苦境に立たされます。
1929年に発売された日本初の本格国産ウイスキー「白札」は、スコッチタイプのスモーキーな味わいが当時の日本人には受け入れられず、商業的には失敗に終わりました。それでも鳥井は諦めず、試行錯誤を重ね、1937年に発売した「角瓶」が大ヒット。これが日本のウイスキー文化の礎となりました。

戦時中も山崎蒸溜所は軍の指定工場として稼働を続け、戦後は「オールド」や「ローヤル」などのブレンデッドウイスキーを生み出し、サントリーの成長を支えました。1961年には、創業者・鳥井信治郎の次男・佐治敬三が2代目社長に就任。1963年には、社名を「壽屋」から現在の「サントリー」に変更しました。佐治は、広告戦略や文化事業にも力を入れ、「やってみなはれ」の精神でサントリーを大きく飛躍させた人物でもある。

1984年には、山崎蒸溜所竣工60周年を記念してシングルモルトウイスキー「ピュアモルト山崎」が誕生する。佐治自らが開発に携わり、ラベルに記された「山崎」の文字も、彼自身の筆によるものである。リリース当初は年数表記がなかったが、1986年以降は「12年」と記載されるようになる。

日本的な繊細さと奥行きを持つ味わいは、世界中のウイスキーファンから高く評価され、2003年には「山崎12年」がインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)で金賞を受賞。ジャパニーズウイスキーの名声を世界に広めるきっかけとなりました。2013年には、蒸溜所の一部設備がリニューアルされ、見学施設もより充実した内容へと整備されました。

■山崎蒸留所

山崎蒸溜所のウイスキーづくりの大きな特徴のひとつが、形や大きさの異なる多様な蒸溜器を使い分けていることです。発酵にはステンレスタンクと木桶槽を使い分け、ストレート型、バルジ型、ランタン型といった形状が異なる(初留×8基、再留×8基)複数のポットスチルを巧みに使い分け、直火加熱と間接加熱(スチーム加熱)を併用することで異なる個性をもつ原酒を造り分けています。

また、熟成にも複数の樽を使い分け、ウイスキーの香りや味わいに豊かな広がりをもたせています。ホワイトオーク樽やシェリー樽に加え、特にミズナラ樽で熟成された原酒は、香木や伽羅を思わせる繊細で和の趣を感じさせる香りが特徴です。

ほかにも木製とステンレス製の発酵槽やさまざまな種類の墫による熟成、さらにはポットスチルの加熱方法も直火と間接加熱を使い分け、約100種類ものモルトウイスキー原酒を造り分ける、世界でも稀な蒸留所です。

山崎蒸留所は、生誕100周年を機に2023年には施設を大改修、またフロアモルティングを再開しました。現在も山崎蒸溜所は、伝統と革新を融合させながら、多彩な原酒を生み出し続けています。 まさに日本のウイスキー文化を象徴する存在です。

■エピソード 「あの建物には“ウスケ”という怪物が棲んでいる」

〇1924年、蒸溜所が稼働を始めたばかりの頃、地元の人々の間で「あの建物には“ウスケ”という怪物が棲んでいるらしい」という噂が広まったそうです。というのも、毎日大量の大麦が運び込まれているのに、煙突からは煙が上がるばかりで、製品らしきものが一向に出てこない。ウイスキーが熟成に長い年月を要することを知らなかった当時の人々は、「あれは怪物“ウスケ”のエサだ」と本気で信じていたとか。

この“怪物伝説”は、ウイスキーという未知の飲み物と、それを生み出す蒸溜所がいかに人々の想像力をかき立てたかを物語っています。そして、そんな誤解を乗り越えて、鳥井信治郎と職人たちは日本初の本格ウイスキー造りに挑み続けたのです。

 

▶「離宮の水(※2)」

山崎蒸溜所の仕込み水は、「離宮の水」として知られ、日本の名水百選にも選ばれています。これは、後鳥羽上皇が造営した水無瀬離宮跡に湧き出る良質な水で、現在でも茶道や書道といった伝統文化の場で用いられています。

Data

蒸留所:山崎蒸溜所(サントリーホールディングス)

所在地:大阪府三島郡島本町山崎5丁目2-1

URL:https://www.suntory.co.jp/whisky/yamazaki/(サントリー公式HP)

創業年:1923年

蒸留器:初留器×8基・再留器×8基(ストレート型、バルジ型、ランタン型など)

アルコール度数:43度

容量:700ml

 

 

【広告】楽天/ウイスキー通販

 

【広告】Amazon/ウイスキー通販

 

・ご指定以外の商品も表示されます。

・お酒は二十歳になってから。