シングルモルト宮城峡

Single Malt Miyagikyo

伝統と革新が交差するニッカのもうひとつの聖地

『シングルモルト宮城峡』は、ニッカウヰスキーが誇る東北・仙台の蒸溜所で生まれるシングルモルトウイスキー。奥羽山脈の清冽な水と豊かな自然に囲まれた宮城峡蒸溜所は、1969年に竹鶴政孝の理想を実現する第二の拠点として誕生しました。余市の力強いピート香とは対照的に、宮城峡は花や果実を思わせる華やかなアロマと、やわらかで丸みのある口当たりが特徴です。

蒸溜には伝統的なポットスチルを用いながらも、蒸気による加熱方式を採用することで、より軽やかで繊細な酒質が生まれています。シェリー樽やリフィル樽など多彩な樽で熟成され、複層的な香味のバランスが見事に調和しています。

ウイスキーに「優しさ」や「透明感」といった表現を与えるこの一本は、日本の四季や風土と響き合う味わいを持ち、静かに、しかし印象深く余韻を残す逸品です。日本のモルト文化を語るうえで、欠かせない存在のひとつといえるでしょう。

■飲み方あれこれ!!

〇その日の気分や料理に合わせて、飲み方を変えてみるのも一興ですね。

ストレート:

最もピュアな状態で、果実のようなアロマや繊細な余韻をしっかり味わえます。少量ずつ口に含み、空気と混ぜながらゆっくり楽しむのがコツです。

トワイスアップ(水割り1:1):

常温の軟水と1:1で割ることで、香りがふわりと開き、より柔らかく上品な印象に。宮城峡の華やかな側面が際立ちます。

ロック:

軽やかな酒質が氷で引き締まり、時間と共に変化する風味の移ろいを楽しめます。香りが変化していく様子も魅力のひとつ。

ハイボール:

ソーダで割ると、心地よい果実香と甘さが軽快に広がり、食中酒としても活躍。クセが少ないため食事との相性も良好です。

加水少々:

ストレートにほんの数滴の水を加えることで、香りが立ち、奥行きのある風味が引き出されます。香りの観察が楽しい飲み方です。


 

▶「宮城峡醸造所」のこと

宮城峡蒸溜所は、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の理想を実現するため、1969年に宮城県仙台市の西部、緑豊かな峡谷地帯に設立されたニッカ第二の蒸溜所です。北海道・余市蒸溜所の力強くピーティーな原酒に対し、より繊細で華やかなウイスキーを生み出すことを目的として構想されました。

政孝は全国を巡って候補地を探し、最終的に新川と広瀬川に挟まれた自然豊かな地に心を奪われます(※)。現地の清流でブラックニッカを割って味を確かめたという逸話は有名で、その場で建設を即決したと伝えられています。蒸溜所の設計には「自然との共生」が重視され、樹木の伐採を最小限に抑え、電線は地下に埋設。建物の床高も地形に合わせて変えるなど、当時としては先進的な配慮がなされました。

製造面では、上向きのラインアームを持つバルジ型ポットスチルと、蒸気による加熱方式(スチーム蒸溜)を採用。これにより、蒸気と香味成分が釜内で何度も還流し、華やかでフルーティーな酒質が生まれます。また、旧式のカフェスチルも導入され、グレーンウイスキーの製造も行われています。このカフェスチルは世界的にも希少な存在で、香味豊かな原酒を生み出す源泉となっています。

宮城峡蒸溜所は、シングルモルト「宮城峡」だけでなく、ニッカのブレンデッドウイスキーやピュアモルトの中核を担う原酒供給源としても重要な役割を果たしています。自然と技術、そして創業者の哲学が融合したこの蒸溜所は、日本のウイスキー文化を語るうえで欠かせない存在です。

▶宮城峡蒸留所の歴史(年表)

1967年5月12日:

創業者・竹鶴政孝が新川と広瀬川の合流地点を視察し、清流でブラックニッカを割って味を確かめた後、蒸溜所建設を即決。

1968年3月:

宮城県宮城郡宮城町作並にて新工場の起工式を実施。自然との共生を意識した設計が始まる。

1969年5月10日:

宮城峡蒸溜所が竣工。記念商品「オールドニッカ」を発売し、「ハイランド余市とローランド宮城峡」という表現が登場。

1976年:

食品業界初のコンピューターを導入し、生産管理の近代化を図る。

1981年:

新川へのヤマメ稚魚の放流を開始。自然保護活動の一環として毎年実施。

1983年6月:

緑化優良工場として通商産業大臣賞を受賞。

1986年:

緑化優良工場として内閣総理大臣賞を受賞。自然との共生が高く評価される。

1987年11月1日:

宮城町が仙台市に編入され、住所が「仙台市ニッカ1番地」に変更。

1989年4月1日:

仙台市が政令指定都市に移行し、住所が「仙台市青葉区ニッカ1番地」に。

1989年5月:

「NIKKA SINGLE MALT WHISKY “MIYAGIKYO” 12 YEARS OLD」発売。蒸溜所名が「SENDAI “MIYAGIKYO” DISTILLERY」と表記される。

1992年:

敷地内にガーデンハウス「赤レンガ」がオープン。見学者向けの施設が充実。

2001年4月:

ニッカウヰスキーがアサヒビールの完全子会社となる。

2002年12月24日:

「シングルカスク仙台宮城峡1990」を発売。シングルモルトとしての個性が注目される。

■「水で決めた」蒸溜所の設立(※)

〇1967年、竹鶴政孝は新たな蒸溜所の候補地を探して全国を巡っていました。そんな中、宮城県作並の地を訪れた際、彼は近くを流れる新川の水を手に取り、持参していたブラックニッカで割って味を確かめたといいます。その瞬間、「この水なら理想のウイスキーができる」と確信し、即座にこの地に蒸溜所を建てることを決断したのです。

このエピソードは、ウイスキーづくりにおける「水」の重要性を象徴するものとして、今も語り継がれています。

Data

蒸留所:ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所(アサヒグループホールディングス(株))

所在地:宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地

URL:https://www.nikka.com/agecheck/permission.html(ニッカウヰスキー公式HP)

創業年:1969年

蒸留器:初留×4基、再留×4基(丸みを帯びたバルジ型)、- カフェ式連続蒸溜機(Coffey Still)×2基

アルコール度数:45度

容量:700ml

 

 

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